技術の発展は閾値を超えると、急速に進み出す

W・ブライアン・アーサー=著, 有賀 裕二=監修, 日暮 雅通=訳 : テクノロジーとイノベーション―― 進化/生成の理論 (みすず書房, 2011) p.220.

たとえ百万分の一の確率であっても、構成要素として役に立つ機能があれば、与えられた構成要素一式でテクノロジーが確立し誕生する確率は、やはり式 (2N – N – 1)/1,000,000 か、 2N-20 の近似値で求められる。

新しいテクノロジーがつぎつぎと新テクノロジーを生み出すとすれば、集まった要素が大まかな閾値を超えるや、組み合わせの可能性の数が急速に増大を始めるということだ。

註:
構成要素の数N。このとき構成要素の組み合わせの総数は 2N – N -1 (構成要素単独、及びいずれの構成要素も組み合わせない場合を除いた総数)。

技術史の記憶

W・ブライアン・アーサー=著, 有賀 裕二=監修, 日暮 雅通=訳 : テクノロジーとイノベーション―― 進化/生成の理論 (みすず書房, 2011) pp.233-234.

足がかりとなるテクノロジーに中間的難度のニーズを実行させないと、複雑な要求が実行できるようにはならないのだ。

 実際の社会で考えてみると、無線、ひいては無線通信がなければレーダーは開発されなかったかもしれないことがわかる。…

 ごく当然の成り行きとして、進化は歴史に依存する関係にあることもわかった。