CN : 凝結核, condensation nuclei
CCN : 雲凝結核, cloud condensation nuclei
http://taiki1.sci.hokudai.ac.jp/~noda/study/study-abst.html
エアロゾルはその測定手法からCN(凝結核)と呼ばれる。そのCNのうち実際の大気中で達成されるような低い過飽和度(<1%)で凝結成長して雲粒になることができる粒子をCCN(雲凝結核)という。CCNはTwomey効果と深い関係があり、また大気中では達成される過飽和度が低いという理由から層雲において特に重要である。
CCNの変動は空間・時間の両方に現れる。数濃度は海上より陸上で高い。陸上では海上に比べて地表付近で数濃度が高いが、高度上昇に伴ってその差は減少する。海上と陸上ではエアロゾルの粒径分布や化学組成も違う。また各海上での数濃度は類似していた。高度によって粒径分布は変化し、季節によって化学組成が違う地域もある。雲が存在するときは自由大気に比べて境界層では数濃度が低く、粒径は大きい。都市や工業地域の風下では数濃度が高い。また数濃度は日中や夏期に高く夜間や冬期に低い。海上では風が強いときに数濃度が高い。また降水があったときの数濃度は低い。
これらの変動は人間活動や雲や降水の有無、日射や風速の増加、風向の変化に伴って起きている。これらはエアロゾルの生成・成長・輸送に影響している。空間変動はどこにどんな種類の発生源があるか、それが成長しながらどこに輸送され、どうやって大気中から除去されるのかによって起きている。また時間変動はいつ生成・成長しているのか、いつ輸送・除去されているのかによって起きている。つまりCCNの変動を追うことは大気中におけるエアロゾルの生涯を追うことであり、CCNだけでなくCNの観測も重要である。