原発論議における、平等の悪側面

原発論議で注意しなければならないのは、それが一般の社会的強者にも弱者にも等しく不可避な影響を与える問題である点である。以前、雑誌記事で「希望は、戦争」という低所得者の手記があったが、そこで戦争は“一般の社会的強者にも弱者にも等しく不可避な影響を与える”ものとして扱われていた。

通常の問題の解決策に対して、一般の社会的強者は解決策が実行されても不利益をなるべく被らないように対策をとるため、社会的強者の優位が生じて、社会の混沌は避けられた。

しかし、“一般の社会的強者にも弱者にも等しく不可避な影響を与える”場合に、社会は混沌となりがちである。

社会の混沌化の手段として原発論議が使われないように、警戒しなければならない。社会を混沌とさせないために、深い思慮に基づいて解決がされねばならない。

原発論議における、エネルギーのキャッシュフローの視点

原発論議で必要なのはエネルギーのキャッシュフローの視点である。つまり、いかなる時点においても、エネルギーを致命的に不足させないことである。

さて、キャッシュフローに関心があるのは、中間層ではなく、高位層と低位層ではないだろうか。

国民の多数を占める中間層は、原発について考える時、キャッシュフローの視点を特に意識する必要がある。