専門家の数字は、全体を実現する

専門家は、数字を知っています。数字は「ハードポイント」であり、他の分野との接続点になり、より大きな全体を実現します。

関連:
事業を数字で表せれば、事業は意志決定者のカードになる

名詞

森 博嗣 : 幻惑の死と使途 (講談社文庫, 2000) p.510.

動詞を切り離して、目的物だけを抽象化することは、極めて難しい。名詞は言葉の中で、格段に高レベルな概念なんだ。名詞の概念を理解するためには、桁違いに高い分解能を有する頭脳が必要になる。人類だけがそのレベルに到達した。それが偉いとか、高等だといっているんじゃないよ。ただ、分解能が高い、ビットが多い、という意味だ。色を識別できるのも同じ理由だね。この高分解能に支えられた人間の思考だけが、名詞を作り出す。それは、概念を拡張したり、縮小したり、あるいは分解したり、統合したりして、次々に新しい言葉を作り出す。名詞の独立によって、動詞や形容詞は統合され、あるいは分化される。これが、組織化された言葉だ。人は、ついには、その名詞のために生きることになるんだ

@atene_gakudoログ 2018/09/26

RT @TAKAHIRO3IURA: ある調査によると、人間は動詞よりも名詞で動くらしいよ。
「加入してください」よりも「会員になってください」の方が獲得効率が高い。「寄付する」よりも「寄付者になる」方が選択効率が高くなる。
人間はなんとなく何かになりたいという気持ちを抱えているのかもしれないね。

Be Just And Fear Not. 正しくあれ、怖れるなかれ

私の履歴書 魚谷雅彦 (28). 日本経済新聞, 2025/ 7/29, 朝刊, 40面.

構造改革を検討する際、「本当にこの決断がいいのか」と何度も何度も自問自答した。「Be Just And Fear Not.(正しくあれ、怖(おそ)れるなかれ)」という新渡戸稲造の書を思い出し

「一瞥判断」と「情報は早く、行動は遅く」

知能=予測能力」に「いつ予測結果を発表し、行動に移す( アウトプット )のが最適であるか、という予測」と書きました。ここで、「一瞥判断」と「情報は早く、行動は遅く」を思い出しました。

両者は対極:

「情報は早く、行動は遅く」とは:

みずからの感性を大切に、歴史を愉しむ その2 直感を大切にしたチャーチルと、イギリス流行動学 – Executive Foresight Online:日立

山口
先生はご著書の中で、イギリスが選択や進路を決定する際の「知恵」として、「早く見つけ、遅く行動し、粘り強く主張し、潔く譲歩する」ということを書かれています。その一つ目の「早く見つけ」を実践するには、情報、インテリジェンスが不可欠であるということですね。

中西
その言葉は、近代イギリスの外交と国家戦略の特質を端的に表現したものですが、情報を早くつかんでいるからこそ、最適な機を見て行動することができたのです。しかも、必要であれば翻意も恐れないという知恵、行動学とも言えますが、それを実践することでイギリスは世界に確固たる地位を築いてきました。チャーチルもこの行動学を意識していたと思います。

よく考えるとその四つの要素は、「早く、遅く、そして粘り強く、潔く」と各々矛盾したことを言っており、表面上、逆説的で、すべてを実践するためには自己の強い心理的コントロールが必要です。それこそリベラルアーツに裏打ちされた自己陶冶つまり精神的な成熟がなければ、そのようなコントロールは難しいでしょう。

両者は同極:

一瞥判断と累積性。知的土木工事の必要性

知能=予測能力


NHK総合「知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?」2025/7/12放送より。

さて、放送を見た後、〈2つの予測があり、両者セットで意味をもつ〉と考えました:

1つ目は、対象状況の予測

2つ目は、いつ予測結果を発表し、行動に移す( アウトプット )のが最適であるか、という予測です。「拙速は巧遅に如かず」と言いますが、拙すぎるのも良くないです。

技術と経済の関係

未来作りに関する私の考え(2018年7月)に、

【1】社会に関する知の側面 と【2】社会に関する多様性の側面 は、【1】技術 と【2】経済 の関係です。両者の統合は、技術と経済が結ばれることです。

と書きました。この意味について解説します。

「【1】技術 と【2】経済 の関係」は、妹尾 堅一郎氏の著書のタイトル「技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか―画期的な新製品が惨敗する理由」が表していると考えます。

〈「天理」・「地理」・「人理」〉のフレームワークを充足することが必要です。

学者の社会に向けた主張は現状維持的になりがちである
「ニア・イズ・ベター」「Think locally」一般解と特定解

社会の問題解決能力を高める「知的ネット社会」を分かるための道しるべ

2010~2023年に書いた知性面からの未来作りに関するBlog記事等(19件。リストを本記事末尾に記す)を、GoogleのAIを活用した情報整理・リサーチアシスタントツール「NotebookLM」にまとめてもらい (←ここまでAI | ここから人力→) それからキーワード・キーフレーズを抜粋しました。

19件の記事群を理解する道しるべになると考えます。

* * *

4つエンジンの日本にしよう――知性強靱社会の実現のために #第1章 知的ネット社会に関する大系
「知的ネット社会」とは、多くの人々がつながり、持ち寄られた知性と、それを支援する装置によって、社会が問題を解決する能力を高める場です。

未来作りに関する私の考え(2018年7月)
大国高民・高民立世・超民連絡と多様性

伊藤博文の思想が、知的制高面の構築を後押しする
新しい時代には、新しい知の〈制度〉が必要です。

「知的ネット社会」構成者の心得
・社会はソルバーである。(ソルバーの一員として)〈空気〉を排せよ
・採集・分類・索引せよ
・思考せよ (創造するつもりで、思考せよ)
・表現せよ

知性強靱社会のための行動様式
(1) 個人の知性発揮
・できる限り客観的にとらえ、それを言語化する
・他人の気持ちになって考える
・頭の中で自分の考えた事柄を吟味してから発信する「書き言葉」的思考を身につける

(2) 知性の発揮に報いること

未来を開く極意――6年半の個人研究から得た4項目
〈環境・位置づけ〉・〈仕組み〉・〈心持ち・行動様式〉のフレームワーク

● NotebookLM に与えたURLリスト

主な文章 多様な未来製作所知的ネット社会 文章からリンクを張っている下記のWebページのURLをに与えました:

未来づくりのために

未来作りに関する私の考え(2018年7月)

よい未来を実現するには、どうしたらよいか

4つエンジンの日本にしよう――知性強靱社会の実現のために

大国高民論 2011年版

大国高民と高民立世・超民連絡

高民立世

天才・秀才が生き・活きる社会

超民連絡の見いだし

伊藤博文の思想が、知的制高面の構築を後押しする

伊藤博文の思想が、知的制高面の構築を後押しする

社会を知的にするための考え方

知的ネット社会の設計

知性強靱社会のための行動様式

「知的ネット社会」構成者の心得

日本を持ち上げる方法 知的ネット社会の形成!

特にこの行動を! 日本を持ち上げる、知的・社会的行動【2011/12】

知的ネット社会の一集中点に関するメモランダム

知的ネット社会を形成するための3思想

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〈環境・位置づけ〉・〈仕組み〉・〈心持ち・行動様式〉のフレームワーク

未来を開く極意――6年半の個人研究から得た4項目

『境界条件・支配方程式・初期条件』を重層化した、フレームワーク『〈環境・位置づけ〉・〈仕組み〉・〈心持ち・行動様式〉』

〈環境・位置づけ〉は、場の境界条件、
〈仕組み〉は、場の支配方程式、且つ構成者にとっての境界条件、
〈心持ち・行動様式〉は、構成者にとっての支配方程式

である。

この3項目は、『境界条件・支配方程式・初期条件』という既往のフレームワークを重層化し、場と構成者それぞれの境界条件と支配方程式を記述しており、新たなフレームワークとして利用価値に富む、と考える。(なお、ここで初期条件を言及していないことに、特別の意味はない。)

2024年の兵庫県知事選挙が持たせた実感と関心

2024年の兵庫県知事選挙では、ネットメディアの現実社会への影響力が大きく認識されました。個人に実感を持たせ、社会の関心になりました。

2009年に私は、次の文章を書きました:

結合点が重要

インターネットを使ってすべてのことができるわけではない以上、リアルな事物との結合点(乗り換え交通点)が重要である。

ウェブへの失望は、インターネット上の成果がリアル空間に役立っているように感じられないから生じる。結合点を整備して、出口を開ければ閉塞感がなくなる。

そして、知的ネット空間「アテネの学堂」 5つのリスト 2010年 8月に、次のように書きました:

「アテネの学堂」の定義は、「主にインターネットを介して知的で生産的な行為をする人々と、そのような行為を支援する仕組みなどの集合体」である、と私は考えます。

…  

私が考えるに、「アテネの学堂」の目的は、社会が問題を適切に解決する仕組みの一端を担うことです。

「アテネの学堂」の成立によって、社会が問題を適切に解決する仕組みが改良されます。

余談ですが、そのような改良行為がもつ性質は「善」である、と私は考えます。

ネットを使ってすべてのことができるわけではないので、役割を果たすためにはリアルな事物との結合点(交通の結び目)が重要です。結合点を通じて、「アテネの学堂」の成果をリアル社会の問題解決体系に提供し、リアル社会において役立たせるのです。

同ページには、結合点に関する図を載せています。

(「アテネの学堂」は、その後、「知的ネット社会」という言葉に言い換えている [参考: 「アテネの学堂」から4年が経った。そして、これから])

2024年の兵庫県知事選挙は、ネットの「リアルな事物との結合点」を認識させました。

同選挙に関しては、ネットメディアに関する様々な功罪の指摘があります(合わせて、大手メディアの姿勢に問題がありました)。

視野を大きくすると、ネットメディアの影響力に関する個人の〈実感を持った関心〉・社会の〈確固たる関心〉が生まれたこと(実績)は、大きな功です。得難い2つを得られたのです。これからは、そして これからも、ネットメディアを改善させていけばよいのです。

関連:
設計技術発展の方法(2) : 実機を作り、機能させる

技術者が作った実際に機能を果たす機械を目の当たりにして、科学者が研究に参画するようになる。

そのような科学者は、科学を大いに発展させ、加えて、設計者への科学の技術移転の橋渡し役を果たすようになる。

Jr.,John D. Anderson=著, 織田 剛=訳 : 空気力学の歴史 (京都大学学術出版会, 2009) p.340.

クッタ、ジューコフスキー、プラントルは飛行機に夢中になっていた。19世紀と比較すると何という違いだろうか。当時は、尊敬される学者達はいかなる飛行機との関わりを持つことも避けていた。その結果、19世紀には科学から動力飛行機の設計への技術伝達が全く欠けていた。
 学者達の考え方を変えたのは何だったのか。それはリリエンタールとライト兄弟の小さな実績であった。

ヘンリー・ペトロスキー=著, 中島 秀人・綾野 博之=訳 : 橋はなぜ落ちたのか―設計の失敗学 (朝日選書, 2001) p.110.

 数学者や科学者達が必ずしも思い出したがらない事実だが、技術の相当数はまず成功した後にその理論的理解が生まれたのである。もちろん古典的な例は蒸気機関であり、熱力学の工学が成立するはるか以前にそれは発明され、高度の信頼性にまで発展した。実際、動く蒸気機関という人工物自体が、その動作についての理論を呼び起こしたのである。