デジタル部 2016/ 7/18~22、ゲスト: フリーライター ヨッピー さん

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カモノハシとヒト

カモノハシとヒトは、両種とも、物理的な力を失い、替わりに情報を手に入れた進化を経た:

歯を失ったが、発達した三叉神経を手に入れたカモノハシ。

なぜカモノハシには歯がないのか? 祖先との比較で明らかに - 三重大 | マイナビニュース

三重大学は[2016年]10月13日、カモノハシと、その祖先で1300万年前に生息していたオブドゥロドンの感覚能力と生活様式の違いを明らかにしたと発表した。

同成果は、三重大学教養教育機構 浅原正和特任講師、東京有明医療大学、米セント・メアリー大学、豪ニュー・サウス・ウェールズ大学らの研究グループによるもので、10月12日付けの米国科学誌「Science Advances」に掲載された。

カモノハシはオブドゥロドンよりに比べて、くちばしの電気感覚を脳に伝える三叉神経がより発達していた。この結果から同研究グループは、電気感覚を強化するための三叉神経の発達が、カモノハシの歯の生える空間を奪い、歯を失うことにつながったと考察している。

噛む力を失ったが、大きな脳を手に入れたヒト。

髙城 忠: 「生き物としての人間」の教育の原点を考える I. 人間の経験が次世代に伝えられなくなりつつある現代. つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2004) 3.

人間の脳の容積が増加し、思考力が格段に進化したのは、顎や頬を頭蓋に結合している筋肉に含まれるミオシンのうちの一種類の遺伝子が、突然変異を起こし、塩基配列の途中に終止コドン情報が入ってしまい、完全なミオシンを作れずに、顎や頬の筋肉が弱くなって噛む力は弱くなったが、逆に、頭蓋への負担は減り、脳の容積が増えたのではないかという、昨年[:2003年] Natureに発表された論文は興味深い。