近江の君

(4ページ目)『源氏物語』で「トイレ掃除だっていたします」と話して父・頭中将からバカにされた近江の君。常識に囚われない彼女を通じ、紫式部は何を表現したのか? 源氏物語の恋のことば100|教養|婦人公論.jp

また近江の君は、愛嬌(あいきょう)があると何度もいわれます。可愛らしいのです。

愛嬌は、愛敬(あいぎょう)で、もとは仏教語です。

愛と敬(うやま)い、情け深さや、優美さについてもいいますが、つまりは、心が閉じていないこと、オープンハートであることです。

近江の君のような人物は、しばしば厄介者としてうとんじられますが、じつはこのような人物こそが、停滞した社会を進展させる原動力になるのです。

具志堅用高さん

具志堅用高 – Wikipedia

輪島功一さん

輪島功一 – Wikipedia

野村 進 : 調べる技術・書く技術 (講談社現代新書, 2008) p.113.

[ボクシングの輪島氏の言葉:]
「あいつら、九〇メートルまではダッシュするけど、あとの一〇メートルは(力を抜いて)流すんだよな。おれは違うもん。一〇〇メートル全力でダッシュして、それから流す。たった一〇メートルの差だと思うだろ? ところが、これが積もり積もって、あとで効いてくるんだよ」
 この「一〇メートルの差」こそが、世界チャンピオンになれる者となれない者との分かれ目なのだと、彼は言いたかったにちがいない。

言葉の豊かであると、活用度が上がる

メルカリ「名前のわからないもの展」に“200点”集結 家庭に眠る66兆円の“かくれ資産”…価値の再発見が買い物体験を充実 東京・原宿|FNNプライムオンライン

メルカリによると、日本の家庭に眠る“かくれ資産”の総額は66兆円以上で、国民1人あたりでは、平均53万円にものぼり、名前の分からないモノも“かくれ資産”となる可能性を秘めているという。

メルカリ カスタマーマーケティングチーム・池田早紀マネージャー:
名前が分からないから出品しにくい。結果、家の中で眠ったままになるという意味では、“かくれ資産”になっているモノもある。すべてのモノには価値があることに気づいてもらい、家の中で眠っているモノがあったら循環させてみようと思ってもらえたらうれしい。

堤キャスター:
ーー商品名が分からないと、売買しにくいですよね?

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
マーケットプレイスを運営するメルカリにとって、一般消費者の売買を手助けする取り組みは重要です。

ビジネスのプロではない一般消費者の場合、名前が分からないと、うまく出品できず「売れない」、検索できないから「買えない」ことも多いはずです。

名前のわからないもの展|メルカリ【 公式サイト 】

権利の上に眠る者

春秋. 日本経済新聞, 2024/ 7/ 4 朝刊, 1面.

「権利の上に眠る者」という言葉がある。主張できるのに、しない者は不利益を甘受すべきだ。そんな戒めである。

執政者が自分から風刺を求める

【光る君へ】第25回「決意」回想 鴨川の治水に生涯悩まされた道長 白楽天から導かれるもの、紫式部と清少納言の違い 越前和紙で開眼?『源氏物語』でも紙にこだわり 美術展ナビ

全50編からなる白楽天の「新楽府」の最後を飾る「採詩官」です。どんな内容かといえば、「昔の天子は民間から詩歌を採集し、その歌声に耳を傾け、自らの戒めとした。ところが最近はその仕事を担当する採詩の官は設置されず、天子は媚びへつらう言葉ばかり聞かされている。民情をしかと把握しようとするならば、詩歌に風刺の言葉を求められよ」(明治書院「新釈漢文大系 白氏文集 一」から)といったものです。

光る君へ まひろが読んでいた詩 白居易 采詩官 – 新古今和歌集の部屋 [文字化けする漢字は、置換または[]囲みで字の形を記した]

 采詩官          采詩の官

采詩聽歌導人言。   詩を采り、歌を聴きて人言を導く。
言者無罪聞者誡、   言ふ者は罪無く、聞く者は誡め、
下情上通上下安。   下の情、上に通じて上下安んず。
周滅秦興至隋氏、   周滅び秦興りて隋氏に至るまで、
十代采詩官不置。   十代、采詩に官置かず。
郊廟登歌讃君美、   郊廟の登歌は、君の美を讃し、
樂府艷詞悦君意。   楽府の艷詞は、君の意を悦ばしむ。
若求興諭規刺言、   若し興諭規刺の言を求めば、
萬句千章無一字。   万句千章に一字も無し。
始從章句無規刺、   始めは章句に規刺無きが従(まか)せたるが、
漸及朝廷絶諷議。   漸く朝廷に諷議絶ゆるに及ぶ。
諍臣杜口為冗員、   諍臣は口を杜(ふさ)ぎて、冗員と為り、
諫鼓高懸作虚器。   諫鼓は高く懸かりて、虚器と作(な)る。
一人負[「戸」冠に「衣」]常端默、   一人、[「戸」冠に「衣」]を負ひて、常に端默(たんもく)し、
百辟入門多自媚。   百辟、門に入りて、多く自ら媚ぶ。
夕郎所賀皆德音、   夕郎の賀する所は、皆、徳音、
春官毎奏唯祥瑞。   春官の毎(つね)に奏するは、唯だ祥瑞。
君之堂兮千里遠、   君の堂は、千里遠し、
君之門兮九重[「門」構えに「必」]。   君の門は、九重に[「門」構えに「必」](と)づ。
君耳唯聞堂上言、   君の耳は、唯だ聞こゆ、堂上の言、
君眼不見門前事。   君の眼には見えず、門前の事。
貪吏害民无所忌、   貪吏は民を害して、忌む所无く、
奸臣蔽君无所畏。   奸臣は君を蔽ひて、畏るる所无し。
君不見厲王、     君は見ずや厲王、
胡亥煬帝之季年、   胡亥、煬帝の季(すゑ)の年、
群臣有利君无利。   群臣に利有りて、君に利无かりしを。
君兮君兮欲聞壅蔽達人情、 君よ君よ、壅蔽を開きて人情に達せんと欲すれば、
先向歌詩求諷刺。   先づ歌詩に向かひて諷刺を求めよ。

民主主義の手触り

春秋. 日本経済新聞, 2024/ 6/16 朝刊, 1面.

三宅玲子さんの「本屋のない人生なんて」は、そんな取り組みを追いかけたノンフィクションだ。

▼取材した書店には「民主主義の手触りが確かにあった」という指摘が印象に残る。思えば本屋というものは、その空間自体が多様な考え方や生き方を教える不思議な場所である。子どものころ、近所の本屋でオトナの世界をのぞいた人も多いだろう。