ゲオルク・ヘーゲル, Georg Wilhelm Friedrich Hegel、1770-1831)
「ミネルヴァの梟は、黄昏の到来とともにのみ、その翼を拡げる」あるいは「ミネルヴァの梟は、夕暮れに飛び立つ」。(私が、はじめてミネルヴァの梟のことを聞いたのは、2004年10月12日に、京都大学百周年時計台記念館(百周年記念ホール)にて行われた、京都大学 春秋講義「エーゲ海の流れ星――気象学の歴史を考える――」(講師: 京都大学理学研究科名誉教授 廣田 勇 氏)の場であった。当時のノートに「アテナ=ミネルバ」とメモしている。なお、同氏は、当時、日本気象学会の理事長であった。
私は、当時、大学4回生で、気象に関連する研究をはじめたばかりであった。
その後、同氏の著作「気象解析学―観測データの表現論」を読んで、「ミネルヴァの梟」について知った。
同書の8章(最終章)は、章題が「ミネルヴァの梟 あるいは現象論の復権について」である。章の冒頭に、「ミネルヴァの梟」が解説され、著者のご親族であろうか、廣田 和子 氏 作の「ふくろう」(1993)という木版画が挿れられている。