歌は、「あの素晴しい愛をもう一度」の替え歌。
「あの素晴しい愛をもう一度」は、1971年の歌であるが、私にとっては、1998年 1月の映画「ラブ&ポップ」のエンディング曲としてのイメージが強い。
渋谷川を黙々と歩く、同映画の出演者たち。なお、髪型からすれば、向かって一番左は、仲間 由紀恵 女史である。
この映画の監督は、エヴァの庵野 秀明 氏 (なお、この映画の舞台は、1997年 7月19日に設定されており、これは「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」((いわゆる、『エヴァ旧劇場版』))の封切り日である)。
映画封切り前、1997年の年末深夜に、TV版「エヴァ」の一挙再放送がされていた。その際にCMに入っていたのが「ラブ&ポップ」であり、「あの素晴しい愛をもう一度」(歌は、主演の三輪 明日美)を何度も聞かされた。
この渋谷川を歩くシーンを思い出していて気づいたことが、2つある。
1つ目。これって、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 破」の第8使徒戦において、使徒落下地点に向かって走る零号機(黄色)のシーンにオマージュされている、と。
の 1分26秒である。
なお、弐号機(赤色)が1分25秒に川を踏んづけるが、これは、TV版エヴァの拾弐話でも同様のシーンがある。TV版では、その後、弐号機が川に沿って走る横姿が描かれるが、水音が聞こえるものの、川は描かれず、また、繰り返すが、横姿であり、正面ではない。
気づいたこと 2つ目。映画「ラブ&ポップ」での「あの素晴しい愛をもう一度」の使用が、その後の、アニメーション「彼氏彼女の事情」のエンディングへの「夢の中へ」(元は、井上陽水。アニメでは主人公を演じる声優である、榎本温子・鈴木千尋)の使用、そして、「ヱヴァ 新劇場版 破」冒頭の「三百六十五歩のマーチ」、「Q」冒頭の「ひとりじゃないの」に、つながっているのではないか。
「エヴァ旧劇場版」の際に、庵野 秀明 氏は、こう語っていた:
「これだけ情報があふれている時代に、オリジナルなんてどこにあるのか。様々なものからイメージをとりこんで、それをどこまで広げて再構築するか、なんですよ」
―― 朝日新聞 1997/ 7/24 夕刊