実際の制御の役割

● 複数の要素を連係運転させる。

各要素のインプット・アウトプットを制御によって調整しないと、要素間に大きなバッファーをもたせないといけない。バッファー容量(ひいては、全体の容積)の小型化には、性能が高い需給制御が必要である。

● ひとつの要素を維持する、運転を操作する。

ガバナー(調速機)・エンジンコントロールユニットなど。

・多くの測定パラメーターから最適な制御パラメーターを、速い応答速度で求める必要がある場合、
・制御パラメーターを要素に与えてから、それが運転に影響を及ぼすまでに時間が掛かり、要素の内部状態に関して未来予測が必要な場合、
には、制御計算機に高い能力が要求される。

対数グラフ

● 普通のグラフ( y-x )

グラフ上の直線は、y=ax+b, dy/dx = a (一定) を表わす。

● 片対数グラフ( log(y)-x )

グラフ上の直線は、y= exp(ax+b), dy/dx = ay を表わす。

dy/dx = ay の性質は、x を時間(t)にとる場合によく見られる。

無限に分裂する細胞を考え、 y をある時刻における細胞の個数として、a を単位時間にその細胞が分裂して新たに生まれる細胞の数だとすると、

 dy/dt = ay, y= exp(at+b)

を満たす。a が負の値をとる場合の例は、大気圧力 p と高度 z の関係(山の上では大気圧が低い)、

 dp/dz = (- g/R/T) p, g: 重力加速度、R: 空気の気体定数、T: 温度

や、崩壊によって減少していく放射性核種の数 y と時間 t の関係を表現できる。

y方向に極端に範囲の広いデータを扱える。

● 両対数グラフ( log(y)-log(x) )

グラフ上の直線は、冪関数(べきかんすう) y= x^a, dy/dx = a*x^(a-1) を表わす。

グラフ上の傾きが、a を表わす。

x,y 両方向に極端に範囲の広いデータを扱える。

自動車メーカーの未来

移動体とは、重量と機関出力のトレードオフを高度に解決した製品である。特に、乗り物は、さらに安全性の問題も解決した製品である。

さて、電気自動車などモータを機関とする自動車は、インバーターとモーターとの組み合わせによって、機関自身に物理的なトレードオフを抱えない…と、まで書いたら言い過ぎかもしれないが、熱機関であるエンジンよりは機関自身に物理的なトレードオフをもっていない。

自動車メーカーがモータを機関とする自動車の生産に主軸を移した時に、自動車メーカーが、ガソリン自動車メーカー時代と同じ高度さの、部品(ある機能を持った部品の集合体を意味するコンポーネントをも含む)がもつトレードオフを見据える「分析の目」を持ち続けることは困難だろう。モーターやバッテリーの能力と重量のみを考える、分析的でない視力しか持たなくなるかもしれない。

たとえ、自動車部品から、部品がもつトレードオフがなくなったとしても、自動車関連の機械には、そのトレードオフが内在する。自動車メーカーが、関連する機械がもつそのような性質を理解できるか、これが将来における自動車メーカーの社会における地位を決めるひとつの要素になると考える。

3Dモデルの意義

性能の極大化(トレードオフを解決して、パラメータを決定)。
最高性能試験

使用者(管理者)へのPR、作業者・使用者(運転者)への作業説明。

関連:
大熊 康之 : 軍事システムエンジニアリング―イージスからネットワーク中心の戦闘まで、いかにシステムコンセプトは創出されたか (かや書房, 2006) p.75~.

説明できない状況を作らない

質問する者と質問される者の関係は、質問する者の方が強い。

質問される者が説明できない状況に陥ると、質問する者に一方的に攻めこまれ、両者の間で平和的な解決ができなくなる。

発想の元:
日垣 隆 : ラクをしないと成果は出ない (大和書房, 2008) p.90.

《論議というものは、およそ理由を尋ねたほうが勝ち》
 ソクラテスもこう述べています。

Twitter / @takagi1: 平和的な解決を望む場合には、相手側に、こちら側について考える時間と考える意志を持たせるために、対立を少なくとも一定時間 継続できる力(抑止力を含めて)が必要である。 2011/7/9 10:23am

Twitter / @takagi1: (いい意味で)質問されないようにしておく。 2011/7/16 5:55pm

有人宇宙船

有人宇宙船において、目的地につくまで、乗組員は制御器にすぎない。宇宙船は巨大なエネルギーを持ち、エネルギーを制御できなくなった時、乗組員は確実に死ぬ。

有人宇宙船の実現に求められることは、

 安全性 と 説明性

である。

後者は、

・乗組員の人権を侵したと批難されず、
・事業を主導する政権の政治的リスクを極小化する

ほどに「手を尽くした」と大多数の人に認知されるだけの説明性である。

部品の取り替えをしない設計をする場合

部品の取り替えをしない前提の設計をする場合には、
取り替え作業の失敗が発生しないという理由で、信頼度が低い設計をしてはならない。
部品を取り替えなくても部品が健全であり続ける、信頼度が高い設計をすべきである。

哲学と現実、科学と技術

類型がみられる。

弁証法 – Wikipedia [2011年7月8日 (金) 20:39 の版]

「ミネルヴァの梟(ふくろう)」の例えで有名な、『法の哲学』の序文でも端的に述べられているように、ヘーゲルに言わせれば、哲学は、常に現実を後追いしているに過ぎない。現実の歴史がその形成過程を終えてから、ようやくそれを反映するように観念的な知的王国としての哲学が築かれる(「ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ」)のであって、「哲学の到来はいつも遅すぎる」し、決して「あるべき世界」を教えてくれるようなものでもない。

ヘンリー・ペトロスキー=著, 中島 秀人・綾野 博之=訳 : 橋はなぜ落ちたのか―設計の失敗学 (朝日選書, 2001) p.110.

 数学者や科学者達が必ずしも思い出したがらない事実だが、技術の相当数はまず成功した後にその理論的理解が生まれたのである。もちろん古典的な例は蒸気機関であり、熱力学の工学が成立するはるか以前にそれは発明され、高度の信頼性にまで発展した。実際、動く蒸気機関という人工物自体が、その動作についての理論を呼び起こしたのである。

ミクロ現象のマクロにおける表出に関するシミュレーターの開発手順

ミクロ現象の小スケールにおけるシミュレーターの開発する。

小スケールにおけるシミュレーションの結果を整理して、ミクロ現象のマクロにおける表出を表す、大スケールシミュレーターにおけるパラメタリゼーションを考案する

上記パラメタリゼーションを実装した大スケールシミュレーターを開発する。