評価・状態: 得られるものがあった本★★☆
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IT革命の本質は、自由の追求である記事ページ 発行: 2008年05月20日
2007年にこのような文章を書いた。 この前言を撤回し、代わって、次を主張する。 『 IT革命の本質は、自由の追求である。 』 以下、 1. Web2.0 における「自由の追求」 2. Web2.0 以前における「自由の追求」 3. インターネット出現以前における「自由の追求」 と歴史をさかのぼりながら、民生化した情報技術が、自由を実現する基盤技術であることを示す。 これは、情報技術の劇的な向上である IT革命 の本質が、自由の追求 *1 であることを示す。 1. Web2.0 における「自由の追求」Web2.0 は、野望ある個人に国家機能を提供する。国家は、個人の自由に対抗して存在し *2 、また個人はそれに大いに依存している。Web2.0 によって国家機能を得た個人は、国家への依存を減少させ、さらなる自由を得る。 詳細は、以下のエントリを参照のこと。 偉大な一個人が真に自由に活動するための方法: 自らを国家と為せ 2. Web2.0 以前における「自由の追求」Web2.0 以前の IT革命世界でも「自由の追求」は見られた。 わかりやすい例では、個人がパソコンで公開鍵暗号を使える暗号ソフトウエア Pretty Good Privacy (以下、PGP と記す)がある。 PGP は民間人が使用できる暗号ソフトだが、その暗号の解読は、国家であってもきわめて困難であり、PGP による暗号の大量使用は、検閲を不可能にする。 PGPの開発者 フィル・ジマーマン (Philip Zimmermann) は、「自由」を意識しており、以下のように書いている。 サイモン・シン=著, 青木 薫=訳 : 暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで (新潮社, 2001) p.392.
3. インターネット出現以前における「自由の追求」インターネット出現以前から存在する情報インフラに図書館がある。国立国会図書館は、 真理がわれらを自由にする を設立の基本理念とする。公共図書館の最大の役割はインフォームド・シチズンの育成と維持なのだ。 「真理が」どのようにして「われらを自由にする」のか。その疑問の答えは「ファクト・ベースの意思決定」*3 である。 脚注*1 自由は、古来より個人に存在していたものではない。 一般個人には、自主的な心さえない、と考えられた時代もあった。 *2 筆者は国家の存在に反対しているわけではない。しかし、能力あふれるものが、特定の側面において規制されていることは事実である。 特定の側面における規制が個人にとって -10、 他の側面における支援が個人にとって +100 で、 トータルでは +90 となり、支援側におつりが生じているのだろう。 しかし、それでも -10 は存在するのだ。 *3 ファクト・ベースの意思決定。以下を参照のこと。 梅田 望夫 : ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く! (文藝春秋, 2008) pp.105-106.
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