速水太郎翁頌徳碑の碑文より。
帝釈川貯水池神龍湖畔 矢不立城址 にある碑文は、徳富蘇峰による。
故速水太郎氏伝記編纂係, 吉岡 正春=編纂 : 速水太郎傳 (吉岡 正春, 1939) pp.209-210. (読みやすくするため、一文ごとに改行をいれた)
帝釈貯水池ハ君カ晩年ノ事業トシテ渾身ノ努力ヲ傾注シタルモノナリ
君ヤ躬ラ前人未踏ノ深山幽谷ヲ跋渉シ最高科学ニ立脚シ遂ニ日本ニ於テ未タ何人モ試ミサル貳百尺餘ノ高堰堤創築ニ成功シ大正十三年三月貯水池ハ水深百八十尺ノ碧水ヲ湛ヘ上流一里半餘ニ亙ル渓谷ニ滾々トシテ竭キサル一大湖水ヲ出現セシメタリ
是レ實ニ君ノ烱眼ト確信ニ據ルモノニシテ君カ不朽ノ功績ト為ス
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尋テ創設セル飾磨火力発電所ハ本邦最高ノ高圧高温発電所ニシテ今日諸設備ノ完璧ト共ニ斯界ノ王座ヲ占メ多大ノ貢献ヲ為シツ、アリ
是君ガ掉尾ノ事業トシテ心魂ヲ傾ケタル努力ノ結晶ニシテ開拓者トシテノ君ノ功ト労トハ永遠ニ消滅セサル光ヲ放ツモノト謂フヘシ