無術理術無

(1)無 (2)術 (3)理 (4)術 (5)無

(2)術は、(3)理に先行する。

  哲学と現実、科学と技術

よく訓練された(4)術は、無意識、すなわち(3)理を意識せずに実施される。

  三戸裕子 : 定刻発車 ―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?― (新潮文庫, 2005) p.256

本書の取材のために会って話を聞いた多くの鉄道人たちからは「世界に稀に見る定時運転を実現させるために俺はこの仕事をしているのだ!」というような気負った意識は、全くといってよいほど伝わってこなかった。

中島 敦の「名人伝」に描かれた名人の極致は、(5)無である。

(1)無と(5)無は、紙一重である。ある個人において異なっていても、その個人の死までもを考えた時、両者に隔てはなくなり、(5)無状態は、(1)無状態に遷移する。

(1)無状態に遷移しないようにするためには、(3)理状態を保持し続けなけばならない。

納期短縮というソリューションの領域

客先の判断のスピードが速くなるにつれ、短い納期が要求されるようになる。

このとき、納期短縮の一連の解決法(ソリューション)は、客先納入までの一過性のものであるにも関わらず、大きな意味を持つ。そして、このソリューションは、メーカー中心の、すなわち、メーカーが主導権を握るソリューションである。

関連:
大熊 康之 : 戦略・ドクトリン統合防衛革命―マハンからセブロウスキーまで米軍事革命思想家のアプローチに学ぶ (かや書房, 2011) p.222.

彼[:John Boyd 空軍大佐(退役)]はこのことから「敵よりも迅速なテンポ又はリズムで作戦する我の能力は、敵を敵自身のシステムに封じ込め、外部で展開中の事象に適応するこを許さず、混乱と無秩序に陥らせる」ことになり、これによって、敵対者に対する新しい戦略を構築することができる、とした。

全体を示すこと

「全体を示すこと」の重要性は、新幹線のデッキに貼られている時刻表を見ればわかる。

A2サイズ? の紙 1枚に、東海道山陽(・九州 ?)新幹線の全駅・全列車の時刻が書かれている様(さま)は、何駅・何本あるか分からない新幹線の運行が紙1枚に表せることで、見る者に安心感を持たせる。

「方丈記」にみるオイラー型・ラグランジュ型

鴨長明 方丈記

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。

第1文「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず」は、オイラー(Euler)型の表現である。

第2文「よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし」は、ラグランジュ(Lagrange)型の表現である。

人力ヘリコプター成功!

全幅58mの人力ヘリコプターAtlas、33年間未踏のシコルスキー賞を獲得 (動画) – Engadget Japanese
AeroVelo Officially Awarded AHS Sikorsky Prize! | AeroVelo

人力ヘリコプターで「滞空60秒以上、最高高度3m以上、かつ10m四方のエリアから離れない」が人類で初めて達成されました。

2013年 6月13日 12:43 EDT(東部夏時間)に、AeroVelo チーム(カナダ)が開発した人力ヘリコプター「Atlas」によって、この飛行が実施されました。そして、7月11日に、シコルスキー賞(Igor I. Sikorsky Human Powered Helicopter Competition)の受賞が認められました。

設計解は、大型4枚回転翼の低速回転でした。

以前、なにかのTV番組で見たのは、自転車ペダルは、1回転中のトルク変動が大きくて、へリコプターの回転翼を回すのに不適切であるため、スプロケット(チェーンの歯車)を楕円形にして解決する、というものでしたが、今回のスプロケットは円形です。

低速回転では回転慣性を稼げるとも思えない。おそらく、ペダルの次に高速度比でつないでいるホイールを高速回転させて、回転慣性をつけているのでしょう。さらに、動力伝達(巻き取り式の模様。つまり、連続運転はできない。また、定速回転が必須)の紐の弾性が寄与していると考えられます。

パイロットは、ここでは「機関」兼「制御装置」なので、この人力ヘリコプター用のペダル踏み(機体の動力変換機構と合わせて、浮遊可能な、回転速度且つトルクを、量としても品質としても満たした回転動力の発生)を60秒以上続け、体重移動で機体を安定させることが使命です。

巻き取り式のようなので連続飛行は無理です。もし連続飛行をしようと思ったら、パイロットが連続的に可能なペダル踏み(回転速度且つトルクの、量且つ品質)で飛行できる機体を設計しないといけません。大した重量増にならないかもしれないませんが、「機関」であるパイロットの冷却も重要です。

初出: 2013/ 7/14 8:44

ズゴックと、戦闘機載コンピュータ

この動画では、

  操縦ソフト(人間による入力を受け付け) → 物理シミュレータ → 二足ロボット

という仕組みで、二足歩行ロボット(「ズゴック」の模型)を動かしている

シミュレータがあれば、実環境からのフィードバックなしに、実環境で(それなりに)まともな動きができることを示している。

シミュレータによって本番の予行演習をして(練習)、それを目をつぶって実行しているのだ。仮想空間での練習と盲聾状態での本番を瞬間的に切り換えて実施しているのだ。

これは予測による制御であって、最近の軍用機での静安定緩和を実現させている技術である (この場合には、フィードバックも存在している)。

初出: 2013/ 5/ 2 13:42

異端と全体

・異端は全体を支配しない

  中心極限定理正規分布(ガウス分布)「オッカムの剃刀」、機械設計

・異端が全体を支配する

  冪乗則(べき乗則)パレート分布等、「ブラック・スワン」SDI(レーガン政権の戦略防衛構想) *

* 膨大なコンピュータコードに間違いがないことを保証することができないなか、ひとつのコンピュータコードの間違いが多くの人命を奪うことになるシステム構想であった。

デザイン、インターフェイスを可能にするグラフィックプロセッサ

『モノに備わった、ヒトが知覚できる「行為の可能性」』(『知覚されたアフォーダンス, Perceived Affordance』) * をそなえており、
『意味ある秩序状態をつくり出すために意識的に努力すること』
としてのデザインによって、変容し続ける膨大な情報を表現するには、高速計算機が必要である。

* アフォーダンス – Wikipedia ( 2013年3月17日 (日) 06:11 の版)より、引用。

導入に積極的なタイミングで

新しいものの導入に積極的なタイミングで、新しいものを、付随サービスとともに、供給できるか。

何らかの問題が発生しても、すぐに対処して、導入積極性が維持された状態を保たなければならない。その業務量に耐えられる供給組織を持っているか。