世に出された技術は、人に新たな視点を、人を導く者にカードを与える

世に出された技術は、人に新たな視点を、人を導く者にカードを与える (初出:2011/10/11 8:54am)。

これが、技術決定論、すなわち「技術が社会を変える」を理由づける。すなわち、

 世に出された技術は、人に新たな視点を、人を導く者にカードを与える。故に、技術が社会を変える。

「技術」、「視点」(が新たに生み出させる「認識」)、「カード」(それ自身あるいはその集合体としての「政策」)は、クックパッド株式会社 創業者・代表執行役社長 佐野 陽光 氏 の『世の中を動かす三要素』に相当する。

上阪 徹 : 600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス (角川SSC新書, 2009) p.37.

「いろいろ考えて、世の中を動かす要素って、三つじゃないか、と思ったんですね。ひとつはテクノロジー。例えば電話ができた、車ができた、テレビができた、と。そしてもうひとつは、個人の認識が変わること。みんながこうだ、と思ったら、そっちの方向に変わっていくでしょう。そしてもうひとつが、政策、だと思ったんです。道の幅はこれにしましょう、右側通行にしましょう、と決めた瞬間に世の中は変わる」

発想の元:

● 視点

最相 葉月, 瀬名 秀明 : 未来への周遊券 (ミシマ社, 2010) p.45.
瀬名 秀明 氏による

 科学は一編の論文によって私たちの世界観を変え、技術は人の視点を変える。…
 サン=テグジュペリの『人間の大地』にこうある。「飛行機は一個の機械にはちがいないが、しかしなんという分析の道具だろう!」「飛行機とともに、わたしたちは直線を知った」

ジョブズもいってた、日本メーカーがAppleに負けっ放しの理由 | More Access,More Fun!

ジョブズの語録より

◆消費者に、何が欲しいかを聞いてそれを与えるだけではいけない。

◆製品をデザインするのはとても難しい。多くの場合、人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ

…つまり、

素人 = ノーアイデア

なのである。

真の発見とは、新しい見方を獲得することである

● カード

量産能力(量産コスト推移)と、需給収支は予測できる

事業を数字で表せれば、事業は意志決定者のカードになる

量産能力(量産コスト推移)と、需給収支は予測できる

量産能力(量産コスト推移)と、需給収支は予測できる。

槌屋 治紀 : 燃料電池と水素エネルギー 次世代エネルギーの本命に迫る (サイエンス・アイ新書, 2007) pp.145-146.

過去の多くの工業製品に関する実測結果から、以下のような学習曲線の原理が導き出されています
「累積生産量が2倍になるとき、生産コストや生産に関する時間が一定割合で低下する」

… この一定の割合は「進歩指数」と呼ばれていて、次のように定義されています。
 進歩指数は普通「F」で表わされ、これは累積生産量が2倍になるときのコスト低下の割合を示します。

例えば、進歩指数 F=0.8 のとき、生産 5千台目のコストを @100円として、生産1万台目のコストは @80円、生産2万台目のコストは @64円 だと予測される。

関連:
鎌池 和馬 : とある魔術の禁書目録 9 (電撃文庫, 2009) p.106.

実際に勝てるかどうかではなく、勝てるかもしれない、と錯覚させただけで、戦争ってのは起こっちまうのさ。

戦力化された軍用機は、「彩雲」以外すべて戦前に設計が始められた

内藤 子生 (2007), 艦上偵察機彩雲 開発プロセス. 土井 武夫, 本庄 季郎, 曽根 嘉年, 佐藤 栄太郎, 内藤 子生, 足立 栄三郎, 碇 義朗 : 軍用機開発物語―設計者が語る秘められたプロセス (光人社NF文庫) p.172

 本機は、太平洋戦争開始後に設計がはじめられた数多くの飛行機のなかで、唯一の量産に成功した飛行機である。

すなわち、戦力化された軍用機は、「彩雲」以外すべて戦前に設計が始められた。東亜太平洋戦争の開戦は、1941年12月 8日だが、零戦は1937年 9月に性能要求書が出され、B-29爆撃機の試作機 XB-29 は 1940年 6月27日 に発注された。

「それで、何をしたいのですか」

上位の問題を相手にとって明らかな場合に、「それで、何をしたいのですか」という質問が、相手から上位の問題を引き出す。

畑村 洋太郎 : 畑村式「わかる」技術 (講談社現代新書, 2005) p.126.

あなたが課題設定でいちばんに目指すべきは、目の前の問題をすぐに課題にすることではなく、上位にある大きな問題を課題だと設定することです。

科学が価値をもつとき

以下の場合に、科学は製品において価値をもつ。

● 科学による最適化を実施する:
 ・ 仕様が厳しい。
   例えば、固定設置される機械は芋設計(無駄が多い設計)でも成り立つが、自走する機械では重量が大きくなりすぎて成立しない。

 ・ 戦争中である。

 ・ 市場の競争に晒される。

● 科学による予測や予測に基づく制御を実施する:
 ・製品が、その使用において、人間の手に負えないほど 巨大・微小・強力・複雑・高速 である。

 ・製品の製造・使用に、人の手をかけられない。

● 科学と論理によって、他者を説得する:
 ・製品を製造・使用に、多数の人的資源を使う必要がある。

メッセンジャーになるな

メッセンジャーになるな。

C4I、ロジスティクス、指揮系統を確立すること。

すなわち、

 ・C4I : 当事者や現場とオンタイムに話ができる体制にあるか。
 ・ロジスティクス : 輸送にかかる時間を意識して計画を立てているか。
 ・指揮系統 : 指示者・決裁者が誰かだか分かっているか。

行動する上の3箇条

● 今しようとしていること(A)のアウトプット(B)は何だ。そのアウトプット(B)のために他にしなければいけないこと(C)(D)は何だ。

(C)━┓
(A)━╋━→Output(B)
(D)━┛

● リスクは何か。リスクの発生可能性・重大性はどれほどか。リスクの予防対策(発生可能性を下げる)および発生時対策(重大性を下げる)は何か。

● 絶対だいじょうぶ、なんとかなる! (和田裕美女史)