神永 正博, 小飼 弾 : 未来予測を嗤え! (角川oneテーマ21 Kindle版, 2014 〈底本は角川oneテーマ21(2014)〉) 位置No. 284/1862.
{神永氏} 文学なんて必要ないという人もいますが、とんでもない話です。統計データだけで理解できるほど、世の中は単純ではありません。
───ストーリーがないと、普通の人がどうなのかなんてわからないと。
大塚 英志 : 社会をつくれなかったこの国がそれでもソーシャルであるための柳田國男入門 (角川EPUB選書 Kindle 版, 2014 〈底本は角川EPUB選書(2014)〉) 位置No. 1091/3355.
柳田にとってやっぱり「公共の文学」、「自然主義運動」という、人々が自分たちの問題について「記録」し、そして共同して一つの枠組みをつくっていくことばの技術はなにより、ちゃんと選挙で投票を自分で考えてできる有権者をつくるのに必要なのだ、と考えます。そして柳田は「選挙民」つまり有権者育成の手段として民俗学を考えます。
大塚 英志 : 社会をつくれなかったこの国がそれでもソーシャルであるための柳田國男入門 (角川EPUB選書 Kindle 版, 2014 〈底本は角川EPUB選書(2014)〉) 位置No. 664/3355.
自然主義、というのは文字通り、自然科学的な方法や見解に基づく文学のあり方を意味します。そもそも十九世紀の文学というのはダーウィンの進化論の登場で、人間も一つの生物に過ぎないんだよ、という考え方が成立したことが始まりです。だから植物学者が植物を解剖学者が死体を観察し、記録するように文学も書かれるべきだ、という考え方が出来上がります。エミール・ゾラの『実験小説論』です。