東北の震災から、5年が経ちました。今年は、震災の時と、曜日の並びが同じだったので、思い起こすことが多かったです。
震災の後、ペットボトルのキャップを生産する工場が被災し、生産能力が落ちたため、ペットボトルキャップの統一が実施されました。
ペットボトルのキャップを白無地で統一すると業界団体が決定 – GIGAZINE
社団法人全国清涼飲料工業会は、ペットボトル用樹脂キャップの供給量が不足している状況に対応し、業界として白無地のキャップに統一することを決定しました。[補足: プレスリリース発表 2011年 4月13日]
これは、東日本大震災によってペットボトル用樹脂キャップを製造していた日本クラウンコルク、CSIジャパン、日本山村硝子の工場が被災、樹脂キャップの供給能力が著しく低下したための対応。
キャップは白や青、黒、赤などさまざまな色のものがあり、形も微妙に異なるものがありますが、これをすべて白無地のものに統一することで生産効率・供給能力を上げることが可能。全国清涼飲料工業界各社が、今の難局を乗り切ることが企業の使命であるという認識で一致し、キャップ統一が実現することになったそうです。
この移行は各社の在庫に応じて順次行われるとのことで、これにより供給能力は1割ほど上がる見込みです。また、この対応は被災したキャップ工場が復旧して、キャップ供給が整うまで続く予定。
ペットボトルのキャップ共通化に見る震災後のSCの行方 – INSIGHT NOW!プロフェッショナル
これは簡単なことに見えるが、飲料メーカにとってもキャップサプライヤにとっても難しい判断であったであろう。キャップの機能というと、中身の飲料の品質を保つため位に考えている消費者も多いかもしれないが、飲料メーカから見た時には、それのみならず、商品がどういったものかやブランドとして認知してもらうための情報伝達や販促の機能を持っている。キャップは中身が傷まない、こぼれなければ良いと考えている先の消費者であっても、実際には、キャップの色、デザイン、シンボルマークに自分が気づかぬ内に影響されて商品を買っていることもある。だから、飲料メーカは、ボトル本体でなく、キャップにも拘りを持って商品を企画している。色やシンボルマークをつけられないとなると白無地キャップとなると、これまでのキャップの機能を落とすことになる。
今回の共通化のきっかけは主要キャップメーカ3社より、自らの工場被災もあり、需要の急増に対応できないとの申し出があったことからだが、サプライヤにしてみても、白無地がペットボトルのキャップの標準規格となってしまえば差別化の余地が減らされ、価格競争しかなくなってしまう。だからこそ、飲料メーカもサプライヤも様々なキャップのサイズ、デザイン、色を考え、提案し、日本のペットボトルのキャップだけで200~300種類とあるといわれるだけの数になっているのであり、今回のキャップ共通化の期間が被災キャップ工場が復旧し供給が整うまでと予定されているのである。
震災後、しばらく、下写真のような特殊なペットボトル(黄緑色かつ広口φ38mm)の商品は、見かけなくなった。
(賞味期限は約8ヵ月なので、下写真の飲料は 震災前の2011年1月末に生産された)
日本コカ・コーラ社より黄緑色広口キャップの 『goonew[TM]』 新登場: ペットボトルキャップ時評
ナタデココが入っているため、飲み口が塞がれないようにするため、キャップには、φ38mm径広口キャップが使用されている。今回画期的なのは、キャップのベース地が鮮やかな黄緑色 (lawngreen) であることである。ボトルの背丈も低いことと相俟って、コンビニの陳列棚での視認性にも優れている。