掛け算の順序の議論は置いておいて(※)、掛け算を学ぶ効果のひとつは「1組あたり〇〇個」という概念の獲得であると考える。つまり、値ではなく、量である分母への意識である。これが不十分だと、単位換算や、長さと時間など混ぜてはいけない量の扱いの理解が表面的に留まる。
例えば、時間の単位換算は、掛けても量が変わらない「1」である「60 分/時=1時間あたり60分」を掛ける演算であり、そこには分子の量「60分」だけでなく 分母の量「1時間」が存在する。だから、「2時間=2 時間×1=2 時間×60 分/時=120 分」なのだ。 忘れてならないのは、量の意識である。
算数は、初歩物理としての性質をもつ。
補足:
※ 私が考えるに、文章題の理解ができていれば、すなわち例えば単位を加えて掛け算をしていれば、順序はどうでもいいのです。