新元号「令和」の出典である『万葉集』梅花梅花謌卅二首并序:
天平二年正月十三日、卒于帥老之宅、申宴會也。
于時、初春令月、気淑風和、梅折鏡前之粉、蘭薫珮後之香。
加以、曙嶺移雲、松掛羅而傾蓋、夕岫結霧、鳥封穀而迷林。
庭舞新蝶空歸故鴈。
於是蓋天坐地、促膝飛觴。忘言一室廼嚢、開衿煙之外。
淡然自放、快然自足、若非翰苑何以?情。
詩紀落梅之篇。
古今夫何異矣。宜賦園梅聊成短詠。
【閲覧室だより】
新元号が「令和」と発表されました。出典となった『万葉集』の画像を当館所蔵資料よりご紹介します。画像は「クリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承 4.0 (CC BY-SA 4.0) 国際 ライセンス」の条件の下、どなたでもご自由にお使いいただけます。https://t.co/mYn2fp3Q6G pic.twitter.com/92kumIYCxi— 国文学研究資料館 (@nijlkokubunken) 2019年4月1日
これは、王羲之 の『蘭亭序』を意識した文であるそうです。
新元号「令和」の出典、万葉集「初春の令月、気淑しく風和らぐ」ですが、『文選』の句を踏まえていることが、新日本古典文学大系『萬葉集(一)』https://t.co/2VXbiq7Iw8 の補注に指摘されています。
「「令月」は「仲春令月、時和し気清らかなり」(後漢・張衡「帰田賦・文選巻十五)」とある。」 pic.twitter.com/wBqpNVWN0M— 岩波文庫編集部 (@iwabun1927) 2019年4月1日
#新元号 の巷の案に出てくる「 #永和 」ですが、「 #永和九年 」から始まる #王羲之 『 #蘭亭序 』の「永和」は、 #東晋 の元号です。
— TAKAGI-1 高木 一 (@takagi1) 2019年3月31日
なお、『蘭亭序』に「是日也,天朗氣清,惠風和暢」とありますが、私は新元号の一つの可能性として「恵和」を考えていました。
・「昭和」の出典が
「百姓昭明 、 協和万邦 (百姓[:全国民]昭明にして、万邦[:全世界]を協和す)」 ――『書経』堯典、
・「平成」の出典が
「内平外成(内平かに外成る)」――『史記』五帝本紀、「地平天成(地平かに天成る)」――『書経(偽古文尚書)』大禹謨
ですから、共通して「全国民○○で、上位概念が△△」というストーリーがあるのです。「昭和」は具体的なストーリー、「平成」は、ストーリーの型そのものを表現しているのです。
だから、今回は具体的なストーリーになるのだけれど、「全国民○○で、上位概念が△△」の△△を表わす字は「和」になるのが一番きれいだろうと考えたのです。
その上で、第一字を考えるのですが、過去に「和」のつく元号が19もあるので、かぶらない字が難しい。
そうしていたところTwitterで見たのが、「恵」は、めぐみ=愛ぐむ に通じるので、 敬宮愛子内親王殿下 を表わす、という言説。 愛子様が天皇になられることは、おそらくないので、元号に名を残される可能性を考えたのです。
だから、「恵和」は、ありそうで…現実的には、ないのです。いくら 内親王殿下だからといって、特定の人を連想させるのはよくないですからね。