知性の目的は、破滅の回避

弱者を抹殺する。不謹慎な質問ですが、疑問に思ったのでお答え頂けれ… – Yahoo!知恵袋

アマゾンのジャングルに一人で放置されて生き延びられる現代人はいませんね
ということは、「社会」というものが無い生の自然状態に置かれるなら、人間は全員「弱者」だということです

その「弱者」たちが集まって、出来るだけ多くの「弱者」を生かすようにしたのが人間の生存戦略なんです

だから社会科学では、「闘争」も「協働」も人間社会の構成要素だが、どちらがより「人間社会」の本質かといえば「協働」である、と答えるんです
「闘争」がどれほど活発化しようが、最後は「協働」しないと人間は生き延びられないからです

上記を読んで思索したこと:

知性の目的は、破滅の回避です。

表面的なコスト削減は 知性の発露のひとつですが、破滅への道を断つことが最も尊い知性の発露なのです。

例えば、戦いの敗北では、軍は壊滅しません。壊滅するかしないかは、如何に負けるかにかかっています:

クラウゼヴィッツ=著 篠田英雄=訳: 戦争論 (中) (岩波書店, 1968) pp.21-22.

 勝者はこの時機を利用して、物理的諸力の破壊による本来の利益を獲得せねばならない。こうして得たところの利益だけが、確実に勝者の有に帰するのである。

… 会戦中の損失は、多かれ少なかれ勝者と敗者とに共通である、しかし会戦後の損失はそうではない。この損失は、通例は敗者の側だけにあり、或は少なくとも敗者の側の方が莫大である。