「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」 | 展覧会 | 練馬区立美術館 2021.02.28(日)~ 2021.04.18(日)
私が大変楽しみにしていた練馬区立美術館「電線絵画展」、予想の5倍ぐらい素晴らしい展覧会でした。日本に電線が登場した明治期から現代まで、電線を描いた芸術を集めたもの。写真は現代の久野彩子、山口英紀、阪本トクロウ。会期は明日から、2/28?4/18です! pic.twitter.com/JtwKvOAniq
— 青野 尚子 (@najapan) February 27, 2021
練馬区美「電線絵画展」みどころの一つ、岸田劉生が当時新興住宅地だった代々木で電柱を描いた三部作。有名な「道路と土手と塀(切通之写生)」(東京国立近代美術館・右・参考図版)を別アングルから描いた2点が並ぶ。3点とも二股の電柱かその影が描かれるが電線はない。 pic.twitter.com/dxVrBbL5Km
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練馬区美「電線絵画展」、隅田川の向こうの町を描く、とても似た2点のうち川瀬巴水は電柱を描くが(左)、吉田博は描かない(右)。二人にとって理想の東京の姿は異なるものだった。 pic.twitter.com/3AUyosM8Es
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練馬区美「電線絵画展」、電柱以外のものにも目を奪われる。藤牧義夫「隅田川両岸画巻 第二巻」。これは所蔵元の東京都現代美術館でも一度展示されていた。藤牧はトレース工の傍ら版画を手がけ、24歳で失踪してしまったという謎の画家。 pic.twitter.com/njt4ceI6kX
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練馬区美「電線絵画展」、風流な電柱2点。河鍋暁斎(左)の電柱はほぼ前衛書道。右は木村荘八「東京繁昌記」挿絵。「君かむね わしか心のてれからふ(テレグラフ)人つてならで いふよしものがな」と書かれている。想う心を人づてでなく心の電信で伝えたい、という意味か。ロマンチックやのう。 pic.twitter.com/7dsBapwrPC
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練馬区美「電線絵画展」、碍子もまるで茶道具の趣き。これらはすべて絶縁しつつ電線を支えるためのものであり、純粋な機能美なのだが、つい床の間に置いて愛でたくなります。 pic.twitter.com/qIoSrA3a1r
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練馬区美「電線絵画展」、小島幸作の版画は京橋にあった火力発電所を描いたもの。そんなところに発電所が、と驚くが、さすがに騒音や煤煙が問題になり、5年程度しか稼働しなかったそう。 pic.twitter.com/dtBKTyOS3D
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練馬区美「電線絵画展」、発電所の絵も多い岡鹿之助(左)の電柱はさほど意外ではないが、佐伯祐三(右)はちょっと驚いた。この展示では芸術家が電柱電線をどう描いたかという美術史的な視点のほか、絵画から見る産業化、都市のスプロールといった側面にも触れる。二重、三重においしい展覧会です。 pic.twitter.com/yS6b2jhcve
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