一般解と特定解

科学研究者、社会研究者が導きだす解は、一般解です。技術者、参媒が導きだす解は、特定解です。

ある瞬間の1人の人間・1つの集団にとって最も価値がある解は、現在および未来の状況・要求に即した特定解です。

発想の元:
大前 研一 : 続・企業参謀 (講談社文庫, 1986) pp. 217-218.

戦略を立案する参媒には、一般論はいらない。戦場はどのような理論や手法で記述できても、そこから導き出された解と、それに続く行動に誤謬があれば、何の役にも立たない。

大前 研一 : 企業参謀 (講談社文庫, 1985) p.210.

シンクタンクによって取り扱われるテーマには主語がない。「研究所」である以上はそれでよいのであるが、「だれにとって……」という部分が抜けているのである。すなわち、「鋳物購買の立地はどこがよいか?」の主語は、トヨタでも日産でもよいのである。いや、逆にトヨタにも日産にも当てはまらないかもしれない。しかし、「日本の自動車業界一般にとっては」適用される一般論なのである。また、こうした一般論の認識は重要でもあり、かつ分析、研究にも高度の技術が必要なのである。シンクタンクといわれる所以である。

 では、一般論ではなく、特定の主語を入れるためにはどうしたらよいか? … 話は、マクロエコノミックなベースでは進められないことがただちに理解される。一般解ではなく、特定解を見出さなくてはならない。