夏目漱石 『草枕』 [Gemini]
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夏目漱石 『草枕』
「御婆さん、ここをちょっと借りたよ」…
「閑静でいいね」…
「ここから那古井までは一里足らずだったね」…
「はい、今日は」…
「それじゃ、まあ御免」…
「さぞ美くしかったろう。見にくればよかった…
「花の影、女の影の朧かな」…
「うちに若い女の人がいるだろう」…
「この部屋は普段誰か這入っている所かね」…
「これは支那ですか」…
「御茶って、あの流儀のある茶ですかな」…
「昨日は山で源兵衛に御逢いでしたろう」…
「あれが本当の歌です」…
「旦那あ、あんまり見受けねえようだが、何で…
「どうです、好い心持でしょう」…
「了念さん。どうだい、こないだあ道草あ、食…
「なんの、和尚さん。このかたは画を書かれる…
「襖には向かないでしょう」…
「和尚さん、あなたには、御目に懸けた事があ…
「なるほど。春水はようかく。ようかくが、書…
「徂徠かな」…
「この蓋が」…
「隠居さん、どうもこの色が実に善いな。使う…
「西洋の本ですか、むずかしい事が書いてある…
「ホホホホ解りませんか」…
「情けの風が女から吹く。声から、眼から、肌…
「こいつは愉快だ。奇麗で、変化があって。こ…
「竹影払階塵不動」…
「旦那も画を御描きなさるか」…
「あんな所を毎日越すなあ大変だね」…
「御免」…
「和尚さんはおいでかい」…
「さあこれへ」…
「これはいい景色。和尚さん、障子をしめてい…
「無邪気な画ですね」…
「番茶を一つ御上り。志保田の隠居さんのよう…
「あの松の影を御覧」…
「先生、先生」…
「画を御描きになったの」…
「どうです、驚ろいたでしょう」…
「久一さん、軍さは好きか嫌いかい」…
「そんな平気な事で、軍さが出来るかい」…
「こんな一筆がきでは、いけません。もっと私…
「あの山の向うを、あなたは越していらしった…
「やっぱり駄目かね」…
「いよいよ御別かれか」…
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