イチロー曰く、何かを感じようとする人間が大事

インスタントラーメン発明記念館の設立主旨

大阪府池田市にある 旧称・インスタントラーメン発明記念館(現称・安藤百福発明記念館 大阪池田 愛称: カップヌードルミュージアム 大阪池田)は、チキンラーメンの開発者・安藤百福の業績を記念し、「発明・発見の大切さを伝える」(ミュージアムについて | カップヌードルミュージアム 大阪池田)施設です。

旧称の「インスタントラーメン発明記念館」時代のWebサイトに掲載されていた「設立主旨」。

これは、館の設立当時に日清食品の代表取締役会長だった 安藤 百福 さん の目が確実に通った文章だと考えます。したがって、「設立主旨」は、血肉を持って重要な意味を持った文章だと考えます。

「設立主旨」原文を後に載せますが、その意味を読み取ると次になります。

・知恵は頭の中にある。立派な設備にあるのではない。

・時間をかければいいというものではない、大切なのは密度である。

・発想の源は、身近にある。発想する力、発想を高めて創造にする力を充実させていこう。

・七転び八起き。人生に遅すぎるということはない。

・人間にとって一番大事なのは創造力であり、発明、発見こそが歴史を動かす。

発明記念館とは|インスタントラーメン発明記念館 (waybackマシン)

発明記念館の設立主旨

1 研究や発明は立派な設備がなくてもできます。

なぜなら、知恵は頭の中にあるからです。時間をかければいいというものでもありません。大切なのは密度です。安藤百福は10年かけて温めてきた発想のヒントを、 1年間という短い時間の中に凝縮し、大きな発明を成し遂げました。

2 発明記念館は「ヒント館」でもあります。

小さな発想が大きな発明に結びついた一つの例を紹介しています。ここを訪れた子どもたちに、遊びの中に発明のヒントがあること、またすべての子どもたちにはその潜在能力があることを知ってほしいのです。この記念館が子どもたちの自由な発想と創造性の芽を育てる動機(モチベーション)になることを期待します。

3 決して人生を捨ててはいけません。

日本人は昔から七転八起という不屈の精神を称えてきました。人は苦境に立たされると思いがけない力を発揮するものです。安藤百福は失意の底から立ち上がり、48歳で事業を起こしました。 人生に遅すぎるということはありません。

4 インスタントラーメンのルーツを辿ると必ずこの発明記念館に辿りつきます。

日本の食文化における歴史的な記念碑(モニュメント)といえます。「人間にとって一番大事なのは創造力であり、 発明、発見こそが歴史を動かす」という安藤百福の熱い思いを、この記念館を通じて永遠に伝えていきたいと思います。

文章と儀礼が必要

人工物には、文章と儀礼が必要です。

この文章↓を読んで、思い出しました。

製菓業界を変えるオウンドメディアへ。THE BAKE MAGAZINEはテーマ新たに生まれ変わります | THE BAKE MAGAZINE

近藤:BAKEは、上場を目指して経営体制を変えました。だから、BAKEは成長を目指している。成長するために、いろんな人が、いろんなミッションで関わっているんですよね。多様なメンバーが同じベクトルを向ける状態をつくる。それがオウンドメディアならできるんじゃないかと思ったんです。

そう思えたきっかけは、新しく入社するメンバーが過去の記事を読んでくれていたことでした。彼らから、すでに中にいる人にとっては当たり前と化してしまっていたBAKEの「誇り」に気付かされることもあって。「誇り」を伝える記事を出さなきゃなって。

「誇り」ですか。

近藤:僕らは「お菓子を、進化させる」をミッションに仕事をしていて、入社するときは業界に対してインパクトをもたらそうと思っていた。それが、時間の経過とともにその価値を見失いかけていた。

弱者を勝手に代弁するという政治的手法

悪用厳禁、敵を知るために:

「弱者を勝手に代弁する人々」には適切な呼称がある – 法華狼の日記

正確には、勝手に代弁された弱者の呼称。インド出身のガヤトリ・C・スピヴァクが「自らを語ることができない者」を指す言葉として引いた「サバルタン」のことだ。

弱者は代弁されることで「サバルタン」という立場となり、その代弁されること自体によって発言力が封じられる。それと同時に代弁者は限りなく透明な存在となり、代弁を通して主張した内容の責任を回避する。

弱者を勝手に代弁することは、確率の概念の抜けによって生じる過度な恐れ (補足の引用を参照)によるものだけではありません。

  弱者は代弁されることで発言力が封じられる。代弁者は限りなく透明な存在となり、代弁を通して主張した内容の責任を回避する

という効果をもった政治的手法でもあることを知っておくべきです。

補足:
図書館戦争ドラマに、人の脳の性質を整理する

毬江の同級生達の思考には、確率の概念が抜けています。〈毬江が「レインツリーの国」を読んで傷つく〉に違いないと考え、〈毬江が「レインツリーの国」を読んで楽しむ〉確率が考慮されていません。毬江への感情移入によって〈当事者もどき〉になり、〈第三者〉として広い視野から確率の概念を持って、メリット・デメリットを分析することを拒否しています。

結果として、毬江の同級生達は、〈毬江が「レインツリーの国」を読んで傷つく〉ことを過度に恐れるに至りました。

研究をヒントにフィクション作品がつくられる

稲見 昌彦 : スーパーヒューマン誕生! 人間はSFを超える (NHK出版新書, 2016 〈底本はNHK出版新書(2016)〉) 位置No. 158/2390.

私のように、エンターテインメントやフィクションにヒントを得て研究が進むこともあれば、逆に研究をヒントにフィクション作品がつくられることもある。

「クリエイティブな風土」からの発想

ABOUT SNAZZ β | 関西クリエイティブの可能性を探るウェブマガジンSNAZZ β(スナッズ ベータ) Twitter: @SNAZZ_BETA

関西がさらにクリエイティブな風土になることを目指します。

「風土」は、サブでないカルチャーの言葉。対して「クリエイティブ」は、どうしてもサブカルチャーの言葉です。「クリエイティブな風土」という言葉には、両者が結合されているという大きな意義があります。

「クリエイティブな風土」とは、静的に性質を捉えると「身近な新しさを持つ社会」であり、動的に性質を捉えると「サブカルチャーをカルチャーにする社会」なのでしょう。

以降は、次のTwitterスレッドのように思考しました:

記憶は虚無に勝利する

ステファヌ・クルトワ, ニコラ・ヴェルト=著, 外川 継男=訳 : 共産主義黒書〈ソ連篇〉 (ちくま学芸文庫, 2016) p.12.

「生は死に敗れるが、しかし記憶はその虚無との戦いにおいて勝利する。」
ツヴェタン・トドロフ〔ブルガリア出身の現代フランスの歴史家、哲学者、評論家〕『記憶の濫用』