ITプロジェクト版 失敗原因マンダラ図


プロジェクト
– 企画・計画不良
– 調査・検討不足
– プロジェクト運営不良

組織
– 環境変化への対応不良
– 価値観不良

個人
– 手順の不順守
– 誤判断
– 不注意
– 無知

未知

レース用水素エンジン車で火災発生、価値ある問題出し

問題出しができたことは、とても価値がある。

トヨタの液体水素エンジンは5月の富士24時間レースへ、より安全な車両開発で:脱炭素 – MONOist 2023年03月20日

第1戦の鈴鹿大会に向けた2023年3月8日のテスト走行中に車両火災に見舞われた。

 車両火災の要因は、エンジンルームの気体水素配管から水素が漏れたことだった。燃料の水素を気体から液体に変更したことが直接の原因ではなく、車両の振動による配管結合部のゆるみが水素漏れを引き起こした。配管の結合部がエンジン近辺にあったため、漏れた水素が熱されて引火したという。水素リークセンサーによるフェイルセーフが正常に作動したことで大幅な延焼は回避した。水素漏れの原因となった配管の設計を見直すことで、より安全な車両を開発するとしている。

水素カローラはなぜ燃えたのか? 極限状態のモータースポーツにおける課題出し – Car Watch 2023年3月18日

今回起きた水素漏れは、液体水素に起因するものではなく、2年間スーパー耐久を戦ってきた水素GRカローラと同じ構造の箇所で起きたこと。2年間見えていなかった水素燃料の課題を見つけることができたとも言える。

高橋プレジデントによると、水素が漏れた時間は0.1秒以下。漏れた量は計測できていないが、0.1秒以下で水素漏れをセンサーが検知し、水素の供給は遮断できたという。あらかじめ水素漏れを想定して装着していたセンサーは正常に動いたのだが、水素の発火条件を満たしてしまい、発火につながった。

 高橋プレジデントは水素が燃える条件は物理法則により「濃度は4%以上、温度は550℃以上」と語る。今回はその条件を満たしてしまったという。

漏れた箇所はエンジンに近いフレキシブルジョイントの部分という。エンジンが振動するためフレキシブルジョイントの燃料配管がエンジン近くに必要で、それが排気管と近い位置に配置されていたとのこと。

 そのフレキシブルジョイントから水素が0.1秒以下で漏れ、排気管の近くに滞留することで局所的に4%以上の濃度となり、さらに700℃を超える排気管の近くだったために発火した。

 水素自体はすぐに燃え、フェールセーフ機構が働いたことで水素の追加供給もなかったが、エンジンルームの中にあるブレーキリザーバータンクのオイルが燃えてしまったため鎮火に時間がかかった。それが、今回の車両火災の大まかなメカニズムになる。

人間の側が間違いを起こさなけりゃ機械も決して悪さはしねえ

どんなに技術が進んでもこれだけは変わらねえ。機械を作るヤツ、整備するヤツ、使うヤツ、人間の側が間違いを起こさなけりゃ機械も決して悪さはしねえもんだ

榊整備班長の言葉 (機動警察パトレイバー the Movieより) | YF19の日記 | スラド

危険であることを忘れないうちは安全である

テイ橋(スコットランド)の崩壊

1879年12月28日、初代テイ橋は、開通から年数を経ずに崩壊した。


13:37~

失敗事例 設計ミス等による鉄道橋の崩壊で75人が死亡

1879年12月28日午後7時15分、英国スコットランド州ダンディ市にあるテイ橋が、嵐に伴う強風のため崩壊し、橋を走行していた機関車6車両および乗客75人がテイ湾に落ち、全員が死亡した。事故の原因は、風圧や風荷重を考慮に入れていなかった設計者トーマス・バウチの設計ミスおよびメンテナンス不足であることが明らかになり、この事故をきっかけにして、橋を設計する時に風が与える影響を考慮するようになった。

原因は設計者トーマス・バウチの設計ミスおよび橋のメンテナンス不足で、以下はその詳細。1.橋の対角材が強風に耐えられる構造になっていなかった。2.設計者バウチは風荷重を10lb/sq.ftとしてテイ橋を設計したが、その値は明らかに見積もり不足であった。3.質の悪い鉄が使用されており、寒さのためひび割れていた。4.対角材を留めるパーツがはずれていた。

テイ橋 – Wikipedia [2017年9月14日 (木) 23:28 の版]

捜査官はすぐに事故の原因となった設計・材質・工法上の欠陥を調査し、バウチの設計は風による荷重に対して余裕がなかったとした[5]。彼は、200 フィート以下のガーダーでは風に対する考慮は不要と報告されていたが、より長い 245 フィート(約 75 メートル)のガーダーへ設計変更した際にこれを見直さなかった。

受け継がれる

福男選び開門役に初の女性 東日本被災地から「福女」 – 毎日新聞 (Web 2018/12/29。2018/12/30 朝刊 21面 に同内容記事)

「福女」は、東日本大震災で被災した岩手県北上市の会社員、阿部美由紀さん(36)。同県釜石市で節分の前後に開かれる「韋駄天(いだてん)競走」女性部門の2017年、18年の覇者だ。

 韋駄天競走は、西宮神社の福男選びをモデルに14年から始まり、一番乗りには福男、福女などの栄誉が与えられる。市民約1200人が当時難を逃れた高台にある仙寿院まで駆け上がり、津波避難の継承も兼ねている。

ハインリッヒの法則と千三つ、神の平等

ハインリッヒの法則では、重傷災害 1件の裏には、29件の軽傷災害、300件の無傷害事故があるという。即ち、重傷災害は、重傷・軽傷・無傷害事故全体の 1/330 ≒ 3/1000 である。

「千三つ」では、 新しいこと 1000個のうち成功するのは 3個であるという。確率は、3/1000 である。

千三つ(センミツ)とは – コトバンク

2 《千に三つくらいしか話がまとまらない意》土地・家屋の売買や貸金などを斡旋(あっせん)する職業。また、その人。「千三つ屋」
3 《千品目出しても当たるのは三品目くらいの意》食品業界で、新商品の開発の難しさをいう言葉。

重大な失敗と、成功の確率が、同じ3/1000であるのは、神による平等だろうか。

重大な失敗は、大抵、いきなりは起こらない(神がチャンスをくれる)。それと共に、成功もなかなか起こらない。

安全綱領をいかにお題目にせず、実際的なものにしていくか、が大事

2017年12月11日に新幹線車両の台車に亀裂などが発見された重大インシデントからの思索:

JR西日本の安全憲章に表現を若干変えて受け継がれている国鉄の安全綱領

1.安全は輸送業務の最大の使命である。

5.疑わしいときは、最も安全と認められるみちを採らなければならない。

をいかにお題目にせず、実際的なものにしていくか、ということこそが大事だ。そのために、機械から心理までの研究が必要だ。