ソフトパワー

春秋. 日本経済新聞, 2025/ 5/ 9, 朝刊, 1面

アメとムチ。…しかしこの2つ以外にも「魅力」によって人を引っ張る道がある。メンバーが理念に共鳴し、喜んで仲間になる。そんな組織は強い。

▼国際社会で「飴(あめ)と笞(むち)を使う必要」を減らすため、ソフトパワーと名づけた魅力を生かすよう唱えたのが米政治学者、ジョセフ・ナイ氏だった。パワーの中身は文化、政治的な理想、政策の魅力など。民主主義、人権、個人にチャンスがあることも大事だ。欧州や旧共産圏で実際に米国はこの力で味方を増やしたと分析する。

▼5月4日の弊紙にインタビュー記事がある。トランプ氏により米国のソフトパワーは損なわれ、政権が交代しても回復は難しいと語った。「トランプ氏のような政治リーダーを(米国民が)また選ぶかもしれないという懸念」を外国は払拭できないからだ。民主国家のリーダーの振る舞いは選んだ人々への視線も左右する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です