夏目漱石 『門』 [Gemini]
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夏目漱石 『門』
「御米、近来の近の字はどう書いたっけね」…
「どうも字と云うものは不思議だよ」…
「おい、佐伯のうちは中六番町何番地だったか…
「御茶ならたくさんです」…
「じゃ御菓子も廃しにしましょう。それよりか…
「だから先刻手紙を出しておいたのよ」…
「御米、御米」…
「どうして、まあ殺されたんでしょう」…
「どうしてまた満洲などへ行ったんでしょう」…
「何だって、あんなに笑うんだい」…
「昼間は暖たかいが、夜になると急に寒くなる…
「じゃ今日まであのままにしてあったんですか…
「へえ、安さんは神戸へ行ったんだってね」…
「遠からぬうちには帰京仕るべく候間、どうだ…
「佐伯の方は困るのね」…
「安さんは、まだ帰らないんでしょうかね。あ…
「だって、近頃の相場なら、捨売にしたって、…
「あなたあの事を叔父さんにおっしゃって」…
「宗さんはどうもすっかり変っちまいましたね…
「どうです、ちと御出かけなすっちゃ」…
「安さんには、御逢いなさらなかったの」…
「叔母さんが御前に詳しい説明をしなかったの…
「御前あの屏風を覚えているかい」…
「しかし月謝と小遣ぐらいは都合してやってく…
「今夜は久し振に論語を読んだ」…
「高木の細君は夜具でも構わないが、おれは一…
「じゃ、奥さんせっかくだから、もう一円奮発…
「売るなら売っていいがね。どうせ家に在った…
「あなたちょっと起きて下さい」…
「坂井と云う人は大学出なんですか」…
「よう、御姉様またいつものように叔母さんご…
「じゃ鰹船の方はもう止したの」…
「小六さんは、安さんの所へ行くたんびに、小…
「字の書けるものは、この人ぎりなんだそうで…
「織屋、御前そうして荷を背負って、外へ出て…
「淋しいと云えば、そりゃ淋しくないでもない…
「私にはとても子供のできる見込はないのよ」…
「小六はどうした」…
「何をするんだろう」…
「冒険者」…
「何別にこれという理由もなかったのだけれど…
「いくら保養でも、家へ帰ると、少しは気疲が…
「気楽でしょうね。留守居も何もおかないで出…
「相変らず掛かっておりますな」…
「本当にありがたいわね。ようやくの事春にな…
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