応力拡大係数

応力拡大係数は、破壊力学において、き裂先端部の応力状態を表わす量である。

応力拡大係数の値が、ある閾値(:破壊靭性)を超える場合に脆性破壊が始まり、また、別の閾値(下限界応力拡大係数)を超えている間、脆性破壊によるき裂が進行する。

よく見落とされていることは、

  応力拡大係数には、単位がある。すなわち、応力拡大係数は、無次元量ではない、

ということである。

応力集中係数は、無次元量である。対して、応力拡大係数は、一般に MPa・mm1/2 という単位をもつ。即ち、[Pa・m1/2] = [N・m-3/2] = [kg・m-1/2・s-2] の次元を持つ。

応力拡大係数は、名前がそれを分かりにくくさせているのではないか、と思う。名付けるならば、「拡張応力量」が妥当だと考える。

ウェイン・E・マイヤー提督

ウェイン・E・マイヤー提督 (Wayne E. Meyer)って、2009年にお亡くなりになっていたんだ。同氏は、イージス戦闘システム・イージス艦のプログラム・マネージャーとしての功績が極めて大であり、「イージスの父」として知られる。

大熊 康之 : 軍事システムエンジニアリング―イージスからネットワーク中心の戦闘まで、いかにシステムコンセプトは創出されたか (かや書房, 2006) p.344.

 Meyer提督に上記の指導をうけた際、提督から、…「Act like you are in charge, Spend it like you’ve got it, Build a little, Test a little, Learn a lot (当事者らしく行動せよ、資源は自分のものとして思いどおりに使え。小部分を造り、その小部分を試験し、そこから多くを学べ)」との物造り哲学

「Act like you are in charge, Spend it like you’ve got it, Build a little, Test a little, Learn a lot.」 私は、これを実現しようとして、うまく実現できていない。

圧倒的優位性を実現する装備。そして、Do × Cancel=不可能を可能にする

圧倒的優位性を実現する装備として、シミュレータがある。

なぜならば、圧倒的優位のひとつの形態として、「不可能を可能にする」ことが挙げられる。

「不可能を可能にする」ひとつの方法として、針穴のように範囲の狭い正解を実現するという方法がある(*)。

そのためには、正解を、予め知っておかなければならない。二律背反な様々な性質を、ちょうどいい具合に掛け合わせる正解(トレードオフの解決)である。どうしても生じてしまう短所には、それを補う付加装置の取り付けを決定し、準備しておかねばならない。

さらに困難な「不可能」を「可能にする」には、「不可能を可能にする」ことを連続的に実現し、ある一連の行動を成功させる必要がある(**)。

“二律背反な様々な性質を、ちょうどいい具合に掛け合わせた正解”を”予め知”るために、シミュレータは、有効である。

シミュレータによって、「不可能を可能にする」。そして、圧倒的優位性を実現するのだ。(そして、大規模シミュレータの最たるハードウェアが、スパコンである。)

さて、シミュレータがもつ本質とは、何だろうか。

それは、「Do × Cancel」、即ち、何かを実施すること 且つ それをした影響を帳消しにして最初から再挑戦することだ、と考えられる。

「Do × Cancel=不可能を可能にする」のである。

シミュレータは、様々な要素現象が重なり合う(総合された)複合現象について、「Do × Cancel」する。

なお、主に(分析された)要素現象について、「Do × Cancel」するのが、実験である。

自由に空を飛ぶという「不可能を可能にする」ために、ライト兄弟は、風洞や、揚力係数直接計測装置や、D/L比直接計測装置という実験装置を製作し、実験した。ライト兄弟に先立つ飛行機の開発者達も、実験装置を作り、実験をした。条件を変えるたびに毎回、試作飛行機を作って飛ばしていたら、操縦者の事故、多くの資金、多くの時間を「Cancel」できず、「不可能を可能に」できていなかっただろう。

ここで、鎌池 和馬氏の「とある魔術の禁書目録」における、主人公・上条当麻の性質を思い出すのである。彼の右手はあらゆる異能(魔術・超能力)を打ち消す性質をもつ:

鎌池 和馬 : 新約 とある魔術の禁書目録 5 (電撃文庫, 2012) p.51.

「そんな世界は怖いだろう? 思い通りのワガママを振りかざすとしても、何か保険が欲しいだろう? 平たく言えば、世界を元に戻すためのバックアップ、基準点とでも言うべきか。その右手は、国際キログラム原器みたいなものかな? 世界を歪めるだけ歪めて、一メートルの長さも一グラムの重さも思い出せなくなったとしても、君の右手はあらゆる魔術を打ち消すのだから、基準点はなくならない。君の右手の長さを、重さを、温度を、それぞれ計測していく事で、全てを歪め過ぎた者は、元あった世界がどんなものだったのかを思い出せる。それは命綱となり、あまりにも方向性を曲げ過ぎてしまった世界を、いつでも元に戻す事ができるようになる」
 それが願い。
 保険があれば好き放題に暴れられる。
 遠慮も容赦も必要なく、己の欲望を好きなだけ巻き散らせる。
 そういう意味での、『変える者』が一方的に思い描く、あまりにも身勝手な願い。

「Do × Cancel=不可能を可能にする」という考え方は、シミュレータ、実験に留まらず、さまざまな分野において、役立つ考え方である。例えば、伝統、政治における保守は、革新が行動するときの保険とも見れる。保守勢力は、良いものを保守することだけが、その機能ではないのかもしれない。

最後に、もう一度、記しておく:

  Do × Cancel=不可能を可能にする

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3要素全てを変える

料理レシピサイト「クックパッド」を運営する クックパッド株式会社 創業者・代表執行役社長 佐野 陽光 氏 は、『世の中を動かす三要素』として、

 (A) テクノロジー
 (B) 個人の認識が変わること
 (C) 政策

挙げている

(1) いままで、

 (A)(B)(C)のいずれかを変えれば、世の中が動く

と思っていた。

(2) 今、

 (A)と(B)と(C)の全てを変えれば、世の中が確実に動く

のではないか、思っている。

図解:

(1):
 (A),(B),(C)→ 世
              の
              中

亜(1):
世に出された技術は、人に新たな視点を、人を導く者にカードを与える
 (A)┬─────→ 世
    ├(B)→ の
    └(C)→ 中

(2):
 (A)─→ 世
 (B)─→ の
 (C)─→ 中

問題の切り分けとソフトウェア

問題Aと問題Bを切り分けることは正しいが、多人数が使用するソフトウェア上でAとBが一つに扱われている(AとBが混合した問題の入力ができる)場合。

そのソフトウェアについて話をしている時に、ソフトウェアの改定を担当する管理者が問題Aと問題Bの切り分けを前提にした回答をすることは、不適切だと考える。

問題Aと問題Bを切り分けたアーキテクチャ或いは注意書き(AとBが混合した問題の入力をできない/させない)を実装することを、まず実施しなくてはならない。

貯蔵できるという水素の利点が、水素普及のハードルを緩和する

エネルギー媒体(すなわち、2次エネルギー)としての水素の利点は、貯蔵できることにある。これが、水素普及のハードルを緩和する。

なぜならば:

電気は同じくエネルギー媒体であるが、大規模な貯蔵が困難である。

水素は貯蔵ができるので、いままで捨てるしかなかった余っているエネルギーを水素に変換して、貯蔵したり、輸送して遠地で使うことができる。これは、電気にはできない (輸送に関して、電気は送電ロスが大きい)。

水素は新しく導入されるエネルギー媒体であるので、導入初期はコストが高い。しかし、コストが安い、余っているエネルギーを変換源として使い、それを有効活用していく中で、水素利用のコストは低減していく。

貯蔵できるという水素の利点が、水素普及のハードルを緩和する。水素は、そのような性質をもっているエネルギー媒体なのだ。