[ 戻る ]  

無窮ナレッジ > CIC電網書架top  ● 戦略日記系について

ヘッドラインリスト[検索エンジン・他のサイトから直接お来しの方むけ]

ヘッドラインリストから来られた方は、ブラウザの[戻る]か、こちらの[戻る]
でヘッドラインリストに戻れます

メルマガ説明・登録 | 最近発行の号

 

 
 ■ Antenna!≪アンテナ≫ 興味深いwebニュース ■ # 2008/08/15
 
<1>特集: 戦争に関して書いてみる
<2>戦争と平和を、我々は真に理解することができない
<3>戦争に対する評価
<4>陸軍なき戦後の大戦観
 
 
 
<1>
 個別記事表示
▼特集: 戦争に関して書いてみる
 
本年は、先の大戦の終戦より63年目である。夏のこの時期に「戦争」特集をやる
のは、もちろん東亜太平洋戦争の終戦の日にあわせたものである。
 
しかし、私にとっては、東亜太平洋戦争の終戦より63年目というのは、さして意味はない。
 
意味を持たせるとしたら、インド・パキスタンの核実験から10年目である *1 と
いうことだ。
 
10年前の私は叫んだ、「我々の時代が来た」と。
 
「今後起こる国難は、戦後教育世代 *2 には対処できない。やるのは我々だ」と。
 
● 以降の文章の性質: 主観を排し、国家レベルの視点による文章
 
以降の文章は、
 
 主観を排し、国家規模の視野による文章
 
である。
 
よって、読者によっては不快に思われるかもしれないことを断っておく。
 
____________________
脚注:
 
*1 :
インド核実験
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-403.html 
 
パキスタン核実験
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-404.html 
 
*2 :
私にとって"戦後教育世代"とは、"旧世代"を意味する。
 
 
<2>
 個別記事表示
▼戦争と平和を、我々は真に理解することができない
 
● 戦争と平和を、我々は真に理解することができない
 
我々は、平和な世界しか経験していない。
 
よって、戦争状態 *1 を理解できない。ある概念を理解するには、それと
対になる概念を理解しなければならない *2。
 
だから、平和も理解できない。
 
つまり、戦争と平和を、我々は真に理解することができない。
 
● お題目のしての「平和」
 
平和は、実体を伴わない言葉になった。そして、平和は、それに対する批判が
ほとんどない中で、凝固してしまった *3。お題目になったのである。
 
「平和」は、お題目としては良いかもしれない。
 
真に理解することをできない事柄を長期間保持するには、お題目として伝承するしか方法がない。
 
しかし、お題目はお題目に過ぎず、その限界を認識すべきである。
 
____________________
脚注:
 
*1 :
「平和」の反対概念は「戦争」の一側面である。それは、「戦争状態」であり、
一語で表わすならば「混乱」である。「平和」は状態であり、「戦争」は状態・
行為・手段である。
 
以下を参考した:
小林 よしのり : 新・ゴーマニズム宣言スペシャル・戦争論 (幻冬舎 ,1998) p.12.
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-2209.html 
 
戦争 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E4%BA%89 
 
*2 :
岡倉覚三 : 茶の本 (岩波文庫, 1961) p.48.
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-137.html 
 
>真理は反対なものを会得することによってのみ達せられる。
 
*3 :
森 有正 : 生きることと考えること (講談社現代新書, 1970)
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1981.html 
を参考した。
 
 実体を伴わない言葉が、それに対する批判がない中で、凝固する
 http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-2208.html 
 
 
<3>
 個別記事表示
▼戦争に対する評価
 
戦争行為は公共事業である。
 
よって、その評価は、政策評価的手法によらねばならない。即ち、経済的評価である *1。
 
それを普遍化することは不可能であるが、精神を受け継ぐことはできる。
 
即ち、
 ・主観を排し、
 ・総合的視点により、
評価することが必要である。
 
私の戦争に対する評価は次のとおり。
 
 ・戦争は、逆淘汰を引き起こす。
 
 ・戦争は、効率が悪い。
 
● 戦争は、逆淘汰を引き起こす
 
逆淘汰とは、優れた人間が死に、劣った人間が生き残ることである。
 
優れた人間が徴集され、死と隣り合わせの戦場に投入されることが、戦争にこれを
実現させている。
 
結果として、国家は優秀な人的資源を失い、それが将来における生産力および人的資源の
優秀さを落とす。
 
逆淘汰は、戦争による科学発展の利益に対して同じレベルで対抗できる損失である
( http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1642.html  )。
 
● 戦争は、効率が悪い
 
戦争行為は、多大なる消費行為である *2。戦争に関わるもの(破壊するもの、破壊されるもの)
は、寿命半ばで廃棄される。このような消費は将来世代が使える資源を減少させる。
 
人的資源に関しても、それは集中的に高速に投入される。このため、大きな機会損失が生ずる。
また、一部の人的資源は消費される。
 
____________________
脚注:
*1 :
「戦争コスト時計」ニューヨークに イラク戦争関連経費をリアルタイム表示
http://mkynet.hp.infoseek.co.jp/webcic/lib/inw2/inw_0409112.html#1 
−移転→ http://takagi1.net/webcic/lib/inw2/inw_0409112.html#1 
 
>私が大学一回生のとき受けた、政策に関する一般教養科目 2つで強調されていたのが、
>政策評価は 事実上 コスト面からのアプローチしかないということでした。
 
*2 :
戦争は、多大なる消費行為である。
 
 消費者の未曾有の集中
 http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-2188.html 
 
 戦争は、消費速度の大きなものが勝つ
 http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-2190.html 
 
 
<4>
 個別記事表示
▼陸軍なき戦後の大戦観
 
戦後の大戦観には、陸軍の存在が大いに抜け落ちている。
 
例えば、広島への原爆投下を、なぜ呉でなく広島なのかという人がいる。
 
しかし、広島は、陸軍第2総軍の司令部所在地である。第2総軍は、連合国軍が上陸をもくろむ
九州を守備範囲とする。しかも、3つしかない総軍(:陸軍の最高編成単位)の1つである。
 
対して、呉軍港をもつ海軍は、既に聯合艦隊を失い(レイテ沖海戦, 1944年10月)、
戦艦「大和」を失っていた(菊水一号作戦, 1945年 4月) 。
 
呉に比べて広島が無為な目標であるとは全く言えないのである。
 
● 陸軍による戦略持久・航空思想
 
海軍の大艦巨砲主義に対して、陸軍は白刃突撃主義であり、万歳突撃を繰り返していた感がある。
 
しかし、戦略持久・航空決戦思想も存在し、戦中、これらの思想は確実に優位になっていったのである。
 
 ○ 戦略持久
 
これは支那事変であるが、中国戦線において陸軍は、1938年12月から戦略持久を経験している *1。
 
アジア戦線において陸軍は、1942年、戦略持久を意図している *2。
 
ペリリュー島・硫黄島・沖縄の戦いが、戦略持久が実施された戦いとして知られている。
 
 ○ 航空思想
 
東條 英機 陸軍大将 は、陸軍航空総監・陸軍航空本部長の経歴があり、航空に関して理解があった。
 
1944年、航空決戦至上主義は大本営において支配的であった *3。
 
____________________
脚注:
 
*1 :
子安 宣邦 : 「近代の超克」とは何か (青土社, 2008) p.107.
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-2113.html 
 
>ちなみに日本の陸軍中央部が進攻作戦を打ち切り、戦略的持久に切り換えたのはその年
>[:1938年]の一二月六日である。
 
*2 :
戸部 良一, 寺本 義也, 鎌田 伸一, 杉之尾 孝生, 村井 友秀, 野中 郁次郎 :
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫, 1991) pp.321-322.
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1736.html 
 
>昭和一七年[:1942年]三月七日の大本営政府連絡会議で決定された「今後採るべき戦争指導の大綱」
>は、...。(中略) 海軍側が従来からの主張である戦果の拡大と積極攻撃による先制攻撃を主張した
>のに対し、陸軍は南方資源の確保によって長期持久戦の態勢を確立しようとした、そのまさに
>妥協的折衷案がこれであった。東条首相は、「これでは意味が通らぬではないか」と不満を
>もらしたという。
 
*3 :
戸部 良一, 寺本 義也, 鎌田 伸一, 杉之尾 孝生, 村井 友秀, 野中 郁次郎 :
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫, 1991) p.224.
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1736.html 
 
>当時 [:1944年] の大本営の対米作戦構想の基本は航空決戦至上主義であり、
 
 
 ■ 無窮ナレッジ : http://homepage2.nifty.com/mukyu/ 
−移転→ http://takagi1.net/mk/ 
 
 
┃万が一、上記紹介サイトを訪れて、貴殿がなんらかの損害を被った場合、
┃当方は責任を負いかねます。ご了承下さい。
┃
┃発行システム        :まぐまぐ http://www.mag2.com/  <0000087659>
┃解除登録はこちらから: http://www.mag2.com/m/0000087659.htm 
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
スパム対策のためメールアドレスは伏せます                       Copyright(c) 2008 TAKAGI-1
 
 

 
■  ■  ■


© TAKAGI-1

ciclibleaf inw