● 戦争と平和を、我々は真に理解することができない 我々は、平和な世界しか経験していない。
よって、戦争状態 *1 を理解できない。ある概念を理解するには、それと 対になる概念を理解しなければならない *2。 だから、平和も理解できない。 つまり、戦争と平和を、我々は真に理解することができない。 ● お題目のしての「平和」 平和は、実体を伴わない言葉になった。そして、平和は、それに対する批判が ほとんどない中で、凝固してしまった *3。お題目になったのである。 「平和」は、お題目としては良いかもしれない。 真に理解することをできない事柄を長期間保持するには、お題目として伝承するしか方法がない。 しかし、お題目はお題目に過ぎず、その限界を認識すべきである。 ____________________ 脚注: *1 : 「平和」の反対概念は「戦争」の一側面である。それは、「戦争状態」であり、 一語で表わすならば「混乱」である。「平和」は状態であり、「戦争」は状態・ 行為・手段である。 以下を参考した: 小林 よしのり : 新・ゴーマニズム宣言スペシャル・戦争論 (幻冬舎 ,1998) p.12. http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-2209.html 戦争 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E4%BA%89 *2 : 岡倉覚三 : 茶の本 (岩波文庫, 1961) p.48. http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-137.html >真理は反対なものを会得することによってのみ達せられる。 *3 : 森 有正 : 生きることと考えること (講談社現代新書, 1970) http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1981.html を参考した。 実体を伴わない言葉が、それに対する批判がない中で、凝固する http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-2208.html