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処理: 2008/11/21 ■ 雑リーフ ■ <1>私はトップダウン思考ができない <2>階層 <3>なんだか <4>私の好きなもの <5>トップダウンを裏打ちするのはフィードバックだ <1> 個別記事表示 ▼私はトップダウン思考ができない 私はトップダウン思考ができない。 このことに初めて気づいたのは、私が夢を持たないことが、トップダウン思考を していないということに気づいた時である。そして先日、私はトップダウン設計が、 苦手だということに気づいた。2回も気づけば、その感覚は、本当であろう。 もう1度述べる。私はトップダウン思考できない。 そして今、この、トップダウン思考ができないということが極めて重要な問題で あることに気づいたのである。 かつて「技術と科学」( http://www.h5.dion.ne.jp/~wing-x/ezhtml/inw3/za_0804100.html#1 ) −移転→ http://takagi1.net/ezhtml/inw3/za_0804100.html#1 に述べたように、技術の本質は漸進的である。対して、科学は、跳躍的であり、 その本質にはトップダウン思考である。すなわち、トップダウン思考できない私は、 科学者・研究者になりえないのだ。 私は、頭の良い子供であった。その結果、将来は、科学者、あるいは、高度に 科学的な職業に就くことを望んだ。それを当然のごとく思っていたし、そうで なくてはならないと思っていた。 だから、中学生の頃から、大脳でいう新皮質部分、すなわち、客観的な部分の 強化に多くの力を注いだ。 対して、主観的な、即ち、感情的な部分に対する投資は全くせず、むしろその存在を 無視し続けてきた。このことは、私にトップダウン思考する機会をなくし、または、 その能力を育たせなかった。 結局のところ、私は大きな失敗を犯したわけである。 関連: 「がさつ」で良かったのだろう http://www.h5.dion.ne.jp/~wing-x/ezhtml/inw3/za_0709080.html#5 −移転→ http://takagi1.net/ezhtml/inw3/za_0709080.html#5 <2> 個別記事表示 ▼階層 1. 戦略・ロードマップ・トップダウン的 その成果物は、指向を制約する。 2. 戦術・インクリメンタル的・ボトムダウン的 その成果物は、推進である。 ただし、指向の制約がない状態での推進は、同じ場所を回転するだけの結果 しかうまない可能性がある。 <3> 個別記事表示 ▼なんだか あぁ、「進化の袋小路」 * とか「無駄な犠牲」とかいう言葉が頭に浮かぶ。 これまで「無駄な犠牲なんかない」という信念をもっていたのに、 今では、私の犠牲は「アキレスと亀」の亀の歩みだったのかもしれない、と思える。 * : 即ち、過適応。 <4> 個別記事表示 ▼私の好きなもの ・流れ ・情報 ・鉄道システム ・マン-マシンインターフェイスとしての鉄道 つくづく思うのだが、私は、 ・実体がないもの ・インクリメンタルなもの が好きだ。 <5> 個別記事表示 ▼トップダウンを裏打ちするのはフィードバックだ トップダウンを裏打ちするのは、フィードバックの存在である。 フィードバックをもとに修正を実施し、時には状況に適応できなくなった戦略を 損失が致命的になる前に破棄する * ことができる。 * : 予め、代替戦略は用意しておく。 ____________________ 発想の元: 川喜田 二郎 : 発想法 創造性開発のために (中公新書, 2008) p.133. http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1628.html > その驚くべき一例は、都市計画の専門家の浅田孝氏から伺った次のような話 >である。都市計画をつくるときに、ソ連を含めた欧米社会では、計画当局が >こういう計画をやりたいという原案を、町角に二、三年店ざらしに出しておく。 >それをみた市民たちから、「この計画はここがぐあいが悪い」などという注意が、 >当局者にフィードバックされる。そこでこれを参考にして、計画原案を修正 >しながらだいたいここらでというところで実施する。その間に二、三年はかける >という慎重さである。また、これら市民からの情報の処理いっさいのために >投ずる金は、日本の場合の百倍である。 マーチン・ファン・クレフェルト=著, 佐藤 佐三郎=訳 : 補給戦――何が勝敗を決定するのか (中公文庫, 2006) p.343. http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1678.html >記録が示すところによれば、[SHAEF(:連合国遠征軍総司令部)において、]決定 >――しばしば非常に小さな問題についての――は次のようにして行われた。 >初めにある問題――たとえばある港が口糧を取り扱うべきかどうかについて >――を解決せよとの説明が発せられた。次いでこの責任は指揮系統を伝わって >下部に渡り、必然的にこれ以上下の者には渡せないところまで達した。 >それから問題の港の偵察が行われ、あらゆる方面から見た報告書が書かれた。 >次に報告書が、指揮系統に従って上に昇り始めるが、この間にあらゆる >関係組織が議論を重ね、絶えず広い見解を反映させ、最後に最終責任者に >到達した。こうして集められたすべての情報を基にして、彼は決断を明らかに >することになろう。このプロセスは組織的で、能率的で、きわめて合理的な >ように見える。 戸部 良一, 寺本 義也, 鎌田 伸一, 杉之尾 孝生, 村井 友秀, 野中 郁次郎 : 失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫, 1991) p.388. http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1736.html >日本軍の最大の特徴は「言葉を奪ったことである」(山本七平)という指摘にも >あるように、組織の末端の情報、問題提起、アイデアが中枢につながることを >促進する「青年の議論」が許されなかったのである。 ┃ 注: 本テキストは、メールマガジンのバックナンバーではありません。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ zatsulf Copyright(c) TAKAGI-1 All Rights Reserved
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