ローマ教皇もジョークを仰る

キリスト教カトリック教会の頂点であるローマ教皇の、一見ローマ教皇らしからぬ御発言は、下記の考えを想起させました。

  文化の最小公倍数的側面(=「でもあらなくてはならない」)

です。最小公倍数的側面の反対概念は『文化の最大公約数的側面(=「でなくてはならない」)』です。

※補足: 数学では、例えば、6と8の最小公倍数は24最大公約数は2

ローマ教皇は、カトリック教会の頂点ですが、それだけに留まらず、カトリック教会文化の代表者です(同様に、各国の国家元首も各国の文化の代表者です)。

ローマ教皇にまでなられた方です、ご自身の発言が、カトリック教会文化の頂点の者の発言として、相応しくはないことはない、とご判断された上での、ご発言であろうと愚考します。

文化とは、社会の成員が持つものです。

文化 – Wikipedia [2025年4月28日 (月) 06:30 の版]

広く民族学で使われる文化、あるいは文明の定義とは、知識、信仰、芸術、道徳、法律、慣行、その他、人が社会の成員として獲得した能力や習慣を含むところの複合された総体のことである
エドワード・バーネット・タイラー、Primitive culture [1871年]

カトリック教会文化の構成員(=[広義の]カトリック教会社会の成員)を代表する発言として、ひとつはカトリック教会文化の構成員(の多数)が共通して備えている思想を語ることがあります。これは、『文化の最大公約数的側面(=「でなくてはならない」)』です。

しかし、文化の構成員が多様になると、共通して備えている思想の支配力が、相対的に弱くなります。

そこで、文化の構成員の部分集団(A, B, C, ……)がそれぞれ備えている思想(a, b, c, ……)をそれぞれに触れていくことにより、代表者としての発言にすることができます。これは、『文化の最小公倍数的側面(=「でもあらなくてはならない」)』です。

ローマ教皇は、ジョークを仰ることによって、カトリック教会文化の構成員のなかのジョークを好む集団に寄り添われたのです。そして、次には他の部分集団に寄り添われるのでしょう。私は、そのように愚推します。

個人の〈実感を持った関心〉・社会の〈確固たる関心〉

知的ネット空間「アテネの学堂」 5つのリスト 2010年 8月

一般の人々にもたれることを希望するイメージ

・確かな存在
・容易な観測
・容易な参加

整備項目

・共有される短い表現(キャッチコピー・スローガン)
・知的技術知識
・広報セット
・観測方法説明
・参加方法説明
・補助システム

社会を変えるのは、関心である @takagi1, 2017年6月24日

私論「ウォンバット市」が目指すところ 2018年2月9日

私が考えるに:
「ウォンバット市」が目指すところは、ウォンバットと〈ウォンバットが象徴する事柄〉を、それが豊かな池田市に関する実感(知名度と、池田市に行くことができるという認識)を根拠にして意味あるものと社会に認識させ、それを社会の確かな関心にすることである。

未来作りに関する私の考え(2018年7月)

多様な社会が、社会の確かな関心であること。社会の確かな関心は、虚しさによって無くなることがない、不特定多数の人が限られた日々の時間の中で、少ない時間でもいくらかの思考時間をあてるテーマです。関心且つ実感から構成されます。

身近な未来プロジェクト 2019年

より良い未来を作るために、未来を、まずは 個人の〈実感を持った関心〉にし、その後に 社会の〈確固たる関心〉にします。

「ネットの使い方博物館」について 2019年12月8日

これらの言葉を、まずは 個人の〈実感を持った関心〉にし、その後に 社会の〈確固たる関心〉にします。

【100回配信 ありがとう】「水素チャンネルニュース」【新浜メチス】 2021年3月14日

水素エネルギーを社会の確固たる関心にし、

ブランド

ハイブランドの商品は、中古品店に高く買い取ってもらえます。それは、実際に使う前から、それを使うことによる良い効果を多くの人に想起させることができるからです。

妹尾 堅一郎 : 技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか―画期的な新製品が惨敗する理由 (ダイヤモンド社, 2009) p.297.

ブランドとは何か? 端的に言えば、商号・商標や意匠によって想起される品質・価値・信頼といったイメージの集合体を定義することができるでしょう。

関連:
真と美、技術とブランド

ソフトパワー

春秋. 日本経済新聞, 2025/ 5/ 9, 朝刊, 1面

アメとムチ。…しかしこの2つ以外にも「魅力」によって人を引っ張る道がある。メンバーが理念に共鳴し、喜んで仲間になる。そんな組織は強い。

▼国際社会で「飴(あめ)と笞(むち)を使う必要」を減らすため、ソフトパワーと名づけた魅力を生かすよう唱えたのが米政治学者、ジョセフ・ナイ氏だった。パワーの中身は文化、政治的な理想、政策の魅力など。民主主義、人権、個人にチャンスがあることも大事だ。欧州や旧共産圏で実際に米国はこの力で味方を増やしたと分析する。

▼5月4日の弊紙にインタビュー記事がある。トランプ氏により米国のソフトパワーは損なわれ、政権が交代しても回復は難しいと語った。「トランプ氏のような政治リーダーを(米国民が)また選ぶかもしれないという懸念」を外国は払拭できないからだ。民主国家のリーダーの振る舞いは選んだ人々への視線も左右する。

流水不争先

阪急阪神HD角和夫・元会長が死去 「相手に誠実であれ」問い続け – 日本経済新聞 (2025年5月7日) (紙面では、日本経済新聞, 2025/ 5/ 8, 朝刊, 13面)

囲碁を通じて知った「流水不争先(流水先を争わず)」という言葉をずっと大切にしてきた。奇手奇策を使わず自然体でいるという意味で、角氏の経営手法にもつながる。

阪急阪神ホールディングス社長 角和夫(3) 囲碁の段位の免状 – 日本経済新聞 (2015年9月30日)

囲碁と経営は似ているという人は多い。経営者として何か色紙に書いて欲しいと、たまに言われることがある。その際に書くのが「流水不争先」。囲碁の高川格先生(二十二世本因坊)が信条とした言葉だ。流れる水は先を争わない。奇手奇策を使わず自然体でいるという意味だ。

入社した頃からこの言葉を大切にしてきた。会社人生でも無理な手を打つとか、人をごまかすようなことをする必要はない。

知性の声はか細いが、聞きとどけられるまでは、黙すことはない

春秋. 日本経済新聞, 2025/ 4/18, 1面.

心理学者フロイトの「(欲動の力に比べ)知性の声はか細いが、聞きとどけられるまでは、黙すことはない」(「幻想の未来」中山元訳)という人類社会への信頼

篠田正浩さん

春秋. 日本経済新聞, 2025/3/29, 1面.

新鮮な才能の刺激で映画は生まれると、篠田さん[:篠田正浩]は振り返っている。

▼監督業を離れてからも、様々な角度で日本を眺め続けた。「米国は国益で動く。日本の味方というのは幻想」「21世紀を生き抜くには民衆同士の寛容と情報交換が要る」。10年ほど前の対談では、そんな警鐘を鳴らした。

篠田正浩 – Wikipedia

5ゲン主義

5現主義は三現主義に、原理・原則を加え、実施者に能力があることを要求したもの

・原理
  ・工学、数学、公理、法則、メカニズム

・原則
  ・原理によって生じる現象、経験則、定理、ルール、規則、規制、現場の固有知識

人口と、平均の価値

人数が多いことが強みになる環境においては、合格させることを重視している選抜(※)が実施され、平均点でも合格できます。

つまり、平均であること(:平均近くであること)に意味(:価値)があります。

  ※競争率1.15倍以下の選抜なら、上位87%以上が合格できるので、偏差値40 (-1σ)以上であれば合格できます。

しかし、現代日本において世代人口は団塊世代の人口より大幅に少ないです。1年あたりの出生者数は、団塊世代の4割程度です。

即ち、現代日本において、対世界で、人数が多いことが強みの支配的要素ではありません(「焼け石に水」)。よって、平均であることの意味が薄くなります。