GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『草枕』
現代語化
「徂徠さんもあんま好きじゃないかもだけど、山陽よりはマシだと思う」
「いや、徂徠さんの方が全然いいよ。享保頃の学者の字は下手でも、なんか品があるよな」
「広沢の字を日本の最高の字って言ったのって徂徠さんだったっけ?和尚さん」
「知らん。そんな自慢げな字じゃねぇよ。ハハハハ」
「じゃ、和尚さんは誰を習ったの?」
「俺?禅坊主は本も読まねぇし、字も練習しねぇからな」
「でも、誰か習ったでしょ?」
「若い頃に高泉さんの字をちょっと習ったことはあるけど、それっきりだ。でも、頼まれりゃいつでも書くよ。ハハハハ。ところで、その端渓硯を見せてよ」
原文 (会話文抽出)
「徂徠かな」
「徂徠もあまり、御好きでないかも知れんが、山陽よりは善かろうと思うて」
「それは徂徠の方が遥かにいい。享保頃の学者の字はまずくても、どこぞに品がある」
「広沢をして日本の能書ならしめば、われはすなわち漢人の拙なるものと云うたのは、徂徠だったかな、和尚さん」
「わしは知らん。そう威張るほどの字でもないて、ワハハハハ」
「時に和尚さんは、誰を習われたのかな」
「わしか。禅坊主は本も読まず、手習もせんから、のう」
「しかし、誰ぞ習われたろう」
「若い時に高泉の字を、少し稽古した事がある。それぎりじゃ。それでも人に頼まれればいつでも、書きます。ワハハハハ。時にその端渓を一つ御見せ」