社会に友好的な あらゆる活動に必要な意識

奥本 素子 : 科学技術コミュニケーター養成教育がもたらす科学技術コミュニケーション意識の変容. 科学技術コミュニケーション, 24 (2019) pp.17-30. 本文

この論文に書かれていることは、科学のみならず、社会に友好的な あらゆる活動に必要な意識であると考えます。

表1 SC [:科学技術コミュニケーション] 活動への意識の項目

PUS [:公衆の科学理解]

 市民に正しい科学技術知識を伝えるために重要である.

PAS [:公衆の科学意識]

 科学や技術の魅力を伝え,科学技術に興味や関心を持ってもらうために重要である.

PES [:公衆の科学関与]

 社会で科学をどう活用するのかといった政策にかかわることを市民とともに考えていくために重要である.

PPS [:公衆の科学参加]

 科学活動において,市民の参加を増やすために重要である.(例:市民と共に研究計画を立てる,市民にも論文のレビューをしてもらう,など.)

異文化コミュニケーション

 科学者と市民がお互いについて知り合うために重要である.

科学の市民理解

 科学者や科学技術コミュニケーターが市民を理解するために重要である.

アカウンタビリティ

 科学的成果を公表することで,納税者への説明責任を果たすために重要である.

時代を追うにつれ,SC 活動は科学を発信する活動から,社会のステークホルダーと共に科学について社会や生活を「つくる」,「いかす」取り組みや,それを発展させたステークホルダーとの共創が重視されるようになった.第5期科学技術基本計画(平成 28~平成 32 年度)においては,科学技術コミュニケーター自身が研究のアウトリーチを担うだけでなく,多様なステークホルダーが双方向に対話,協働できるような場をつくることへの期待が記され(内閣府 2016),多様な人々と双方向にコミュニケーションを行う対話能力と,多様な人々を SC に参加してもらい様々な観点から政策決定や知識創造へつなげていく参加の場を設ける能力が求められている.これまでSC の活動の一翼を担っていた発信型の SC と区別するため,本稿では多様なステークホルダーとの対話,彼らの参加から実現する SC を対話・参加型の SC と呼称する.

発信側は今でも一方向的な発信が必要であると考えているとされている(Miller 2010; Baseley et al. 2013).その背景には,発信側が持つ市民に対する不信(Davies 2008)や曖昧な市民像(Helveticum et al. 2003),反対意見に対する不安(Younget al. 2007)といった意識があるとされており,

 SC において対話・参加型コミュニケーションの重要性が認知されたのは,イギリスで狂牛病や遺伝子組み換え問題による国民との対立により,科学技術に対する国民の「信頼の危機が報告されたことを契機とする(UK House of Lords 2000).それまでイギリスでは,Public Anderstand of Science(以下,PUS)という「公衆の科学理解」を目的に SC が実施されてきたが,この報告以降,対話・参加型 SC に移行することとなり(Parliamentary Office of Science and Technology 2001),その流れを受け欧州では SC の対話・参加路線への転換がはかられた(Einsiedel 2008).[“Public Anderstand of Science”は、“Public Understand of Science”の誤植だと考えられる]

 知識を伝達することが中心の SC から,対話・参加路線へと切り替わったことにより,SC の視座はより拡大することになった.SC が不信感といった感情的な要因で専門家と市民との間に溝が生まれることが明らかになると(Wynne 1992),「公衆の科学意識」,Public Awareness of Science(以下,PAS)と呼ばれる,より感情に寄り添い,不安や無関心を改善するようなコミュニケーションの必要性が唱えられた(van der Sanden et al. 2008).また,参加型で対話的にコミュニケーションを行うため,積極的に市民をコミュニケーションに参加させる,「公衆の科学関与」,Public engagement with Science(以下,PES)への注目が集まった(McCallie et al. 2009).加えて,市民を直接科学活動に参加させる「公衆の科学参加」,Public participation in Science(以下,PPS)も検討されるようになった(Bonney 2009).Van Der Auweraert(2005)は,リスクコミュニケーションのモデルを下敷きに SC の段階を双方向性の度合いを基準として,PUS,PAS,PES,PPS と振り分けていった.Trench(2006)や Bucchi(2008)によると,PUS から PAS,そして参加型の PES,PPSの順で対話の段階が深くなっていくとされている.

 対話型モデルが精緻化される一方,SC 自体が科学の文化,市民の文化を理解する異文化コミュニケーションであるという見方も出てきた(Wynee 2006;加藤 2009).また,前述したように,科学者が市民を理解することが欠如モデル的コミュニケーションからの脱却の一つの大きな要因だと考えられており,科学者側が市民に対し理解を発展する必要が指摘されており(Yearley 2000; Young 2007),科学の市民理解(Scientific Understanding of Public)という観点も SC においては重要な観点だと指摘されている(Royal Society 1985).

ツッコミは簡単。ボケが難しい

2019年1月2日のEテレ「平成ネット史(仮)」(前編。後編は翌1月3日放送)での、堀江 貴文 さんの発言:

アホを笑かす賢は真の賢」ということでしょう。

デレク・シヴァーズ氏の講演「社会運動はどうやって起こすか」における”フォロワー”(1人で飛び出したときに追随する2人目)も重要ですが、一番に重要なのは、1人目です。

預言は実行される

「serial experiments lain」第5話

5:58~

出来事は、預言があって初めて現実化するの。


9:29~

預言は実行されるんだ、玲音。

歴史というのはリニアに流れている時間軸上にて、ただ点として通過されるものではないんだ。

それらは全て、線で繋がっている。
いや、繋げさせられている、といったほうがいいかもしれない。

そして、預言が、預言なのか予言なのかは、区別が付きません。

燃料電池列車「Coradia iLint」、ドイツで営業運行開始

燃料電池列車「Coradia iLint」が、ドイツのニーダーザクセン州にて、2018年 9月17日から、燃料電池列車として世界で初めて営業運行を開始しました:

World premiere: Alstom’s hydrogen trains enter passenger service in Lower Saxony | Alstom (2018/ 9/16)

水素エネルギーに関する情報収集には、2000年のニュースから検索できる「水素チャンネル」をお使いください:

 水素チャンネル ~水素エネルギー・燃料電池に関する情報を収集・配信~

集客とストーリー形成は、文化のために大事

技術が文化を創る


15:40~

フランスの寝台列車「ル・トラン・ブルー」。

木製客車が、金属製客車に置き換わることにより、生じた強度の余裕によって内装が豪華になり、また 連結車両が増えて、設備が充実しました。

これによって、上流階級が乗車するようになり、“走る社交場”になりました。この列車を舞台にした文学・芸術作品が数多くつくられました。

「つくる」行動ができることをノブレスだと考えよう

「つくる」行動のための動機(それが無意識なことも多々あります)や技術は、当たり前に存在するものではありません。

よって、“ものづくり”にしろ、“ことづくり”にしろ、あなたが「つくる」行動をするならば、それは誇りに思ってよいのです。

あなたが「つくる」行動ができるに至るまで育ててくれた社会に感謝すべきです。ノブレス・オブリージュとして、義務の意識を持って、「つくる」行動を社会に還元すべきです。

不特定多数の子供に、最高に触れてもらう


この動画は「ドラゴンボール」シリーズを編集したものですが、改めて見ると すごい表現です。これを、我々世代の、当時の子供は見ていたわけです。

子供に、そこまで手の込んだ表現を見せる合理性は有ったのか、ということを考えた私の結論は、「有る」です。

不特定多数の子供に、最高の表現に触れてもらうことが、表現の発展を実現する比較的確実な方法だからです。

初出:
Facebook 2018/11/25

大阪万博を勝手に想像、リアル-バーチャル連続の実装

2025年の大阪万博開催が決定されました。

テーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」

サブテーマは、「多様で心身ともに健康な生き方
持続可能な社会・経済システム」

なのですが、サブテーマの『次善』を考えると

「心身が健康」でなくとも可能な
「多様な生き方
持続可能な社会・経済システム」

になります。「心身が健康」は、拡大的に解釈して、様々な制限・障壁がない状態だと考えます。いくら心身ともに健康な人でも、同時に2ヶ所に存在できない、これも制限・障壁です。

このように捉えたときに浮かび上がる言葉があります。

 『バーチャル』

です。

大阪万博の一つの方向性として、バーチャルの実装が想像できます。

全てをバーチャルにしてはリアルな会場の意味がないので、せっかくだから深い体験が予想できるリアルとバーチャルが共存する会場は、いかがでしょうか。リアル会場そしてバーチャル会場が連続し、リアルな主体とバーチャルな主体が共存する。

さて、ここ最近、バーチャルYouTuber関係の情報収集をしていましたが、情報活用のため、2018年11月23日に

 バーチャル分野研究室
 http://takagi1.net/v/index.html

を立ち上げました。立ち上げ作業をしつつ考えたことは、バーチャルは、単なるオーディオ・ヴィジュアルの世界の言葉ではなく、超重要な可能性をもった概念であるということです。

初出:
Facebook 2018/11/24