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【拡がれ関心】コインハイブ事件、高裁で有罪判決【2020/2/15】

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コインハイブ事件、東京高裁判決文

情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

不正指令電磁的記録に関する罪 問題

池澤あやかさんリンク集

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こんにちは、高木です。本日は、2020年2月15日です。

2月7日、東京高等裁判所は、いわゆるコインハイブ事件について、一審の横浜地裁による無罪判決を破棄し、有罪判決を言い渡しました。

兵庫県警が中学生などを家宅捜索の上 補導・書類送検した「無限アラート事件」と同様、罪状は、刑法第168条の2 及び 第168条の3 不正指令電磁的記録保管の罪、通称・ウイルス罪です。

2011年に刑法に追加されました。国会での審議時から、犯罪の構成要件が不明確だと問題視されています。成立にあたっては参議院で本項に関し、「政府は,本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである」から始まる附帯決議がなされています。しかし、恣意的な摘発が可能だとして問題視されています。

この後で紹介するインターネット番組『アベマプライム』内で、参議院議員 山田太郎さんは、条文を変えていかなければならない課題だと述べています。

このたび、ソフトウェアアエンジニア兼タレントの 池澤あやか さん が動かれ、 自身が出演しているインターネット番組『アベマプライム』にて2月10日、コインハイブ事件が取り上げられました。

この動画から、『アベマプライム』での取り上げと、私が以前に投稿した「無限アラート事件」に関する動画へリンクを張っておきます。

是非ともご覧ください。

不正指令電磁的記録保管の罪の問題への関心が拡がることを願います。

『AbemaPrime』での取り上げ

無限アラート事件


コインハイブ事件(Coinhive事件) (1/2)

自分の管理するWebサイトに「コインハイブ」スクリプトを設置し、閲覧者にその旨を知らせていなかったとして、不正指令電磁的記録に関する罪(通称・ウィルス罪)で 21人(2019年3月までに)が検挙。


コインハイブ事件(Coinhive事件) (2/2)

2018年3月に横浜簡易裁判所が罰金10万円の略式命令。

その内 1人の方が、これを不服として、2019年1月より裁判。

2019年3月: 一審・横浜地裁は無罪。

2020年2月(今回): 二審・東京高裁は有罪(罰金10万円)。
判決で、被害はなかった、とした。


不正指令電磁的記録保管の罪
(通称・ウイルス罪)

刑法 第168条の2 (不正指令電磁的記録作成等)
1. 正当な理由がないのに、人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
 (1) 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
 (2) 前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録


参議院議員 山田太郎さん Twitter: @yamadataro43

2019年の参議院選挙で比例区全候補者中 第3位の得票 54万票余り を集めて当選。

自由民主党。
「表現の自由を守る会」会長。


池澤あやか (いけあや)さん Twitter: @ikeay

フリーランスのソフトウェアアエンジニア、兼 タレント。『AbemaPrime』月曜日MC。

2006年、「東宝シンデレラ」審査員特別賞。同年、映画デビュー。
最近は、週3~4日 エンジニア業務。タレント活動は、上記以外に、NHK教育のスマートフォン講座の講師役や、NHKロボコンのネット配信での解説ブースMCなどでご活躍。」

自分の思っている以上にジャンル外の人はそのジャンルを知らない

メディアを選ぶ選択肢がある

教養がないことを「市民感覚」と言い換えるのはやめた方がいい

コンピュータは皆さんの未来の大部分を占めるようになります


バラク・オバマ アメリカ合衆国大統領。2013年。

コンピュータ・サイエンスのスキルを身につけることは、皆さん自身の未来のみならず
私達の国の未来にとっても、大事なことです。

新しいビデオゲームを買うだけではなく、
自分で作りましょう。

コンピュータは皆さんの未来の大部分を占めるようになります。

【面と連絡】「中田敦彦のYouTube大学」からの想起【2020/1/19】

こんにちは、高木です。本日は2020年1月19日、最後のセンター試験の2日目の日です。受験生の皆さんは、お疲れさまです。

さて、YouTubeでチャンネル登録者数が 100万人 を超えているといわれる、オリエンタルラジオの中田敦彦さん による「中田敦彦のYouTube大学」の動画を見てみました。

見て感じたのは、これが「学習の高速道路」の最新の動きであり、一般道から高速道路に上がるランプを敷いたんだな というものでした。

「学習の高速道路」は、2004年から実業家・梅田望夫さんが唱えた考えです。梅田望夫さんは、新潮社の雑誌「Foresight」2005年2月号に、「学習の高速道路」について次のように書いています:

「学習の高速道路」は良いことずくめにあらず:梅田望夫 | シリコンバレーからの手紙 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) (2005年2月号) (2020/1/19閲覧)

これでもかこれでもかと厖大な情報が日々インターネット上に追加され、グーグルをはじめとする恐ろしいほどに洗練された新しい道具が、片っ端からその情報を整理していく。いったん誰かによって言語化されてしまった内容は、インターネットを介して皆と共有される。よって後から来る世代は、ある分野を極めたいという意志さえ持てば、あたかも高速道路を疾走するかのように過去の叡知を吸収し、もの凄いスピードで「プロの一歩手前」くらいまで到達できるようになった。これが羽生さんの言う「高速道路の整備」の意味である。

なお、羽生さんとは、将棋の羽生善治 九段 のことで、「高速道路」という例えをしたのは 羽生さん が最初だとされています。

「中田敦彦のYouTube大学」は、「学習の高速道路」において、一般道から高速道路に上がるランプにあたり、物事を知った人を大いに増やすことで大きな貢献をするでしょう。物事を知った人が増えて、点ではなく、面の拡がりをもつようになるからです。

第3代アメリカ合衆国大統領 トーマス・ジェファーソン 曰く、
  国家の最大の防御は、教育された市民である

日本の国立国会図書館法 前文 に曰く、
  国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立つて、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される。

国立国会図書館法にいう「われら」とは、点ではなく面としての国民集団を指すのです。

さて、「中田敦彦のYouTube大学」には、先週から、ゴタゴタが生じています。歴史や宗教解説の動画に いくつかの誤りが指摘され、誤りを許容するか、しないか、という話になっています。

中田さんは人間であり、人間なので間違えます。

中田さんのエクストリームな解説は、喝采を呼ぶものですが、

19世紀のイギリスの思想家 トーマス・カーライル 曰く、
  真理は喝采では作れない

のであり、彼がおかした いくつかの誤りは、やはり誤りです。

視聴者が 指摘された誤りに気づき、判断して、誤りであれば誤りだと受入れればよく、一般道から高速道路上に上がった視聴者が高速道路を走り出せるか という問題になります。

「学習の高速道路」論での行き先は「プロの一歩手前」なのですが、そこまで突き進む視聴者はごくわずかでしょう。そうでなくても、中田さんの動画にプラスアルファできるかどうかが焦点になります。

ここで重要なのは、詳しい人と詳しくない人を連絡することです。

詳しい人と詳しくない人を分断することでは決してありません。世界は持ち寄るものであって、分けるものではありません。詳しい人と詳しくない人を連絡することが重要です。

専門家・詳しい人・詳しくない人が連絡されていること、これは 詳しくない人のみならず専門家にも益があります。

詳しくない人から、詳しい人になり、専門家になる人が出てくることでしょう。また、専門家は得体の知れない者にされることなく孤立せず、消耗されません。

最後に重要なことをまとめると、

・物事を知った人が増えて、点ではなく、面の拡がりをもつこと が重要

・詳しい人と詳しくない人を連絡すること が重要

です。

最後まで ご視聴いただきまして、ありがとうございました。

「高民立世」の考えは、関心づくり に繋がります

まず、「高民立世」の考え とは、以下です:

大国高民と高民立世・超民連絡

知的制高面に関し、

  ・高民立世は、高民層の広さと、立つ民を、
  ・超民連絡は、厚みと、高さ方向を結ぶ階段を、

明示的に与える。

4つエンジンの日本にしよう――知性強靱社会の実現のために

大国高民(たいこくこうみん)」とは、知的側面を強化した国民(市民)多数をもって大国(よい社会)を形成しようとする理念です。…

この理念を実体的に認識するために、2つの基本思想を挙げます:

「高民立世」(こうみんりっせ)
高民(=知的に高く または 広く、知性・知能を意識的に発揮し躍動する民)(多数)を世に立たせ、高民(多数)によって世を立たせます。

「超民連絡」(ちょうみんれんらく)
社会が天才・秀才ばかりである必要はありませんが、天才・秀才が生き・活きる社会であるべきです。

そのために、天才・秀才の思考(の一端)が共有されるべきです。それは、天才・秀才と一般能力者の架け橋になり(天才・秀才を得体の知れない者にしない)、且つ社会に天才・秀才を補給する後方連絡線となります。これによって、天才・秀才は孤立せず、消耗されません。

「大国高民論」に挙げた「知的制高面」をコンセプトとする場が継続的に存在・活動し、確固として認識されることが必要です。

さて、ここから本題。

「高民立世」の考え の「立つ民」は、

  外から見ると、発信・活動する民を指しますが、

  「立つ民」(個人) の内側から見ると、関心をもった民を指す

のだと気づきました。

「高民立世」の考えは、関心づくり に繋がります。

関連:
関心づくり×思考づくり×社会基盤づくり=未来づくり

「関心」論のはじまり:
私論「ウォンバット市」が目指すところ

私が考えるに:

「ウォンバット市」が目指すところは、ウォンバットと〈ウォンバットが象徴する事柄〉を、それが豊かな池田市に関する実感(知名度と、池田市に行くことができるという認識)を根拠にして意味あるものと社会に認識させ、それを社会の確かな関心にすることである。

池田市は、ウォンバットを護るとともに、〈ウォンバットが象徴する事柄〉への関心を護るのだ。