関心づくり×思考づくり×社会基盤づくり=未来づくり

神戸村野工業高等学校の生徒募集(2020年度入学)に、「ものづくり+ひとづくり=未来づくり」という言葉があります。「ものづくり+ひとづくり」は、未来づくり の一つの方法として、重要です。

翻って、本サイト 多様な未来製作所 では、どのようにして 未来づくり(未来作り)しようとしているのだろうと考えてみると、

 関心づくり × 思考づくり × 社会基盤づくり=未来づくり

になりました。

なお、両者は、対立関係にはなく、関連性をもった並立関係にあります:

・人づくりの先に、関心づくり・思考づくり

つくられた人 が、社会に対し、自分の状況・立場を超えた関心・思考をもち、それを発揮すること。

プロジェクト:
身近な未来プロジェクト

文章:
多様な未来製作所 本サイトについて、及び関連コンテンツ 実施事項(a)(b)

・ものづくり・ことづくりを俯瞰して見るに、社会基盤づくり

ものづくり・ことづくりを社会的に実現させている基盤を盛り立てる(整備、普及、維持、有効性を継続的に改善する)こと。

プロジェクト:
ネットの使い方博物館

文章:
多様な未来製作所 本サイトについて、及び関連コンテンツ 実施事項(c)
未来作りに関する私の考え(2018年7月)

ものづくり、ひとづくり、未来づくり

先日、電車の車内広告で、次の言葉に出会いました:

ものづくり+ひとづくり=未来づくり

神戸村野工業高等学校生徒募集(2020年度入学)の車内広告でした。

調べたところ、「ものづくり、ひとづくり、未来づくり」という組み合わせは、他でも言われていました:

「人づくり ものづくり 未来づくり展」のお知らせ | 多久市まちづくり交流センター あいぱれっと (佐賀県立産業技術学院のの学院生制作作品の展示会)

ものづくり 人づくり 未来づくり 大阪工業大学パンフレット(2012年4月)

名古屋工業大学 紹介動画”ものづくり・ひとづくり・未来づくり” : DJC動画広場

「ものづくり+ひとづくり」は、未来づくり の一つの方法として、重要です。

表現空間の魅力を削ぐ行為に対抗する

「ネットが社会を分断」は不正解、10万人の調査結果が明かす真相 | 47NEWS

 ネットの議論が分断されているように見えるのは、極端な意見ばかりが目につくネットの特性のためである。たとえば、憲法9条改正についてのネット上の書き込みのうち半分は、年に60回以上も書き込むヘビーライターがしている。ヘビーライターは全体のわずか0・23%しかいないのだが、年60回以上書き込むくらいであるから、政治的に強い意見の持ち主であり、かくしてネット上に見えるのは最強硬派の意見だけとなる。最強硬派ばかりであれば、罵倒と中傷ばかりになるのは至極当然の結果である。

 しかし、これは書き込む人が限られているからであり、ネットの利用者の意見全体が過激化し、分断されているわけではない。大半の人は自分と反対の意見に接し、むしろ穏健化している。ネットを使う若い人ほどこの傾向は顕著であり、時間がたつにつれてこの傾向は次第に広がっていくだろう。ネットによって自分と異なる意見と接し、相互に理解が深まっているとすれば、これはネット草創期の人々が期待していた姿である。ネット草創期の人々の希望はまだ死んでいない。

これを読んで、考えたこと:

デジタルな表現空間は、計算機によるフィルタリングによって、いかようにも答えを返します(情報探索は、結局のところ、未知の自分の探索)。

生の表現空間にアクセスできる限り、大きな声は、小さな声を掻き消せません。

ただし、恐怖(表現規制)等によって、表現空間の魅力が削がれ、これが大きな声の利益につながるおそれがあります。これに対抗する必要があります。

初出:
2019/12/ 8 のツイート

在野研究者

在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活 (Kindle版)の著者・荒木 優太 さんへのインタビュー:

 「僕は楽しいからそうする」。大学の外で研究する「在野研究者」たち|Torus by ABEJA

読むこと、調べること、話すこと、書くこと、話し合うこと、これらは決して特別な資格が必要な行為ではありません。自由にやればいい。

なのに、人はしばしば「自分は〇〇じゃないから」(〇〇にはたいてい所属とか肩書が入ります)といった自己検閲によって自身の「やりたい」を抑圧します。とてももったいない。

以前、「これからのエリック・ホッファーのために: 在野研究者の生と心得」を出版された方です。

荒木 優太 さんのYouTubeチャンネル

イチロー曰く、何かを感じようとする人間が大事

インスタントラーメン発明記念館の設立主旨

大阪府池田市にある 旧称・インスタントラーメン発明記念館(現称・安藤百福発明記念館 大阪池田 愛称: カップヌードルミュージアム 大阪池田)は、チキンラーメンの開発者・安藤百福の業績を記念し、「発明・発見の大切さを伝える」(ミュージアムについて | カップヌードルミュージアム 大阪池田)施設です。

旧称の「インスタントラーメン発明記念館」時代のWebサイトに掲載されていた「設立主旨」。

これは、館の設立当時に日清食品の代表取締役会長だった 安藤 百福 さん の目が確実に通った文章だと考えます。したがって、「設立主旨」は、血肉を持って重要な意味を持った文章だと考えます。

「設立主旨」原文を後に載せますが、その意味を読み取ると次になります。

・知恵は頭の中にある。立派な設備にあるのではない。

・時間をかければいいというものではない、大切なのは密度である。

・発想の源は、身近にある。発想する力、発想を高めて創造にする力を充実させていこう。

・七転び八起き。人生に遅すぎるということはない。

・人間にとって一番大事なのは創造力であり、発明、発見こそが歴史を動かす。

発明記念館とは|インスタントラーメン発明記念館 (waybackマシン)

発明記念館の設立主旨

1 研究や発明は立派な設備がなくてもできます。

なぜなら、知恵は頭の中にあるからです。時間をかければいいというものでもありません。大切なのは密度です。安藤百福は10年かけて温めてきた発想のヒントを、 1年間という短い時間の中に凝縮し、大きな発明を成し遂げました。

2 発明記念館は「ヒント館」でもあります。

小さな発想が大きな発明に結びついた一つの例を紹介しています。ここを訪れた子どもたちに、遊びの中に発明のヒントがあること、またすべての子どもたちにはその潜在能力があることを知ってほしいのです。この記念館が子どもたちの自由な発想と創造性の芽を育てる動機(モチベーション)になることを期待します。

3 決して人生を捨ててはいけません。

日本人は昔から七転八起という不屈の精神を称えてきました。人は苦境に立たされると思いがけない力を発揮するものです。安藤百福は失意の底から立ち上がり、48歳で事業を起こしました。 人生に遅すぎるということはありません。

4 インスタントラーメンのルーツを辿ると必ずこの発明記念館に辿りつきます。

日本の食文化における歴史的な記念碑(モニュメント)といえます。「人間にとって一番大事なのは創造力であり、 発明、発見こそが歴史を動かす」という安藤百福の熱い思いを、この記念館を通じて永遠に伝えていきたいと思います。

文章と儀礼が必要

人工物には、文章と儀礼が必要です。

この文章↓を読んで、思い出しました。

製菓業界を変えるオウンドメディアへ。THE BAKE MAGAZINEはテーマ新たに生まれ変わります | THE BAKE MAGAZINE

近藤:BAKEは、上場を目指して経営体制を変えました。だから、BAKEは成長を目指している。成長するために、いろんな人が、いろんなミッションで関わっているんですよね。多様なメンバーが同じベクトルを向ける状態をつくる。それがオウンドメディアならできるんじゃないかと思ったんです。

そう思えたきっかけは、新しく入社するメンバーが過去の記事を読んでくれていたことでした。彼らから、すでに中にいる人にとっては当たり前と化してしまっていたBAKEの「誇り」に気付かされることもあって。「誇り」を伝える記事を出さなきゃなって。

「誇り」ですか。

近藤:僕らは「お菓子を、進化させる」をミッションに仕事をしていて、入社するときは業界に対してインパクトをもたらそうと思っていた。それが、時間の経過とともにその価値を見失いかけていた。

弱者を勝手に代弁するという政治的手法

悪用厳禁、敵を知るために:

「弱者を勝手に代弁する人々」には適切な呼称がある – 法華狼の日記

正確には、勝手に代弁された弱者の呼称。インド出身のガヤトリ・C・スピヴァクが「自らを語ることができない者」を指す言葉として引いた「サバルタン」のことだ。

弱者は代弁されることで「サバルタン」という立場となり、その代弁されること自体によって発言力が封じられる。それと同時に代弁者は限りなく透明な存在となり、代弁を通して主張した内容の責任を回避する。

弱者を勝手に代弁することは、確率の概念の抜けによって生じる過度な恐れ (補足の引用を参照)によるものだけではありません。

  弱者は代弁されることで発言力が封じられる。代弁者は限りなく透明な存在となり、代弁を通して主張した内容の責任を回避する

という効果をもった政治的手法でもあることを知っておくべきです。

補足:
図書館戦争ドラマに、人の脳の性質を整理する

毬江の同級生達の思考には、確率の概念が抜けています。〈毬江が「レインツリーの国」を読んで傷つく〉に違いないと考え、〈毬江が「レインツリーの国」を読んで楽しむ〉確率が考慮されていません。毬江への感情移入によって〈当事者もどき〉になり、〈第三者〉として広い視野から確率の概念を持って、メリット・デメリットを分析することを拒否しています。

結果として、毬江の同級生達は、〈毬江が「レインツリーの国」を読んで傷つく〉ことを過度に恐れるに至りました。

研究をヒントにフィクション作品がつくられる

稲見 昌彦 : スーパーヒューマン誕生! 人間はSFを超える (NHK出版新書, 2016 〈底本はNHK出版新書(2016)〉) 位置No. 158/2390.

私のように、エンターテインメントやフィクションにヒントを得て研究が進むこともあれば、逆に研究をヒントにフィクション作品がつくられることもある。