哲学と現実、科学と技術

類型がみられる。

弁証法 – Wikipedia [2011年7月8日 (金) 20:39 の版]

「ミネルヴァの梟(ふくろう)」の例えで有名な、『法の哲学』の序文でも端的に述べられているように、ヘーゲルに言わせれば、哲学は、常に現実を後追いしているに過ぎない。現実の歴史がその形成過程を終えてから、ようやくそれを反映するように観念的な知的王国としての哲学が築かれる(「ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ」)のであって、「哲学の到来はいつも遅すぎる」し、決して「あるべき世界」を教えてくれるようなものでもない。

ヘンリー・ペトロスキー=著, 中島 秀人・綾野 博之=訳 : 橋はなぜ落ちたのか―設計の失敗学 (朝日選書, 2001) p.110.

 数学者や科学者達が必ずしも思い出したがらない事実だが、技術の相当数はまず成功した後にその理論的理解が生まれたのである。もちろん古典的な例は蒸気機関であり、熱力学の工学が成立するはるか以前にそれは発明され、高度の信頼性にまで発展した。実際、動く蒸気機関という人工物自体が、その動作についての理論を呼び起こしたのである。

ミクロ現象のマクロにおける表出に関するシミュレーターの開発手順

ミクロ現象の小スケールにおけるシミュレーターの開発する。

小スケールにおけるシミュレーションの結果を整理して、ミクロ現象のマクロにおける表出を表す、大スケールシミュレーターにおけるパラメタリゼーションを考案する

上記パラメタリゼーションを実装した大スケールシミュレーターを開発する。

製品の技術思想

「製品の技術思想」とは、その製品に関して「こうである」と自信を持って断定できる思想 * である。

技術思想は、その製品において最大限に重視されている。対して、技術思想に反する思想は、その製品において否定・軽視・無視されている。

技術思想は、その製品の長所とどうしようもならない短所を示唆する。

その製品の開発者でない人にとって、製品そのものから技術思想を知ることは、逆解析作業であり、困難を伴う。

* 「自信を持って断定できる思想」として、たとえば、以下を挙げることができる。
  ・コンセプト
  ・ターゲットとする市場
  ・「AでBする」という簡単な主語述語関係
  ・「AとBを組み合わせる」という簡単な組み合わせ構成

3D-CAD・CAE

3D-CAD・CAE の説明をしてくれた人が言いたかったのは、こういうことなのだろう。

従来の設計 (2D-CAD を使った設計)

設計手法:
数少ない条件のみ評価の対象にし、それらに関して最適な解を目指すことによって、評価外の条件が加わっても全体として合格できる。

3D-CAD・CAE を使った設計

設計手法:
(合格できる設計解の領域にまで短時間で達し、その後は) さまよいながら設計する。数多い条件を評価の対象にし、合格した複数の設計解を比較して採用する設計解を決定する。

採用される設計解:
いろいろな方向から多様な情報を含むモデルを見て、最適の近傍にある設計解

関連:
シミュレーション技術の発達によって可能になる、非系統的な設計手法

試行錯誤を削減して、最適化を実施する

最近の新技術が向いている一つの方向は、「試行錯誤を削減して、最適化を実施する」方法の構築である。

すなわち、
 ・試行に必要な時間やコストの削減 (:コンピュータシミュレーション、模型試作など)
 ・試行回数の削減(:品質工学など)、最適化の自動化、最適化を解析的に実施する方法の構築
である。

知識は力なり――特許の面から

フランシス・ベーコンは、「知識は力なり (scientia potentia est) 」という格言を残した。

この格言を、再度、認識したので、記述する。

私の今回の認識を表わすと、
「通常の知識を有する者が知らない高度な知識は、特許制度を通じて、排他的権利に変換することができ、力になる」
である。

特許の要件(参考: 特許要件チェック)のひとつに進歩性がある。

進歩性については、以下の条文に言及されている。

特許法第 29 条第 2 項
特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない

即ち、「通常の知識を有する者」が知らない高度な知識に基づけば、その発明は特許になりえる。

特許は、個人がその個人によって、排他的な権利を得ることができる手段であり、この排他的な権利は強力である。

機械の大きさを理解する

座標軸は人工のものである

ある機械において、その座標軸方向を決めたのは人であり、その座標軸方向が、あなたが思い描いている座標軸方向と同じであるとは限らない。

だから、機械の大きさを理解するには、

 縦×横×高さ や 幅×奥行き×高さ の値だけではなく、

たとえば、

 ・外部配管との取り合いは、どの面からされるのか、
 ・操作盤・表示器はどの面にあるのか、
 ・標準とは違う向きの設置も可能ではないのか、

を理解しなければならない。