生き残った人間はそれくらいは頑張らんと

春秋. 日本経済新聞, 2023/ 8/ 9, 1面.

想像を超えたあの悲劇は、一体どうすれば後世に伝わるのだろう。長崎で被爆した深堀好敏さんは戦後悩んだ。考えた末、辿(たど)りついた答えが写真だ。「被爆者がいなくなった時、実相を伝える写真が要る」。今年5月に94歳で閉じた生涯を、原爆写真の収集にささげた。

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凄惨な写真と対面するのは苦しい。ですけど生き残った人間はそれくらいは頑張らんとですねえ。深堀さんは語った。