答えはひとつ だけじゃない
未来はひとつ だけじゃない
夢はひとつ だけじゃない
ご出演は、上白石 萌歌 さん (上白石姉妹の妹さんの方)。
多様な世界を作るには、活動・発信するファンが重要です。
なぜならば、人は、複数の他者に薦められると、行動・消費をすると言われているからです。これにより、多様な達人・生産が、社会的に成立するようになります。
吉田 尚記, 石川 善樹 : どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた (KADOKAWA, 2017〈底本はKADOKAWA (2017)〉) 位置No. 1362/2147.
石川 またちょっと違う話になりますが、人は3つくらいの別々のコミュニティから「これがいいよ」と聞くと、そこに乗っかる可能性が高いんじゃないかと僕は思っています。人っていうのは最低3つぐらいの情報源がないと、意思決定できないのかもしれない。これはまだ仮説ですが。
吉田 たとえば「この曲がいいよ」ってまったく違う3人から聞くと、ってことですよね。職場の同僚と、家族と、近所の人とか。
石川 そうです!
吉田 最近、音楽業界の人がみんな言ってるのが「アニソンは売れる」。今の話とつなげて考えると、その理由が腑に落ちます。アニメは、作品のファンと主題歌を歌うアーティストのファンをすでにもっているから、さらにもう一つ何か乗っかるメッセージを獲得すると、3つの違うコミュニティに響きやすいわけですよね。
平成三十年元日です。関西は、日が暖かな晴れの日です。
平成の「ハタチ」の年であった 2008年から10年が経ち、今年は平成最後の丸1年ある年になります。
昨年末(2017年12月31日)のNHK紅白歌合戦は、現在の時局を表わしているように思えます:
(1) 郷ひろみと大阪府立登美丘高ダンス部のバブル風ダンスとのコラボレーション
バブリ~登美丘高ダンス部、郷ひろみとコラボ/紅白 – 音楽 : 日刊スポーツ
現在は、〈バブルなもの〉(:拡大的)でもなく、その後にあった〈反・バブルなもの〉(:凍結)でもありません。だから、〈バブルなもの〉を第三者的に見ることができるのです。
また、バブル期に日本に導入された数々の文化(食べもの等)は、日常になりました。バブルは消化され、血肉になったのです。
日本社会は、バブル、そしてその後の数々の情勢変化・技術革新を取り入れ、現実の永続的再調整を成功させています。
(2) メンバー3人が倒れた 欅坂46 パフォーマンス
欅坂46の3人が倒れた!内村光良とコラボ中/紅白 – 音楽 : 日刊スポーツ
現実の永続的再調整には、調整されていない事柄もあります。我々の目に見えない限り、調整されません。
欅坂46のメンバー3人が倒れたことは、人間の限界の存在を目に見えるものにし、新たな調整のひとつの始点になることでしょう。
(3) Perfumeの渋谷のビル屋上でのステージ
Perfumeのステージは、渋谷のビル屋上で行われ、渋谷のビルの明かりが照明になるような演出(合成でしょう)がされました。
追記(2018/ 1/ 6): #紅白歌合戦2017 のPerfumeの演出が自然すぎて凄さが伝わらない「VRとMRを重ねてるのか」「途中でLIVEが消えてる!」 – Togetter
それは、アニメの世界のようでありました。
世界は、確実に進んでいます。
身近な新しさは、未来を感じさせます:
木本 正次 : 東への鉄路―近鉄創世紀 (講談社, 1974) p.282.
近鉄(近畿日本鉄道)は、1947年(昭和22年)10月8日から、大阪-名古屋間に座席指定の特急車の運行を開始した:
佐伯[:当時の近鉄の専務 佐伯 勇。後に、社長・会長・名誉会長。] のその考えは、次第に理解され、賛同されていった。あの荒涼たる時代に、国民はみな夢が欲しかった。いずれは豊かな社会に戻る――その『夢』が、いま現実に目の前を走っている。次第にそう共感してくれる人がふえた。
当時、国鉄にも各私鉄にも別の豪華電車があり、近鉄では奈良線の全線と大阪線の上本町ー恩智間を走っていた。それは占領軍の専用列車で、それこそピカピカの電車に乗客はごくまばらであった。ぼろぎれのおむつを窓という窓に干し並べた古長屋のような板ぎれ電車が走る中で、この特別車の見事さは敗戦国の象徴そのもので、すべての国民の憎悪と嫉視の的になった。それはこれらの電車が、日本国民とは全く断絶した存在で、未来の夢にはつながらないからであった。どんなにその電車が豪勢でも、また頻発されても、占領軍の使用人以外の日本人には永久に無縁のものだったのである。
これに対して、名古屋行きの特急車は『自分たちのもの』であった。最初のダイヤでは一日僅かに二往復で、時間も四時間三分もかかったが、それでも日本の交通機関の『あす』を指さすものであった。
多様性の代表的な例として、国際社会があります。国際社会をつなぐ外交の場における規則を外交儀礼(プロトコール)と言います。
多様性な国際社会を実現させているのは、規則である外交儀礼なのです。
敬語やドレスコードも同様です。
目上の人に、その人の意見とは異なる意見を言うことができるのは、敬語があるからです。
ドレスコードさえ守っていれば、あなたがどんな人でも、身辺調査されずに、高級なレストランに入店できます。
さて、外交儀礼や敬語、ドレスコードは、比較的 画一的です。そして、緊張を和らげる効果はあるものの、内容に意味はありません。敬語は単に言葉の置き換えだと考えられますし、ジャケットを羽織っていなくても、そのレストランでの代金を支払える客であることは明らかでしょう。
しかし、それ自身が画一的であるが故に、意味のある部分において多様性を実現させていることに、意味があるのです。しかし、それ自身に、意味のある内容はありません。
多様性を実現させるために画一性は必要です。ただし、
・その画一性に、内容の意味はないこと、
・その画一性に囚われて、内容の多様性を損なうことがあってはならないこと
を肝に銘じるべきです。
2ヵ月ほど前ですが、深夜、NHKで放送されていた、将棋を題材にした「3月のライオン」を見て、以下を思いました:
複数の人々(意思決定・行動単位)による行動の連続と相互作用が、未来をつくるのです。
これは、答えがない状態で、よりよい解を得るための手段です。得られるものが大きいぶん、必要なエネルギーが大きいのです。
補足:
複数の人々(意思決定・行動単位)の行動の連続と相互作用とは、即ち、闘争です。
マルクスは、「全歴史は階級闘争の歴史」と書きましたが、少なくとも「全歴史は闘争の歴史」であることは、正しいです。
マルクス, エンゲルス=著, 大内 兵衛, 向坂 逸郎=訳 : 共産党宣言 (岩谷文庫, 2007) p.10. (エンゲルスによる「1883年ドイツ語版への序文」)
したがって(太古の土地共有が解消して以来)全歴史は階級闘争の歴史、すなわち、社会的発展のさまざまな段階における搾取される階級と搾取する階級、支配される階級と支配する階級のあいだの闘争の歴史であった。
新しさを振りまくことが必要です と書きましたが、古さは悪ではありません。
古さは、
(1) 新しさの発想の元
であり、
(2) 新しさの実現可能性を高めるもの
です。
文学作品・芝居・映画やアニメーションなどの映像作品において、古さは (1) になります。
古さに関する権利を一定期間独占する権利が著作権で、一定期間の後は誰でも自由に利用できるようになります。
古さを利用するための設備が、図書館 です。
製造物において、古さは (1)であり(2) になります。
古さに関する権利を一定期間独占する権利が特許で、一定期間の後は誰でも自由に利用できるようになります。
古さを利用するための設備が、産業技術博物館や産業遺産 です。
上記に関するネット上の活動として、文学作品・芝居・映像作品においては 青空文庫 さんの活動が知られていますが、製造物においては あまり知られていません。
多様な未来社会の実現には、ファブ施設や家庭用3Dプリンタなどによって多様な製造物が作れることが、一翼を担うと考えられます。
必ずしもネットにこだわる必要はないのかもしれませんが、多様な未来社会においてネットの役割が大きいことは想像できるので、製造物の古さに関するネット上の活動の発展を考えようと思います。このブログでも対象にします。
なお、takagi1.net では、ネット上の産業技術博物館として しくみの発達博物館 というサイトを運営しています。
2017年11月3日(文化の日)に Twitterアカウント「知的ネット社会チャンネル」 @atene_gakudo は、「多様な未来製作所」に名称を変更しました。また、プロフィールも変更しました:
多様な未来製作所
https://twitter.com/atene_gakudo
プロフィール:
現在よりも多様な、よい未来を作るためにツイートします。テーマ: 新しさあふれるニュース、整備されていくインフラ、自作、知的なネット、知的な市民。 旧: 知的ネット社会チャンネル。中の人は、@takagi1
アカウントの @atene_gakudo は、ラファエロが描いたバチカン教皇庁の「署名の間」の壁画「アテネの学堂 (アテナイの学堂, Scuola di Atene)」から来ています。
多数の哲学者を一同に描いた「アテネの学堂」は、「知の多様性を表現した」といわれていますので、名称変更後でも意味を持ち続けます。
* * *
今回の変更では、テーマについて、以前からの「知的」に、「物・製造」・「インフラ」を加えました。そして、これらの目的を「現在よりも多様な、よい未来を作る」としました。
ここからは、これらに関する私の思想、及び思想の元になった重要文を列挙します:
● 前史
『私の「後に続く者たちが、我々よりも苦しまない世の中のために」という人生の目的』
● 知的
『制高点の人工的創造』『技術で作る制高』
『点と線』(=「線」の「点」に対する優位)
―― 堀 栄三 : 大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫, 1996)
上記事項は、次項の私の思考を生みました:
『技術による制高面の創出』
―― 技術による制高面の創出
『超民連絡は、〈社会が天才・秀才ばかりである必要はないが、天才・秀才が生き・活きる社会であるべきであり、そのために天才・秀才の思考(の一端)が共有されるべきである。これによって、天才・秀才は孤立せず、消耗されない〉という思想です。』
―― 超民連絡の見いだし
『私 TAKAGI-1 は、知に関する社会の仕組みを、以下の図のように捉え、』
● 物・製造
『「技術が社会を変える」(=技術決定論)』
―― 濱野 智史 : アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか (NTT出版, 2008) p.330.
『こうして、「先端技術で社会問題を解決する」という思想的背景をもった活動であっても、完成済みの「コンピュータ」をただ配るだけの支援では限界があることがはっきりしました。重要なのは、現場で、使用者自身が、その場やその人に合うようにテクノロジーを再編集できるための「施設(拠点)」だということがようやく分かったのです。』
―― 田中 浩也 : SFを実現する 3Dプリンタの想像力 (講談社, 2014〈底本 講談社現代新書(2014)〉) No.984/2694.
● インフラ
『新幹線システムを作っている/作った多くの人々のなかにおいて、一部の人間が極めて大きな働きをしたことも確かである。… このような人々は「後に続く者たちが、我々よりも苦しまない世の中のために」的な仕事をしたと考える。私はこのような人々を目指したい』
『カール・マルクスはさらに、彼の初期的な著作の中で交通インフラの重要性を包括的に論じている。… 交通インフラの有り様が、人々の「交流」すなわち、「コミュニケーション」のあり方を規定し、その人々の交流・コミュニケーションの有り様によって、ありとあらゆる上部構造(社会、経済、文化、宗教など)が決定されていく、と論じたわけである、』
―― 藤井 聡 : 超インフラ論 地方が甦る「四大交流圏」構想 電子書籍版 (PHP研究所, 2015〈底本はPHP新書(2015)〉) 位置No. 256/2339.
● 現在よりも多様な、よい未来を作る
『進化の本質は、多様性を生み出すことにあると思ってます。多様性が生まれると、みんながそれぞれ生活できるんです。今の社会も、そういう意味での多様性がどんどん生まれている。リア充ではなくてもオタクコミュニティではやっていけるとか、いろいろあるじゃないですか。』
―― 吉田 尚記, 石川 善樹 : どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた (KADOKAWA, 2017〈底本はKADOKAWA (2017)〉) 位置No. 1061/2147.
この文は、スティーブ・ジョブズの、スタンフォード大学卒業式(2005年)のスピーチにいう「点と点を繋ぐ」ものでした。
「現在よりも多様な、よい未来」を接着剤として、「知的」・「物・製造」・「インフラ」が、くっついたのです。
[LA.nofollow.Entry]