ラハフ・ハーフーシュ=著, 杉浦 茂樹, 藤原 朝子=訳「「オバマ」のつくり方 怪物・ソーシャルメディアが世界を変える」

     

評価・状態: 得られるものがあった本★★☆



購入: 2012/12
読了: 2013/ 1/ 8 [2+]

読んだ4! - twitterで読書記録 ブクログ - web本棚サービス


この情報は2018年12月現在の情報です。現在の状態はこちら

この本からの引用、または非常に関連する記事

全 2 件

『「オバマ」のつくり方』を読んで――活動する強化された個人

記事ページ 発行: 2013年01月14日

ラハフ・ハーフーシュ=著, 杉浦 茂樹, 藤原 朝子=訳「「オバマ」のつくり方 怪物・ソーシャルメディアが世界を変える」の骨格となる構成は、オバマの選挙事務所によるネットの使い方の説明・解説であり、SNSの立ち上げ・民主党予備選挙・本選挙の段階や、各SNSについて、それぞれに4つほどの指針をあげて、解説しています。

しかし、重視すべきは、その解説のなかに描かれる、SNSによる情報伝達・組織化とオンラインツールによる個人の強化によって、理想・手本・議題が示された中で活動する、強化された個人(支持者)の様子です:

支持者には、オバマに関する(マスメディアの編集によらない)情報が伝えられただけではない。※

  ※なお、他陣営からオバマへ攻撃があった場合には、即座に、カウンター情報が支持者に伝達・共有された。

支持者は、オンラインでのトレーニングやオンラインツールによって、オバマの支持を広める能力を強化され、オフラインでも活動した。活動には評価が与えられ、ランキングがつくられ、共有された。このランキングが支持者の活動を促した。

強化され活動する支持者は、様々な活動を通して、(潜在的な)票や献金を集めた。活動する支持者個人個人は、オバマ個人では表現できない、人種・境遇・地域の多様性をそれぞれに具現し、有権者にオバマへの投票を納得させる力が強かったことだろう。

個別の議題についてオバマの政策に反を表明する、支持者のグループ(メンバーは 2万3千人)もあった。当該政策によって起こりうる市民の自由に対する行政の権力乱用が懸念された。オバマは、明確な声明を発表し、オンラインでこのグループ(のメンバー)と対話することで、「不満や抗議の表明」を「建設的な議論」に変えた。このグループは、当該議題に関しオバマが注意を傾ける優先順位を高め、行政の権力乱用を防ぐ措置を手厚くする旨を大統領候補たるオバマにコミットさせた。

支持者SNSは、選挙後、「重要なアジェンダ[:議題]について立法化を促すパワフルな草の根組織」をめざして改められた。



 

(政府の行政権の乱用に対して)一般市民の活発で継続的な行動こそ重要なものはありません

記事ページ 発行: 2013年07月20日

元米中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン氏の暴露により、米国の情報収集活動が
問題になっています。

私見ですが、オバマ大統領が2008年、大統領選挙活動中に、外国諜報監視法(FISA)の
修正法案に関し、反対から賛成に意見を変えた際に、支持者との間で騒動が起こり、
行政の権力乱用の防止を高い優先順位をもって取り組む旨表明していたことが、
この問題が米政府中枢に与える影響をより大きくさせているのではないかと思います。


  政府の行政権の乱用に人々の注意を向けさせる手段として、一般市民の活発で
  継続的な行動こそ重要なものはありません。 ―― バラク・オバマ (2008) 引用元は下記

ラハフ・ハーフーシュ=著, 杉浦 茂樹, 藤原 朝子=訳 :
「オバマ」のつくり方 怪物・ソーシャルメディアが世界を変える (阪急コミュニ
ケーションズ, 2010) pp.125-127.
http://homepage2.nifty.com/mukyu/books/booknet/blog-entry-3353.html
−移転→ http://takagi1.net/books/booknet/blog-entry-3353.html
【引用はじめ】

一部には、自分たちのメッセージをオバマ陣営に届けるためにグループを立ち上げた
人々もいた。なかでも最も注目を集めたのは、外国諜報監視法(FISA)の修正法案に
対するオバマの立場に反対するユーザーが立ち上げたグループだ。...この修正法案は、
市民の私的通信を傍受する大統領の権限を拡大する内容で、違法な監視に協力した
電話会社に法的免責を与えるものだった。オバマは当初、法案に反対だったが、
後に賛成する立場を明らかにした。

 オバマの姿勢は多くのMyBO [*] ユーザーから怒りを買い、2008年6月には
「オバマ上院議員、電話会社の免責にノーを――正しいFISAを勝ち取ろう」[**] と
いうグループが結成された。このグループはすぐに数千人のメンバーを集め、
MyBOで最大級のグループになった。...

 そして2008年7月3日、...オバマからの公式の反応を投稿した。... オバマは
時間をかけてFISA修正法案に賛成する理由を説明した後、次のような言葉で
オンライン・コミュニティーの力を評価した。「一部の方がこの法案に対して
私と異なる見方をしていることを理解しました。また、このサイトや別の場所で
こっぴどく叩かれたことをうれしく思います。あなた方の活動や積極性や情熱こそ、
この法案が修正前の法律よりも優れていることを示す重要な理由だからです」。
公式声明はさらにこう続いていた。「政府の行政権の乱用に人々の注意を向け
させる手段として、一般市民の活発で継続的な行動こそ重要なものはありません。
このことは通信傍受の問題だけではなく、国民(の利益)を傷つける様々な政治の
動きについても当てはまります」

 ...自分が大統領になったらFISAをどうするかについても触れ、「(新しい
司法長官に)あらゆる監視プログラムの包括的な再点検を行わせます。そして
市民の自由を守り、行政の権力乱用を防ぐために必要な措置をどんどん勧告して
もらいます」。

【引用おわり】

 * オバマ候補者 大統領選挙運動 公式SNS My.BarackObama.com のこと。

 ** メンバー数は後に、2万3200人余りとなり、4900回余りのイベントを主催。
   およそ72万7000ドルの献金を集めた。(同書 p.125.)

 

↓下に表示している「関連書籍・記事」だけを新しいページに表示する:

|


© TAKAGI-1