発明の起点は適用先

設計解は、適用先によって異なる。

まさにノーフリーランチ定理である。

ノーフリーランチ定理 – Wikipedia [2024年4月5日 (金) 23:45の版]

……コスト関数の極値を探索するあらゆるアルゴリズムは、全ての可能なコスト関数に適用した結果を平均すると同じ性能となる
 ― Wolpert and Macready、1995年

この定理は「あらゆる問題で性能の良い汎用最適化戦略は理論上不可能であり、ある戦略が他の戦略より性能がよいのは、現に解こうとしている特定の問題に対して特殊化(専門化)されている場合のみである」ということを立証している(Ho and Pepyne、2002年)。

工学者や最適化の専門家にとって、この定理は、問題領域の知識を可能な限り使用して最適化すべきだということを示しており、領域を限定して特殊な最適化ルーチンを作成すべきであることを示している。

発明(その言語表現としての特許)のひとつの主な形態は、適用先の短所を補う方法である。

したがって、新規の適用先には、発明の起点がいっぱいある。その実現のために何らかの工夫をしたなら、それは発明であり、特許をわんさか書ける。

適用先の短所を補う方法のひとつの主な形態は、新たなパラメーターを導入することである。

この時の特許は、

  [このような特徴・性質【=パラメータの量(種類)と値】により機能を実現した/問題を解決した]、[ある機能をもった/ある問題を解決した] [製品【=適用先】]

である。

開発の過程

(1) 目的を決める。

(2) 目的を実現するために必要な目標を決める。

(3) 目標の達成に寄与する性質をもつ関係を見つける・目星をつける。

  目標「量Aを、既存より大きな値a以上にする」
  関係「量Aを変化させるには、変数α_1, α_2,…を変化させる」

  例「P能力を、p以上にする ※」
   「P能力を向上させるには、材料を強く、寸法1, 寸法2, …を大きくする」

  例「Q能力を、q以上にする ※」
   「Q能力を向上させるには、触媒・フィルター材料・…に、よい性質をもつ物質Θを使う」
   → さらに進んで「物質Θの粒径をθ_1 μmにする。製造過程で温度θ_2 ℃を θ_3 分間保つ」

  例「Rの正答率を、r以上にする」
   「Rの正答率を向上させるには、入力する量に Ρ_1,Ρ_2,…を選び(Ρ_n, Ρ_n+1 も関係しそう)(ギリシア文字「ロー」)、評価関数のパラメータの値(係数等) ρ_1,ρ_2,… を適切な値にする」

  ※ たいていは、「重量はm以下で」等のトレードオフになる制約も同時に存在する。

(4) 関係に関係する変数を変化させて、目標を達成する解にたどり着く。

  例 手計算・コンピュータシミュレーション(FEM等)を使った設計解(材料、寸法(形状含む)等)の仮決定。
    → 適用先を模擬した装置(試作部品・試作機・適用環境を再現する試験装置 ※※)を製作し、[材料、寸法(形状含む)等を変化させて] 能力等 ※※※ を測定し、適切な設計解を選び出す。

  ※※ 試作機は、試作部品にとって、適用環境を再現する試験装置になる(「動く実験室」)。試験装置がなく、実環境で試験する場合もある。

  ※※※ 試作機を製作した場合には、組立性・整備性も重要な測定項目である (吊りボルト[アイボルト]用のねじ穴、抜き作業用ねじ穴、重量部品の分割、組立・分解時の部品・工具・作業者の手/腕/体の移動ルートの干渉、取っ手、手すり等が関わる)。

  例 推定計算と正答判定をさせるプログラムを作成し、入力する値の種類(Ρ)、パラメータの値(ρ)を様々に変化させて(実際には、入力する値の種類毎に総合評価への寄与率もパラメータにすることが常道か)正答率を計算し、遺伝的アルゴリズム等を使って、適切な入力する値の種類(Ρ)、パラメータの値(ρ)を選び出す。

売上か純利益か

業務の突発対応が起こり(負荷変動が大きく、予測困難)、その対応可否が事業の継続性に大きな影響を及ぼす場合、対応能力者を多く抱える必要があり、売上が経営の指標になる(純利益ではなく)。

組織は「貯才の地」として※、対応能力者を(遊ばせずに)養う必要がある。

  ※翰林院からの発想。「貯才の地ともいわれ、有為な人材を確保し、勉強や実務の見習をさせ、必要があるときに中央官庁や地方の要職に任命する。」(翰林院 – Wikipedia [2024年5月15日 (水) 19:22 の版])。

例が、巨大企業としての軍であろう。

「兵を養うこと千日、用いるは一朝にあり ――『水滸伝』」は、この意味においても当てはまる。

逆に、業務負荷に変化が起こらない場合、純利益が経営の指標になる。

「管理」とは

(1)

(2) 全ての必要な要素の存在・状態について説明可能(「理の幹」)、かつ説明で到達可能(「幹」)な状態にし、これを維持すること。

水素チャンネルニュース 第214回 2024年6月8日号


水素チャンネルニュース
第214回 2024年6月8日号

この番組は、水素エネルギーに関するニュースをお伝えするラジオ番組です。

お聞きいただきまして、ありがとうございます。アナウンサーの新浜メチスです。

今回は、およそ2024年6月1日から6月8日までのニュース、記事27本です。では、スタートです。

次の3本の記事は、同じニュースです。
【1】6月3日のNHKニュース。「日本とEU 水素の導入拡大へ 設備の標準化など工程表作成で合意」、引用、日本とEU=ヨーロッパ連合のエネルギー担当の閣僚などが参加した会合が都内で開かれ…仕様の標準化などで工程表を作成することで合意しました( https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240603/k10014469831000.html )

【2】6月5日のNEDO。「NEDO斎藤理事長が日EU水素ビジネスフォーラムへ参加、クリーン水素共同実施機構(CHJU)と水素分野の協力にかかる覚書を締結」、引用、理事長は、6月3日に経済産業省が主催した「日EU水素ビジネスフォーラム」に参加( https://www.nedo.go.jp/ugoki/ZZ_101299.html )

【3】6月6日の日経BP メガソーラービジネス。「日EUが水素・再エネで会合、透明性などで共通ルール、中国依存を回避へ」、引用、経済産業省は6月3日、都内ホテルで日EUエネルギー閣僚会議と日EU水素ビジネスフォーラムを開催した。( https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/news/00001/04241/?ST=msb )

次のニュースです。

【4】6月3日の首相官邸。「日EU企業の水素連携に関する意見交換会」、引用、令和6年6月3日、岸田総理は、総理大臣官邸で日EU(欧州連合)企業の水素連携に関する意見交換会を行いました。( https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202406/03ikenkoukan.html )

【5】6月4日の日本経済新聞。「水素の供給網整備へ1500億円の民間基金 IPEF枠も」、引用、川崎重工業など400超の民間企業や団体で構成する日本連合は、2024年度上期にも水素ファンド(基金)を設立する。10億ドル(およそ1500億円)の規模を見込む。( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0305W0T00C24A6000000/ )

【6】6月6日の日本経済新聞。「経済安保を脱炭素に拡大 水素・原発で協力、IPEF協定署名」、引用、日米インドなどが加わる新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚会合が6日開かれた。( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA059NT0V00C24A6000000/ )

【7】6月6日のITmedia エグゼクティブ。「高効率で合成メタン生成、国内初の「SOEC」装置 大阪ガスが完成、試験開始」、引用、大阪ガスは5日、…高効率の革新技術「SOECメタネーション」の試験装置を…完成させ、試験を開始したと発表した。( https://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/2406/06/news091.html )

【8】6月6日の琉球新報。「りゅうせき 水素ステーション導入 県内初、来年3月稼働 移動可能、燃料電池車普及へ」、引用、25年3月の運用開始を目指し、水素圧縮機などを搭載した「ハイドロシャトル車」(移動式水素ステーション)を導入した( https://ryukyushimpo.jp/news/economics/entry-3172231.html )

【9】6月2日の東京新聞。「海洋プラごみをリサイクル 川崎市とレゾナックが実証実験 分けずに分解→水素と二酸化炭素に転換」、引用、リサイクルの過程は初回の5月30日、レゾナック川崎事業所(川崎区)で報道各社に公開された。( https://www.tokyo-np.co.jp/article/331035 )

【10】6月7日のニュースイッチ by 日刊工業新聞社。「都市ガス並み出力…JFEエンジニアリング、水素混焼コージェネ投入」、引用、JFEエンジニアリング株式会社(…)は、水素混焼ガスエンジンコージェネレーション(熱電併給)設備「JFE-MWM/Hシリーズ」を発売した。( https://newswitch.jp/p/41819 )

次の2本の記事は、同じニュースです。
【11】6月5日の三菱重工。「大型ガスタービン向け水素混焼技術の導入検討へ、タイ国電力公社(EGAT)とMOUに調印 国内最大発電事業者との協業により、同国政府が掲げるCO2ゼロ目標の達成を後押し」( https://www.mhi.com/jp/news/24060502.html )

【12】6月6日の日本経済新聞。「三菱重工、水素混燃でタイ電力公社と基本合意 試験実施」、引用、三菱重工業は5日、タイ電力公社と…「水素混燃」技術の導入を検討することで基本合意したと発表した。…最大20%の水素混燃を目指す。( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC0589Q0V00C24A6000000/ )

次のニュースです。

【13】6月2日の日本経済新聞。「川崎重工とダイムラー、欧州で水素利用 供給網構築へ」、引用、川崎重工業と独ダイムラートラックホールディングは欧州での水素利用で協力する。( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC29A7P0Z20C24A5000000/ )

次の2本の記事は、同じニュースです。
【14】6月3日の伊藤忠商事。「北九州市における水素・アンモニア サプライチェーン構築の実現可能性調査を開始」( https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2024/240603.html )

【15】6月4日のMONOist。「北九州市響灘臨海エリアで水素/アンモニアのサプライチェーン構築が可能かを調査」、引用、伊藤忠商事は2024年6月3日、…実現可能性調査を開始したと発表した。( https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2406/04/news071.html )

次のニュースです。

【16】6月5日のトヨタイムズ。「「ドキドキするね、この走り!」マッチを唸らせた水素エンジン4年目の挑戦(S耐富士24時間のすべて)」( https://toyotatimes.jp/toyotatimes_live/311.html )

【17】6月7日の乗りものニュース。「あまりに斬新ルックス!「水素をつくる船」の現在地 実証船が東京に登場 “チーム日本”始動か?」( https://trafficnews.jp/post/133088 )

【18】6月8日の東洋経済オンライン。「動き始めた「船の脱炭素化」、次世代燃料で注目の11銘柄 国際機関は削減目標を大幅引き上げ」( https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/759401 )

【19】6月4日のMONOist。「長距離物資輸送に向けた無人航空機技術の開発、実証に着手」、引用、NEDO(…)は2024年5月22日、長距離物資輸送に向けた無人航空機技術の開発および実証に着手すると発表した。( https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2406/04/news080.html )

【20】6月8日のニュースイッチ by 日刊工業新聞社。「京セラ・JAXAが開発、液化水素向け気密端子の性能」( https://newswitch.jp/p/41832 )

【21】6月5日のAviation Wire。「水素航空機の実現、IATA事務総長「2050年以降」開発進むも空港インフラ整備に課題」、引用、既存のインフラをほぼ利用できるSAFに対し、…水素航空機をIATAはどう見ているのか。4日のAGM閉会後…事務総長に聞いた( https://www.aviationwire.jp/archives/301969 )

【22】6月4日の日本経済新聞。「「脱炭素電源」応札、蓄電池が6割 水素支援に課題」( https://www.nikkei.com/prime/gx/article/DGXZQOUC076RK0X00C24A5000000 )

【23】6月4日のジェトロ 日本貿易振興機構。「NSW州の水素ハブの港湾都市、ニューカッスルの現状(オーストラリア)」( https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/06/b0a59dfe92555c65.html )

【24】6月5日のfabcross for エンジニア。「水素燃料電池の部品バイポーラプレートの量産化とコスト低減へ前進」、引用、独フラウンホーファー研究機構は2024年4月2日…バイポーラプレート(双極板)の低コスト化と量産化に向けて大きく前進したと発表( https://engineer.fabcross.jp/archeive/240605_bipolar-plates.html )

【25】6月6日のfabcross for エンジニア。「英バース大学の工学部の学生15名が、水素を燃料とするエンジンの始動に成功」、引用、英バース大学は2024年4月16日、…学生チームが水素を燃料とするエンジンを製作し、始動に成功したと発表した。( https://engineer.fabcross.jp/archeive/240606_hydrogen-powered-engine.html )

【26】6月7日のResponse.jp。「グリーン水素を使ってEV向け電池素材生産へ、仏EDFのプロジェクトに英グリーンリチウムが参画」、引用、グリーンリチウムは6月4日、…EDFの「ティーズグリーン水素プロジェクト」に参画すると発表( https://response.jp/article/2024/06/07/382695.html )

【27】6月7日のAUTOSPORT web。「BMWが水素レースを「評価中」。トヨタやアルピーヌとは異なり燃料電池を活用したい考え」( https://www.as-web.jp/sports-car/1088648 )

ニュースは、以上です。

今回お届けしました記事へのリンクは、動画の説明欄をご覧ください。

最新ニュースへのアクセスと2001年からの過去ニュースの検索は、Webサイト 水素チャンネルへ。
アドレスは、https://takagi1.net/h2
たかぎいちドットネットスラッシュエイチツー です。

次回は、6月15日 日曜日の予定です。また、お会いしましょう。
お相手は、新浜メチスでした。
バイバイ。

現在・未来の特定解を簡便に得る

科学研究者、社会研究者が導きだす解は、一般解です。技術者、参媒が導きだす解は、特定解です

大規模な解である場合に、現在・未来の特定解を簡便に得るには、過去の特定解を一般解の性質に従って外挿します。

あまりに離れた外挿は、たとえ一般解の性質が正しくても、すべての状況・要求を知ることはできないので、確度が低いです。