ディドロ, ダランベール「百科全書―序論および代表項目」

     

評価・状態: 得られるものがあった本★★☆


購入: 2007/12/26
読了: 2008/ 1/16

松岡正剛の千夜千冊『百科全書』ディドロ&ダランベール

関連:
フランス百科全書 図版集
http://mkynet.hp.infoseek.co.jp/webcic/lib/inw2/wt-c_0405120.html#2

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この本からの引用、または非常に関連する記事

全 14 件

記事ページ 発行:

 

記憶・理性・創造、あるいは歴史・哲学・芸術

記事ページ 発行: 2009年10月10日

ディドロ, ダランベール=編, 桑原 武夫=訳編 : 百科全書―序論および代表項目 (1971, 岩波文庫) p.70.

「百科全書序論」より。

>これら三つの能力が、さしあたり、私たちの体系の三つの一般的分類と人間知識の三つの一般的対象とを形づくる。すなわち、記憶に結びつく「歴史」、理性の成果である「哲学」、そして、創造が産みだす「芸術」。



 

IT革命と市民

記事ページ 発行: 2011年12月10日

IT革命は市民による知識の所有(共有)を強力に推進した。

IT革命以前の市民と、IT革命以後の市民とでは、格が違う。


発想の元:
ディドロ, ダランベール=編, 桑原 武夫=訳編 : 百科全書―序論および代表項目 (1971, 岩波文庫) p.398.

多田 道太郎による解説「『百科全書』について」より。

 なぜ百科全書派は技術を重視したのか。理由はかんたんである。それがブルジョアジーの利益になるからである。総じていえば「所有が市民をつくる」というブルジョア的立場が『百科全書』のほとんどを貫いており、したがってブルジョアの武器、道具としての技術が、新しく重視されることになったのである。



関連:
IT革命の本質は、自由の追求である
http://nhm.blog75.fc2.com/blog-entry-223.html

一般の主体的・合理的行動のための情報収集
http://takagi1.net/webcic/lib/inw2/za_0404250.html#2

 

一般の人が技術を持たねばならない

記事ページ 発行: 2016年03月26日

コンテンツは独占できない。

しかし、技術は独占できる。

だから、独占されないよう、一般の人が技術を持たねばならない。

ディドロ, ダランベール=編, 桑原 武夫=訳編 : 百科全書―序論および代表項目 (1971, 岩波文庫) p.398.

多田 道太郎による解説「『百科全書』について」より。

 なぜ百科全書派は技術を重視したのか。理由はかんたんである。それがブルジョアジーの利益になるからである。総じていえば「所有が市民をつくる」というブルジョア的立場が『百科全書』のほとんどを貫いており、したがってブルジョアの武器、道具としての技術が、新しく重視されることになったのである。

大阪府立図書館〜フランス百科全書 図版集


一般の人が技術を持つことは、専門職を圧迫しない。専門職は「超民」として、技術を持った「高民」によって後方連絡をされ、孤立しない。

【超民連絡】天才・秀才が生き・活きる社会
大国高民と高民立世・超民連絡
超民連絡の見いだし

 

可能性豊かな活動「エンジン」

記事ページ 発行: 2016年10月29日

エンジン01文化戦略会議

「エンジン02」を開催=宮崎県延岡市〔地域〕:時事ドットコム (2016/10/18)

宮崎県延岡市で9日、第一線で活躍する10人の文化人や料理人などが市民を対象とした講座を展開する「エンジン02inのべおか」が行われた。

可能性豊かな活動だと考える。

第一には、民によい揺さぶりを引き起こすからである。SNS・口コミにより、揺さぶりは、イベント参加者だけに限定されない。

第二には、次の言葉に集約される:

ディドロ, ダランベール=編, 桑原 武夫=訳編 : 百科全書―序論および代表項目 (1971, 岩波文庫) p.133. ダランベールによる「序論」より

学者に地位を与えるのは政府であり、尊敬をはらうのは大衆である


「地位を与えるのは政府であり」は、「評価に値する功績で評価されている」ことだと考える。「第一線で活躍する10人の文化人や料理人など」のなかに大したことないと思われる人がいるかもしれないが、その人は「評価に値する功績で評価されている」のである。「現実は正解なんだ」(「よく覚えとけ。現実は正解なんだ。」立川談志49歳のことばが身にしみる - エディターズダイアリー | ジセダイ)。これも民によい揺さぶりを引き起こす。

「尊敬をはらうのは大衆である」。著名人と民と繋がらないこと、つまり著名人が孤立することは、著名人にとっても、社会にとってもリスク(即ち、確率的な損失)がある。民すべてと繋がるのは無理だが、このようなイベントに参加する民(ONな市民)とは繋がるべきである。

電子書籍 名言まとめ 「電子書籍で1000万円儲かる方法」から 引用抜粋

一般論的にいえば、どんな形でもコミュニケーションを意識した人のほうが、これから生き残っていく可能性が高いと思います。


初出:
Facebook 2016/10/23

関連:
(世の中を良くする揺さぶり) AMN「WISH」イベントから5年
http://nhm.blog75.fc2.com/blog-entry-669.html

天才・秀才が生き・活きる社会
http://nhm.blog75.fc2.com/blog-entry-613.html

 

技術を広める場としての図書館

記事ページ 発行: 2017年03月13日

ハイテク技術が学べる図書館 | FUTURUS(フトゥールス)

「知的アミューズメント」という考え方もあるが、図書館は生産の場であることも思い出して欲しい。

現行の書籍の図書館でも、ビジネス図書館では特にそうであるし、政策や(公共、に限らないが)課題解決策の生産の場として図書館があること、に思いを馳せて欲しい。

また、18世紀のフランスの「百科全書」では、技術が大きく扱われた。市民の武器として技術が重要であったからだ。技術を広める場としての図書館は、「百科全書」の考え方を受け継いでいる。

初出:
Facebook 2017/ 3/ 3

関連:
一般の人が技術を持たねばならない
http://nhm.blog75.fc2.com/blog-entry-649.html

(追加) 一般の人が生産(物質化)することによる社会の改革
http://takagi1.net/blogja/archives/491

 

最も偉大な哲学者とは、最も数多くの事物に理由を与える人

記事ページ 発行: 2008年01月17日

ディドロ, ダランベール=編, 桑原 武夫=訳編 : 百科全書―序論および代表項目 (1971, 岩波文庫) p.183.

ディドロによる「哲学」の項目より。

> 最も偉大な哲学者とは、最も数多くの事物に理由を与える人のことであり、これによって哲学者の序列は精密に決定される。この手段によれば、もはや博識が哲学と混同されることはない。



関連:
ディドロ, ダランベール「百科全書―序論および代表項目」
http://star1ban.blog18.fc2.com/blog-entry-1614.html

(もし、天才というものがなんらかの公分母をもつものだとすれば)
http://mkynet.hp.infoseek.co.jp/webcic/lib/inw2/inw_0310120.html#1

天才とは、複雑なものを単純なものに変える能力である
http://mkynet.hp.infoseek.co.jp/webcic/lib/inw2/za_0405140.html#2

 

ピラミッド型構造とネットワーク型構造 3. 知そのものにおけるピラミッド型構造とネットワーク型構造

記事ページ 発行: 2008年05月20日

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3. 知そのものにおけるピラミッド型構造とネットワーク型構造


・ピラミッド型の生成 *1 : 個々ノードの端子数が少ない: デカルト的(要素還元主義) *2 ・分類学・第1種基礎研究 *3
・ネットワーク型の生成 :  中間段階        : 学際・第2種基礎研究 *3
・ネットワーク型の醸成 : 個々ノードの端子数が多い : 実用化

知は、本質的にはネットワーク型である。*4

しかし、黎明期の知は、個々のノードがもつ端子数が少ない(他の知との関連性が発見されていない *5)。このため、ピラミッド型構造が形成される。

ピラミッド型構造の形成によって、知は永続のための必要条件を満たす。なぜならば、他の知とリンクしない知は、好事家のおもちゃに過ぎないからだ。

しかし、知はピラミッド型構造のなかにあるだけでは、実用化されない。

軸受を例にとると、軸受を実用化するには、以下にあげるような、ネットワーク型構造が形成されていなければ集積できない知の数々が必要である。

・潤滑理論(=流体力学)
・潤滑油の性質
・潤滑油の安定製造法
・軸受材質の機械的性質
・軸受材質の化学的性質 (すぐに腐蝕してしまわないか)
・軸受部品の加工法 (うまく潤滑できる隙間に加工できるか)

脚注


*1 書籍における表現:
ディドロ, ダランベール=編, 桑原 武夫=訳編 : 百科全書―序論および代表項目 (1971, 岩波文庫) pp.140-141.
ダランベールによる「序論」より。

> 私たちはこの著者[:『サイクロペディア』(1728)の著者であるエフライム・チェンバース。]に帰すべき功績を認めないのではない。彼はなるほど百科全書的順序の長所をよく感知している。すなわち、一学問あるいは技術の基本的な諸原理からそれぞれの最も遠い諸帰結まで中断なく下りてゆき、またそれの最も遠い諸帰結からそれの基本的な諸原理までふたたび上ってゆけるための鎖、...、こういう鎖の長所を彼はよく感知しているのである。

*2 書籍における表現:
デカルト=著, 谷川 多佳子=訳 : 方法序説 (岩波文庫, 1997) pp.28-29.

>同じように、論理学を構成しているおびただしい規則の代わりに、一度たりともそれから外れまいという堅い不変の決心をするなら、次の四つの規則で十分だと信じた。

 第一は、... [:明証性の規則]

[★→] 第二は、わたしが検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること。[:分析の規則]

 第三は、わたしの思考を順序にしたがって導くこと。そこでは、もっとも単純で最も認識しやすいものから初めて、少しずつ、階段を昇るようにして、もっとも複雑なものの認識にまで昇っていき、自然のままでは互いに前後の順序がつかないものの間にさえも順序を想定して進むこと。[:総合の規則]

 そして最後は、すべての場合に、完全な枚挙と全体にわたる見直しをして、なにも見落とさなかったと確信すること。[:枚挙の規則]


*3 第1種基礎研究・第2種基礎研究に関する記事:
産総研、第2種基礎研究の雑誌を創刊、全文を公開
閉じた知識と開かれた知識

*4 書籍における表現:
ディドロ, ダランベール=編, 桑原 武夫=訳編 : 百科全書―序論および代表項目 (1971, 岩波文庫) pp.81-82.
ダランベールによる「序論」より。

>...一般的存在を問題にする学は、ただ、個別的存在を対象とする学へ人を到達させる限りにおいてのみ有用なのであること、存在するものは実はただそういう個別的存在のみであること、また私たちの精神が一般的存在を創り出したとしても、それは、その本性上ある同じ実体の内に共生ししかも物理的には分離されえない諸属性を、ひとつひとつ分離してよりたやすく研究しうるためであったこと、である。

*5 例をあげる。
・ボイル・シャルルの法則は、気体の圧力と温度と体積と物質量に関する知に、それぞれ関連性を与えた。

・Boltzmann-Planckの方程式(S = k lnΩ)は、系のミクロな詳細と系のマクロな状態を関係づけた。
  参照: ボルツマン定数 - Wikipedia
  関連: 統計熱力学 Page 1 @ Mukyu Academic Notebooks  

・谷山・志村の定理は、楕円方程式に関する知とモジュラー関数に関する知を結びつけた。
  参照: 谷山・志村の定理 - Wikipedia
  関連書籍: サイモン シン「フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで」

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組織者的才能

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「ロウソクの科学」と、政府及び大衆

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松下村塾――吉田松陰と山尾庸三と工学の誕生

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一般の人が生産(物質化)することによる社会の改革

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精神がひろく、想像力がゆたかで魂に活力があること、これこそ天才である

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知識を実用化する術

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