三菱電機、戦闘機レーダー輸出へ

戦闘機レーダー輸出へ 三菱電機、防衛装備三原則受け (日本経済新聞、2014/ 7/14朝刊)

GaN(窒化ガリウム)素子による戦闘機向けアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダ。

日本の戦闘機の電気系ハードウェアには定評がある(と、私は思っている)ので、売れるポテンシャルはある。

なお、アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダを搭載した世界初の量産型戦闘機は、三菱 F-2戦闘機(当時は、F-2支援戦闘機。レーダは、J/APG-1 )。

参考:
フェイズド・アレイ・レーダの原理について

カオス現象とアンサンブル予報

マクロ現象では、極小さな違いが、時間がたつにつれ大きな違いをもたらすことがある。カオス現象である。カオス現象が存在する場合、未来のマクロ現象を正確に予測することはできない。マクロ現象の観測結果に測定誤差が含まれているため、観測結果から予測された未来のマクロ現象が、正確であるかどうか保証されないのである。予測が全く外れているかもしれない。

それでも、何らかの予測の答えをださないと実用の価値を生まないので、観測結果を使った予測に加えて、観測結果の値を少し上下させた値を使った予測も実施し、それらの予測結果を平均して、ひとつの予測結果を得る方法がある。これがアンサンブル予報である。

良い効率をもたらす順番は、第1優先でなく、必須条件でもない

「第三善を戦場に送れ。次善は遅れる。最善はついに完成しない――ワトソン・ワッソ卿」

最も効率的な連動は最善であり、故にその機会はやってこない。

まずは単動せよ(そして、状況を かき回せ)。

良い効率をもたらす順番は、第1優先でなく、必須条件でもない。

無術理術無

(1)無 (2)術 (3)理 (4)術 (5)無

(2)術は、(3)理に先行する。

  哲学と現実、科学と技術

よく訓練された(4)術は、無意識、すなわち(3)理を意識せずに実施される。

  三戸裕子 : 定刻発車 ―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?― (新潮文庫, 2005) p.256

本書の取材のために会って話を聞いた多くの鉄道人たちからは「世界に稀に見る定時運転を実現させるために俺はこの仕事をしているのだ!」というような気負った意識は、全くといってよいほど伝わってこなかった。

中島 敦の「名人伝」に描かれた名人の極致は、(5)無である。

(1)無と(5)無は、紙一重である。ある個人において異なっていても、その個人の死までもを考えた時、両者に隔てはなくなり、(5)無状態は、(1)無状態に遷移する。

(1)無状態に遷移しないようにするためには、(3)理状態を保持し続けなけばならない。

納期短縮というソリューションの領域

客先の判断のスピードが速くなるにつれ、短い納期が要求されるようになる。

このとき、納期短縮の一連の解決法(ソリューション)は、客先納入までの一過性のものであるにも関わらず、大きな意味を持つ。そして、このソリューションは、メーカー中心の、すなわち、メーカーが主導権を握るソリューションである。

関連:
大熊 康之 : 戦略・ドクトリン統合防衛革命―マハンからセブロウスキーまで米軍事革命思想家のアプローチに学ぶ (かや書房, 2011) p.222.

彼[:John Boyd 空軍大佐(退役)]はこのことから「敵よりも迅速なテンポ又はリズムで作戦する我の能力は、敵を敵自身のシステムに封じ込め、外部で展開中の事象に適応するこを許さず、混乱と無秩序に陥らせる」ことになり、これによって、敵対者に対する新しい戦略を構築することができる、とした。

全体を示すこと

「全体を示すこと」の重要性は、新幹線のデッキに貼られている時刻表を見ればわかる。

A2サイズ? の紙 1枚に、東海道山陽(・九州 ?)新幹線の全駅・全列車の時刻が書かれている様(さま)は、何駅・何本あるか分からない新幹線の運行が紙1枚に表せることで、見る者に安心感を持たせる。

「方丈記」にみるオイラー型・ラグランジュ型

鴨長明 方丈記

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。

第1文「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず」は、オイラー(Euler)型の表現である。

第2文「よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし」は、ラグランジュ(Lagrange)型の表現である。

人力ヘリコプター成功!

全幅58mの人力ヘリコプターAtlas、33年間未踏のシコルスキー賞を獲得 (動画) – Engadget Japanese
AeroVelo Officially Awarded AHS Sikorsky Prize! | AeroVelo

人力ヘリコプターで「滞空60秒以上、最高高度3m以上、かつ10m四方のエリアから離れない」が人類で初めて達成されました。

2013年 6月13日 12:43 EDT(東部夏時間)に、AeroVelo チーム(カナダ)が開発した人力ヘリコプター「Atlas」によって、この飛行が実施されました。そして、7月11日に、シコルスキー賞(Igor I. Sikorsky Human Powered Helicopter Competition)の受賞が認められました。

設計解は、大型4枚回転翼の低速回転でした。

以前、なにかのTV番組で見たのは、自転車ペダルは、1回転中のトルク変動が大きくて、へリコプターの回転翼を回すのに不適切であるため、スプロケット(チェーンの歯車)を楕円形にして解決する、というものでしたが、今回のスプロケットは円形です。

低速回転では回転慣性を稼げるとも思えない。おそらく、ペダルの次に高速度比でつないでいるホイールを高速回転させて、回転慣性をつけているのでしょう。さらに、動力伝達(巻き取り式の模様。つまり、連続運転はできない。また、定速回転が必須)の紐の弾性が寄与していると考えられます。

パイロットは、ここでは「機関」兼「制御装置」なので、この人力ヘリコプター用のペダル踏み(機体の動力変換機構と合わせて、浮遊可能な、回転速度且つトルクを、量としても品質としても満たした回転動力の発生)を60秒以上続け、体重移動で機体を安定させることが使命です。

巻き取り式のようなので連続飛行は無理です。もし連続飛行をしようと思ったら、パイロットが連続的に可能なペダル踏み(回転速度且つトルクの、量且つ品質)で飛行できる機体を設計しないといけません。大した重量増にならないかもしれないませんが、「機関」であるパイロットの冷却も重要です。

初出: 2013/ 7/14 8:44

ズゴックと、戦闘機載コンピュータ

この動画では、

  操縦ソフト(人間による入力を受け付け) → 物理シミュレータ → 二足ロボット

という仕組みで、二足歩行ロボット(「ズゴック」の模型)を動かしている

シミュレータがあれば、実環境からのフィードバックなしに、実環境で(それなりに)まともな動きができることを示している。

シミュレータによって本番の予行演習をして(練習)、それを目をつぶって実行しているのだ。仮想空間での練習と盲聾状態での本番を瞬間的に切り換えて実施しているのだ。

これは予測による制御であって、最近の軍用機での静安定緩和を実現させている技術である (この場合には、フィードバックも存在している)。

初出: 2013/ 5/ 2 13:42