知的ネット社会は多様性を強みにもち、リアル社会に多様な思想を提供する

知的ネット空間「アテネの学堂」 5つのリスト 2010年 8月

知的ネット社会を形成するための三思想
 
(1) ネットの使い道のひとつは、問題を解決することである。
(2) 言論・表現の自由を尊重する。
(3) 知的ネット社会は多様性を強みにもち、リアル社会に多様な思想を提供する。

強みと役割 : 知的ネット社会は多様性に強みをもち、リアル社会に多様な思想を提供する  

ネットの強みに、その分散構造と表現技法に対する制限の少なさから生ずる「多様性」があります。

しかし、強みを役割につなげなければ、その強みは評価されません。「やれること」(強み)かつ「やらなければならないこと」(役割)が「仕事」であり、「仕事」の結果によって評価されるのです。

ネットを使ってすべてのことができるわけではないので、役割を果たすためにはリアルな事物との結合点(交通の結び目)が重要です。結合点を通じて、「アテネの学堂」の成果をリアル社会の問題解決体系に提供し、リアル社会において役立たせるのです。

まとめると、

「アテネの学堂」の産物は多様な思想であり、結合点を通じてそれをリアル社会に提供する。

さらに、

この貿易を通じて、「アテネの学堂」は役割を果たすものとして評価され、存在価値を高め、主体性を高める

のだ、と私は考えます。

なお、引用下部の「結合点」について、現在の考え方を 以下に書きます:

知に関する社会の仕組みにおいて、
(D)「ONの市民」 (及び、その中の「知的ネット社会」)が、一つの固まりとしてだけ存在するのではなく、全ての隙間に入りこみ、全てをつなぐように存在する
ことによって、「結合」される、と 考えています。

世界は持ち寄るものであって分けるものではない

リケ女とダイバシティー、世界は持ち寄るものであって分けるものではない

ダイバシティーにおいて実際には、「人種・国籍・性・年齢は問われる」のだ。ただ、それが不利に扱われることはなく(多様性の受容)、また有利に解される(多様性の重要視 *)。

さて、『科学者に「女子」の冠つけないで 讃えるようになれよ この国』。

これは、条件を付けて褒めるな、ということである。

世界は持ち寄るものであって、分けるものではない。

日本のインターネットをポジティブにする2つの言葉

2018年2月末、2つの記事が相次いで公開されました。どちらも、日本のインターネットでは「炎上」「アンチ」現象が起こりやすい、と書いています:

負の気持ちでしかつながれない日本はインターネットの使い方を間違えている|「自分を仕事にする生き方」がこれからのスタンダードになる 宇野常寛×はあちゅう|cakes 2018/ 2/26

宇野 …日本のインターネットが、「叩いていい」というサインが出た人間に石を投げるというだけの暇つぶし文化になっちゃったのはやっぱり問題じゃないですかね。人間の負の部分を増幅して、卑しい人間が気晴らしできるものになりすぎてしまった。…

はあちゅう いっぽうで、応援してくれている人は意外と表に出てこない。応援している人は、まさかアンチがそんなにいると思ってないから、積極的に応援の気持ちを表明してくれない。

SNSは、誰かを袋叩きにするための場所?それとも、社会を変えていくための武器? | milieu 2018/ 2/27

ただ、「ネット発で有名になること」と「炎上」は、もう密接に絡みすぎているし、多くの人がネットにストレスをぶつける習慣を持っているから、何か失態があれば、すぐサンドバックのように叩かれてしまう。あと、そうして誰かが袋叩きにされる様子を見て、なかなか率直な声をあげられない人も沢山いる。

ちなみに、後者の記事は、「ポジティブで明るいインターネット」として海外の事例の紹介に続いていきます。
 
 
さて、日本のインターネットをポジティブにする。  そのために、日本のインターネットでは「炎上」「アンチ」現象が起こりやすいことを、ネットユーザみんなで共有すればいいのでは(傾向が分かれば、対策を打てる) と、まず考えましたが、私の思考の行きついた先は、次の2つの言葉でした:

 (1) 下手なら行儀よくやれ

 (2) 創造力は無限ではない、貴重である

(1)(2)は両方とも、ネットだけでなくリアルにも適用できる言葉です。社会の確かな関心(:限られた日々の時間の中で、少ない時間であっても、いくらかの思考時間をあてるテーマ)にするには、世界の半分を占めるリアルにも適用できる言葉である方が効果的です。また、リアルとネットの分断を避け、結合に導くことができます。

(1) 下手なら行儀よくやれ は、「炎上」「アンチ」な ふるまいを自制し、「ポジティブで明るい」ふるまいにつながります。

(2) 創造力は無限ではない、貴重である は、なんらかの行動をした人に対して、「炎上」「アンチ」な感情ではなく、「ポジティブで明るい」感情をもつことにつながります。

補足:
9年前の梅田 望夫 さんによる、日本のWeb残念論を思い出します。“IT戦士”岡田 有花さんによるインタビューです:

日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く(前編) (3/3) – ITmedia NEWS 2009/ 6/ 1

 ウェブ進化論の中では「総表現社会」という言葉を使っている。高校の50人クラスに2人や3人、ものすごく優れた人がいるよね。そういう人がWebを通じて表に出てくれば、知がいろんなところで共有できるよね、というところまでは書いている。

 そういう、「総表現社会参加者層」みたいなのが、人口比で言えば500万人とか出てくると。少なくとも英語圏ではそういう層が分厚くて、そこがある種のリーダーシップを取っているわけだよね。

 今の日本のネット空間では、そういう人が出てくるインセンティブがあまりないわけさ、多くの場合。…

…“上の人”が隠れて表に出てこない、という日本の現実に対して残念だという思いはあります。そういうところは英語圏との違いがものすごく大きく、僕の目にはそこがクローズアップされて見えてしまうんです。

梅田 望夫 さんの主張は、“上の人”に焦点を当てたものでしたが、今回の2つの記事では、普通の人に焦点が当てられています。ただし、それらの根っこは同じでしょう。

受動的な学びで、「学ぶ楽しさ」を定期的に摂取する

先日、数年ぶりの研修を受けて、以下を感じました:

 受動的な学びで、「学ぶ楽しさ」を定期的に摂取する必要がある。

能動的な学びでも「学ぶ楽しさ」は得られますが、能動的な学びだけでは、人は消耗してしまうのです。

能動的な学びを継続的に行っていくためには、受動的な学びを定期的に実施していく必要があると感じました。

A Better Life, A Better World

先日、電車の車内に、パナソニックのリフォームの広告がありました。そこに「A Better Life, A Better World」という言葉がありました。

いい言葉だな、と思いました。

調べると、2013年から使われているパナソニックのブランドスローガンなのだそうです。

パナソニック社は、

新ブランドスローガンとして「A Better Life, A Better World」を制定 | プレスリリース | Panasonic Newsroom Japan

…様々なパートナーとお客様一人ひとりにとっての“より良いくらし”を追求し、拡げていくと共に、地球環境への貢献をはじめ、グローバルに“より良い世界”の実現に貢献していく、というメッセージ

と解説していますが、パナソニック社の意向に関わらず 私なりに読み解くと、「Better Life がいくつもあって、それぞれにつながっている Better World がある」ということです。

図示すると、下記になります:

Better Life (A) — Better World (A)
Better Life (B) — Better World (B)
Better Life (C) — Better World (C)
        ・
        ・
        ・

さて、これを実現するために必要なのが、それぞれの Better World の整合です。図示すると、下記になります:

Better Life (A) — Better World (A) ┓
Better Life (B) — Better World (B) ╋ The Better World
Better Life (C) — Better World (C) ┫
        ・
        ・
        ・

整合を実現する手段が、昔は、「The Better World」の分割でした。

昔は、社会参加とは、社会を構成する一つの組織(一つの層あたり。例えば、a社で働き、b地域に住む)に どっぷり所属すること (例えば、顔を晒して、フルタイムで) であったからです。

しかし、現在・近未来では、それぞれの Better World を、共有部分と非共有部分に分けて、共有部分を持ち寄って整合させ「The Better World」を作ることができます。

現在・近未来では、情報通信技術の発達により、一つの組織(一つの層あたり)に どっぷり所属することは、社会参加に必須ではありません。例えば、顔を晒さなくても、パートタイムでも参加できます。同じ層にある複数の組織に参画する(a1社でもa2社でも働き、b1地域に住みつつ、b2地域にも関わる)ことも可能です。

また、情報処理技術の発達により、それぞれの Better World の非共有部分の間の軋轢(あつれき)は、システムを間に挟み、緩衝材にすることで解決されます。

ネットの長所である多様性を活かすには、Webサービスを使えばいい

ネット上の多様な意見を紹介する『意見サーチ』がパワーアップ

 佐々木俊尚氏の 「脱原発に向かうためのネット論壇の課題。佐々木俊尚「『落ち着くところに落ち着く』では、日本社会は進歩しない」」
 
を読んだことです。ネットユーザ一人一人においてネットが単一な内容になる、すなわちネット上で単一の意見にしか接しない、いわゆる「半径ワンクリック」の問題が大きくなっていることを感じました。

ネットの大きな長所のひとつは、制限の無さから生じる多様性です。しかし、人の性(さが)が、それを利用する際に単一的なものにしがちです。

人の性(さが)を苦なく矯正することが、機械がもつ役割のひとつです。

しかし、最もよく使われるネット上の機械である検索エンジンは、ネット上の多様な意見を順位づけして表示することによって、単一的にしてしまいます。検索結果最初のページにはファーストオピニオン、セカンドオピニオンしか表示されないのです。検索結果をどんどん読んでいけば、多様なサードオピニオンに出会います。しかし、人は検索結果最初のページでほとんど満足してしまい、それ以上を読むことは少なく、多様なサードオピニオンに出会わないのです。

ネットの長所である多様性を活かすには、新たな機械が必要です。

例えば、意見サーチ ――みんなの多様な意見を紹介 。少し下った検索結果順位のページを紹介します。

論証によってより正確な未来を言葉で構成する

解説 理性と自由を軸にしよう | 日本を持ち上げる方法

理性と自由を軸にしよう。理性に従い、自らを拘束せず、そして他者の自由を認めよう。

この項には、優先事項を書いた。

理性

理性を持ち続けましょう。「論証によってより正確な未来を言葉で構成」しましょう (「空気」の研究 p.218)

平昌オリンピックの観客輸送

五輪開会式後、深夜に観客大混乱「電車は終わりました」 – 2018平昌オリンピック(ピョンチャンオリンピック)- 五輪特集:朝日新聞デジタル 2018/ 2/10

気温は零度を下回り、冷え込んでいく。音楽を流して楽しむ団体もいれば、イライラし出す人も。遅々として進まない行列に、ある米国人男性は「輸送で、五輪の評価は決まるよね」。

平昌オリンピックに向け、韓国では

・高速鉄道 京江線KTX
ソウル-襄陽高速道路、広州原州高速道路 (第2嶺東高速道路)
仁川国際空港 第2旅客ターミナル

が整備されました。

第23回 オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)/平昌2018パラリンピック冬季競技大会 開催地 平昌・江陵について|JTBスポーツ

コトノハセイサクシヨ 平昌オリンピック臨時対応

ヒトは移動を欲する生き物

NHK「ブラタモリ」の

  ・#95 宝塚 の回で説明された、宝塚が大阪商人の商談の地であった点

  ・#96 田園調布 の回で説明された、円周状の街路によって、道を歩く人の視野の中心に生け垣を見せることによって、散歩を誘発させている点

を見て考えたのは、ヒトは、移動を欲する生き物なのではないか、ということです。

そして、最も低いエネルギー消費で移動欲を満たす行為が、散歩です。

散歩を誘発するためには、ヒトの周囲を、高密度に変化を富ませる必要があります。

インフラを守るのは、人であり、街です

北陸の大雪によって道路に立ち往生した車に、付近の飲食店が炊き出しをした件。

 豪雪で立ち往生の車に500人前 餃子の王将、無償で:朝日新聞デジタル 2018/ 2/ 7

 豪雪で車両立ち往生 「餃子の王将」以外のラーメン店も食料を無料提供 – ライブドアニュース 2018/ 2/ 8

駅弁が列車が運転見合わせになったときの乗客への食料に使われたり、中国の空港で運行が遅れている飛行機の乗客に 空港のマクドナルドの食べものが渡されたことを、思い出しました。

インフラを守るのは、人であり、街です。