経済と文化に関する小節

第1節:

経済活動の基本的な行為は、生産行為と消費行為である。

 ● 生産行為 ―― 経済的価値候補の生産 と 文化的価値候補の生産

  なお、生産性の向上は、単位資源・単位価格あたりの価値候補を高める行為である。

 ● 消費行為 ―― 価値の決定

  価値は、消費行為によって決定される。

第2節:

生産行為と消費行為の相互作用によって生まれるものとして、以下が上げられる:

 ● 価値、そして、それを表わすお金の手元への移転 (計量方法: 国全体ならば、GDP)

 ● 雇用

 ● 知の流通 …… (3)

 ● 文化物 …… (4)

手元に入ってきたお金の一部は、(1)食糧・エネルギー の購入に充てられる。

食糧・エネルギーを得るための一連の行為は、「稼ぎ」あるいは「パン仕事」と呼ばれる。

お金と雇用は、(2)経済の安定 をもたらす。

第3節:

(1)食糧・エネルギー、(2)経済の安定、(3)知の流通、(4)文化物 などと 人間 によって、文化的社会が形成される。

文化的社会とは、大衆の質が高く、大衆が徳・規範を持ち、他者に対して過剰で致命的な敵対心を持たない、そのような安心な社会である。安心な社会とは、例えば、安心して行動できる、安心して生きられる・産める、安心して生活できる、安心してお金が使える社会である。

文化的社会を発展させる・維持するための一連の行為は、「仕事」あるいは「花仕事」と呼ばれる。

なお、(4)文化物は、文化的社会の発展・維持に継続的に貢献する。

文化的社会の発展は、そこに所属する人間の進歩を意味する。

関連:
本文章は、「後につづく者たちが、我々よりも苦しまない世の中」にするためには を発展させるものとして書かれた。

第2節:
行動基準としてのGDP

産業が動かすもの、作るもの

仕事と稼ぎ~仕事と稼ぎは一人前の条件~ [romresu.net]

水戸岡 鋭治 : カラー版 – 電車のデザイン (中公新書ラクレ, 2009) p.175.

 私がいつも使っている言葉で「パン仕事」「花仕事」というのがあります。

 日本だったら、パンではなく「米仕事」「花仕事」としたほうが、いいかもしれません。

 稼ぐ仕事のことが「米仕事」であり、稼ぐこと、つまりは企業人としての仕事のことを指します。これに対して「花仕事」は、公共や自分に繋がる仕事のことです。「米仕事」は経済に繋がるもの、「花仕事」は文化に繋がるもの、と考えていいかもしれません。

第3節:
Twitter / @takagi1: 食糧とエネルギーを確保し、経済を安定させよ。そうでなければ、人の知的能力が減ずる。ヒトが他の生物と異なり、その結果としてヒトを有利にしている点は何か。知的能力であろう。知的能力が減じた人の集団など、狩るに優しく、自滅すらしてくれよう。(2011/ 8/21 2:30pm)

Twitter / @takagi1: #takajin #ytv 北川弘美「安心してお金が使える国」(2011/8/28 2:29pm)

Twitter / @takagi1: 文化は財産であり投資先である。それが生み出す利潤は、稼ぎではなく仕事が生み出すものと同類である。(2011/8/30 11:56pm)

産業が動かすもの、作るもの

産業が動かすものは、金だけではない。情報と知識もそうだ。そして、これらが文化を作るのだ。

観光業で動く情報と知識を考えてみよう。観光地の店員は、観光地でなければ出会えない、遠くからの客を迎え、客の振る舞いや商品選択行動から情報を得、店内やレジ前で会話を交わし知識を得るのだ。そして、これらの情報と知識が、品ぞろえ、店構えを変え、新商品を生み出し、観光地の文化を一段と深くする。