GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『草枕』
現代語化
「私も描きたいんだけど、あなたの顔じゃ絵にならないんだよね」
「何ておっしゃるの。じゃ、どうすればいいんですか?」
「何を隠そう、絵にはできるよ。ただちょっと足りないところがあるんだ。そこを描かないのはもったいないよ」
「足りないなんて、生まれつきの顔だから仕方ないでしょ」
「生まれつきの顔だって変わるものだよ」
「勝手に変わるんですか?」
「そう」
「女だと思って、人をバカにしないでくださいよ」
「あなたが女だから、そんなバカなことを言うんだよ」
「じゃ、あなたの顔をいろいろ変えて見せてよ」
「こんなに毎日いろいろ変わってるんだから十分だよ」
原文 (会話文抽出)
「こんな一筆がきでは、いけません。もっと私の気象の出るように、丁寧にかいて下さい」
「わたしもかきたいのだが。どうも、あなたの顔はそれだけじゃ画にならない」
「御挨拶です事。それじゃ、どうすれば画になるんです」
「なに今でも画に出来ますがね。ただ少し足りないところがある。それが出ないところをかくと、惜しいですよ」
「足りないたって、持って生れた顔だから仕方がありませんわ」
「持って生れた顔はいろいろになるものです」
「自分の勝手にですか」
「ええ」
「女だと思って、人をたんと馬鹿になさい」
「あなたが女だから、そんな馬鹿を云うのですよ」
「それじゃ、あなたの顔をいろいろにして見せてちょうだい」
「これほど毎日いろいろになってればたくさんだ」