GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『草枕』
現代語化
「人間もそうやって動いてれば、いくら動いても大丈夫ですね」
「情がないからこう動かせるんだよ」
「ハハハ。ずいぶん情がないのがお好きなんですね」
「あなただって嫌いじゃないでしょ。昨日の着物とか……」
「褒美をくれないと」
「なんで?」
「見たいって言ったから、わざわざ見せたんでしょ?」
「私がですか?」
「この山を越えてきた絵の先生が、茶店の老婆にわざわざお願いされたんだって」
「そんな忘れっぽい人に、いくら尽くしても無駄ですよね」
原文 (会話文抽出)
「こいつは愉快だ。奇麗で、変化があって。こう云う風に動かなくっちゃ面白くない」
「人間もそう云う風にさえ動いていれば、いくら動いても大丈夫ですね」
「非人情でなくっちゃ、こうは動けませんよ」
「ホホホホ大変非人情が御好きだこと」
「あなた、だって嫌な方じゃありますまい。昨日の振袖なんか……」
「何か御褒美をちょうだい」
「なぜです」
「見たいとおっしゃったから、わざわざ、見せて上げたんじゃありませんか」
「わたしがですか」
「山越をなさった画の先生が、茶店の婆さんにわざわざ御頼みになったそうで御座います」
「そんな忘れっぽい人に、いくら実をつくしても駄目ですわねえ」