リケ女とダイバシティー、世界は持ち寄るものであって分けるものではない

今日、見かけた文章は、「リケ女 (リケジョ、理系女子)」と「ダイバシティー」が関連づけてあった。

一見したときには、矛盾に感じた。この歌を思い出した:

  科学者に「女子」の冠つけないで 讃えるようになれよ この国

しかし、しばらくして思い直した。ダイバシティーは多様性を受容・重要視するのだ。多様性のひとつを表現する言葉が「リケ女」なのだ。「リケ女」は、理系の考え方・経験と、女性の考え方・経験をもっている。

デジタル大辞泉のダイバーシティーの定義2には、「企業で、人種・国籍・性・年齢を問わずに人材を活用すること。こうすることで、ビジネス環境の変化に柔軟、迅速に対応できると考えられている。」とある。

しかし、これは分かりやすく表現したものであって、ダイバシティーにおいて実際には、「人種・国籍・性・年齢は問われる」のだ。ただ、それが不利に扱われることはなく(多様性の受容)、また有利に解される(多様性の重要視 *)。

さて、『科学者に「女子」の冠つけないで 讃えるようになれよ この国』。

これは、条件を付けて褒めるな、ということである。

世界は持ち寄るものであって、分けるものではない。

補足:
* 多様性の重要視する意味でのダイバシティーを、極端に、統計学レベルの規模で実施すると、アファーマティブ・アクション(積極的改善措置)、即ち〈結果の均等〉になる。(関連: AAは機会の平等に一致するか)

日本の正史

日本書紀 神代から持統天皇まで

続日本紀 文武天皇から桓武天皇まで

日本後紀 桓武天皇から淳和天皇まで

続日本後紀 仁明天皇の代

日本文徳天皇実録 文徳天皇の代

日本三代実録 清和天皇から光孝天皇まで(858年-887年)

以上をまとめて、六国史という。それぞれの巻数はすべて10の倍数である。

● 準勅撰史書として、大日本史

明治政府の修史事業 – Wikipedia (2015年6月10日 (水) 16:21 の版)

1869年(明治2年)、新政府は「修史の詔」を発して『六国史』を継ぐ正史編纂事業の開始を声明[1]、1876年には修史局の編纂による『明治史要』第1冊が刊行された。しかし1877年に財政難のため修史局は廃止され、代わって太政官修史館が設置された。またこの際、『大日本史』(神武天皇から南北朝統一までを対象とする)を準勅撰史書と定め、編纂対象も南北朝以降の時代に変更された[2]。

大日本史料 宇多天皇(887年即位)から江戸時代まで

東京大学史料編纂所による。

● 孝明天皇紀 近代デジタルライブラリー – 検索結果

明治天皇紀

● 大正天皇実録

● 昭和天皇実録

関連:
半藤 一利, 御厨 貴, 磯田 道史, 保阪 正康 : 「昭和天皇実録」の謎を解く (文春新書, 2015) p.15.

 平安時代の『三代実録』以降、千年近く正史編纂が途絶えたとはいえ、明治期に『孝明天皇紀』の編纂で帝王の「紀」を復活させ、大正期には『明治天皇紀』と歴代天皇の実録編纂を開始しています。

ハロー効果

とある芸能スキャンダル騒動から思索したこと:

広告やプロパガンダにおいて語られる「ハロー効果」は存在する。

「ハロー効果」は、擬人化から始まる。商品を、広告タレントに擬人化するのだ。

「ハロー効果」の強さは、知名人の、社会による認識の強さである。

即ち、〈知名度〉×〈人々がその知名人にもつ認識の似通りの度合い〉 である。

〈人々がその知名人にもつ認識〉は、ブランドといってもよい。

〈人々がその知名人にもつ認識の似通りの度合い〉を上げるためには、その知名人が単純であることが求められる。

しかし、その知名人が社会に住まう現実の存在である以上、単純であることは困難である。

ああ、フランス

2015年11月14日に、パリ同時多発テロ事件の発生を知って、書いた Facebook投稿より:

ああ、フランス。

安達 正勝 : 物語 フランス革命 バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中央公論新社, 2013〈底本は中公新書(2012)〉) No.226/4054.
(アナカルシス・クローツのコルドリエ・クラブでの演説)

人々はボルドーからストラスブールに行くのと同じように、パリから北京へと行くだろう。船の連なる大洋が沿岸を結ぶだろう。東洋と西洋は連盟公園で抱擁しあうだろう。

とフランス革命の理想を書いてみたが、思えば、フランスは大陸国として現実に晒され続けている国である。竹下 節子 : 不思議の国サウジアラビア―パラドクス・パラダイス (文春新書, 2001) p.133.

 たとえば一口に民主主義といっても、アメリカの民主主義とフランスの民主主義は違う。フランスの民主主義は王や教会から苦労して勝ち取ってきたものだが、今も王家や教会は存続しているのだから、たえず調整を図り、旧権力と新権力のどちらにも行き過ぎがないようにバランスをとる努力が要求される。それに比べてアメリカは、旧権力に背を向けた人々が外に出て新たに建国した「理想の国」なわけだから、どうしても完結した独善主義に向かってしまう。民主主義の建前のもとに欲望が際限なく展開していきがちだ。だからヨーロッパはアメリカ風の民主主義を批判するし、アメリカの方はヨーロッパがまだ前近代を引きずっていると攻撃するずれが生じる。

初出:
Facebook 2015/11/14

他人の正当な権利が侵害されるときの共犯者

(1)

その対偶は即ち:
「他人の正当な権利が侵害されるときの共犯者の役割をはたさない者は、自分の正当な権利を主張する。」

彼らが最初共産主義者を攻撃したとき – Wikipedia [2015年12月10日 (木) 04:40 の版]

ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから

そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった

それは即ち:
(2) 「他人の正当な権利が侵害されるときの共犯者の役割をはたす者は、自分の正当な権利を奪われる。」

なお、(1)と(2)より、
「自分の正当な権利を主張しない者は、自分の正当な権利を奪われる。」

「人類補完計画」への現回答

一説によれば、本日 2015年12月31日は、「新世紀エヴァンゲリオン」において「人類補完計画」が発動された日です:

エヴァンゲリオンがさらにわかる動画:旧【最終調整版】 – YouTube

● 「人類補完計画」から想起される課題

「人類補完計画」とは、「できそこないの群体としてすでに行き詰まった人類を完全な単体としての生物へと人工進化させる補完計画」です。

ここには 2つの思想が内包されています:

(1) 人類を〈一つの存在〉だと見る視点の思想、

(2) 人類を単体にする、すなわち意思を連結する思想 です。

(2)は、 「コードギアスR2」・「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」など他の作品でも描かれています

フィクションだからと侮ってはいけません。芸術には予言能力があると言われています。

「人類補完計画」から想起される現実的な課題は、

(1-A) 人類、あるいはその部分集合(すなわち、集団)を、〈一つの存在〉だと見る視点に立った上で

(2-A) 意思を、どのような形態・方法・思想のもと、連結すると良いのか

ということです。

● 私の現時点での回答

私は、(1-A)の向上に関心をもち(人類圏における、情報の活用による、人類あるいは他の何かの向上)、
(2-A)に関して、 4つエンジンの日本にしよう――知性強靱社会の実現のために を書きました。

● 人類あるいは集団の意思の一例: 集合無意識

(1-A)の〈一つの存在〉がもつ意思のひとつには、 「コードギアスR2」・「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」において、連結される意思・連結された意思として描かれた、“集合無意識”があります。

“集合無意識”は、真・善・美 の総合評価が高い判断をしようとしますが、非合理な判断をしてしまうことが多々あります。善・美は、評価が難しいのですが、善に関しては、殺人は悪であるという評価基準が広く受入れられています *。

“集合無意識”は、短期的な視点に立った判断をしめすことが多いですが、生存が善であるため、人類の生存を担保する傾向にあります。

関連:
社会が持続的に発展するために

● 人類あるいは集団の意思の一例: 科学

(1-A)の〈一つの存在〉がもつ意思には、科学もあります。

科学は、真の度合いが高い判断をしようとします。科学は、長期的に、真の高みを目指した歩みです。

中期的には、誤った山に登ることもあります。一から別の山・別のルートを探して登りなおすこともあります(ルネ・デカルト「我思う、ゆえに我あり」――『方法序説』ダフィット・ヒルベルトヒルベルト計画、など)。登山隊の全滅もあり得ます(文明の衰退)。

補足:
* 殺人は悪であるが、「人」の範囲については、いろいろな考え方がある。

我が主軸 2015年版

端書

私が自ら企画した事業、及び私が付託されている事業の一切を経営し、能率的な運営により、これを発展せしめ、もつて我が意図する方向に世界を遷移させることを目的として、ここに私を定義する。

初出: 第1条

理念

〈後につづく者たちが我々よりも苦しまない世の中を確固として構築し〉、且つ〈我々は犠牲の世代にならず、現在を確保し、未来を準備する〉ことにより、不幸の最小化を図り、以て幸福を最大化する。

〈判断・行動基準〉、即ち 志向

 ○ 産業興隆、叡智結拓

叡智を結び、集約し、難所を突破して、革新を行う。

革新によって、産業を興隆させ、民の気持ちの淀み具合を小さくし、以て社会に慣性をもたせ、社会に累積性を持たせる。

初出: 社会が持続的に発展するために

そのような社会は、文化的である。文化的であるとは、社会を構成する集団において帰納的な情報量(:物体も含め)が多いことである。文化の度合いは、社会の深さ、社会が認識・関係する世界の広さ、情報の共有・活用具合、の積(掛け算の答え)を示す。

初出: 文化に関する考察

関連:
価値は消費されて生存と文化を生む
経済的生産は知的歴史にとって基礎をなす
複雑性と付き合っていこう
叡智結拓のために

 ○ 高民立世、超民連絡

  ・高民立世

高民(=知的に高く または 広く、知性・知能を意識的に発揮し躍動する民)(多数)を世に立たせ、高民(多数)によって世を立たせる。

初出: 高民立世

関連:
「知的ネット社会」構成者の心得

  ・超民連絡

社会が天才・秀才ばかりである必要はないが、天才・秀才が生き・活きる社会であるべきである。

そのために、天才・秀才の思考(の一端)が共有されるべきである。それは、天才・秀才と一般能力者の架け橋になり(天才・秀才を得体の知れない者にしない)、且つ社会に天才・秀才を補給する後方連絡線となる。これによって、天才・秀才は孤立せず、消耗されない。

初出: 天才・秀才が生き・活きる社会

(補足: 〈産業興隆、叡智結拓〉と〈高民立世、超民連絡〉は、ユグドラシルからの想起と対応する)

水準

 ○ 短期的

 
人類最強であることが標準である。

勝つために、思考し行動する。知性とは実証である。

初出: 「意味のないことをやる」ということに対して、緊張感をもって生きる

 ○ 長期的

世界は、泡沫(うたかた)である。

  ・泡沫に生き残る方法1: 累積

我々は生き残り、将来の秀でた人のために理論を、一般の人のために実例を、優れた形態で残すことにより、人類の累積性を高め、将来の人類の生き残りを図るべきである(それによって、また人類の累積性が高まる)。

我々は、可能な限り前進する。将来の人類は、さらにはるかに前進するであろう。

初出: 宣言

  ・泡沫に生き残る方法2: 循環

開いた循環をつくる。努力に報い・報われる努力循環の強靭社会を醸成する。

来歴:
我が主軸 2015年2月書付 2015/ 2/11
[LA.nofollow.Entry]

「スター・ウォーズ フォースの覚醒」鑑賞メモ

2015年12月26日、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を鑑賞してきました:

[ネタばれ注意]
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
全体的には、以下の感想です。

 ・エピソード456オマージュした描写が所々に見られる。

物語中盤は、まるでエピソード4・6です。竪坑で親子が相対するなんて、なんてエピソード5なんでしょう。

また、「機動戦士ガンダムSEED」の対ジェネシス・対メサイア戦が、「スターウォーズ」エピソード4・6 のオマージュであったことに気づかされます。

 ・エンジニア系ヒロイン“レイ”(役: デイジー・リドリー)が格好いい。

 ・帝国軍(ファースト・オーダー軍)の士官達が、弱い。

考えたこと:

軍の投棄物

レイは、帝国軍が撤退時に根拠地とした星に住み、投棄された兵器を回収して稼ぎにしています。

彼女が使用している浮上式の乗り物は、投棄された兵器から自作したものです。

軍は、最新技術(ただし、敵軍に対しては優位ではない技術)が盛り込まれたものを投棄します。これが投棄された地域の文明を変えます。

意思の忖度

旧作の“R2D2”同様、今作のドロイド“BB-8”もヒト語を話しません。しかし、ヒトとのコミュニケーションは成功しています。

ヒト-ドロイド間で、会話はできていませんが、意思の忖度[そんたく](相手の意思を理解すること)ができているのです。

意思の忖度は、重要テーマです。

関連:
今、注目されているのは「意思の忖度」か

星の消滅

本作では、いくつかの星が消えます (その中には、旧作に出ていた女性士官のいる星もありました)。そのシーンに、胸を締め付けられる感じを受けました。

それは、私のなかで、星が究極の単位だからでしょう。

星 = 一 = 全 なのです。

それが消えると、何も残りません。

その星に何億年も世代を連ねてきた生物も、
それを生み出した何もかもも、
それが生み出した何もかもも。

関連:
人類圏における、情報の活用による、人類あるいは他の何かの向上

人類圏における、情報の活用による、人類あるいは他の何かの向上

私が関心があること:

人類圏における*、情報の活用による、人類あるいは他の何かの向上。

* 例を挙げると、ヒト、人類(人対人、集団、社会((政治))、非社会)、人工システム(情報システム、物(消費財・耐久財・都市)、経済)、自然システム。

関連:
メディア=技術=身体の拡張=感覚の拡張

「人類圏における、情報の活用による、人類あるいは他の何かの向上」で捉えた鉄道