燃料電池ワールド Vol.2335 (2017/04/20 08:30)

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□燃料電池ワールド Vol.2335
■2017年04月20日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

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2017/03/17 イケア社のイースト・パロ・アルト市プラグイン燃料電池システムは再生可能なサービスの拡大〈PT〉

〔訳注〕イースト・パロ・アルト(EAST PALO ALTO、カリフォルニア州)発:イケア社(IKEA)は本日、サンフランシスコ湾地域にあるイースト・パロ・アルト市(East Palo Alto)で、米国で5番目となるカリフォルニア州のバイオガス燃料電池システムの設置を完了したと発表した。

2017/03/17 カナダ政府、ダイムラーとフォードの燃料電池合弁会社に1000万ドルを投資〈PT〉

〔訳注〕バンクーバー(Vancouver、ブリティッシュコロンビア州)発:カナダ政府は、環境目標を推進し、雇用を創出し、クリーン技術分野の成長を刺激する技術を支援することに取り組んでいる。この取り組みの一環として、これらの投資の1つに、バーナビー市(Burnaby)に本社を置くドイツのダイムラー(Daimler AG)とフォード自動車(Ford Motor Company)の合弁事業であるオートモーティブ・フュエルセル社(Automotive Fuel Cell Cooperation:AFCC)への1000万ドルの返済不可能な政府資金(non-repayable contribution)が含まれている。この合弁事業を通じてオートモーティブ・フュエルセル社は、自動車用途に使われる新しい燃料電池モジュールを開発している。

2017/03/17 フュエルセル・エナジー社、3.7MW級高効率公益事業規模プロジェクトのための資金調達でコネチカット州グリーン銀行による承認を発表〈PT〉

〔訳注〕ダンベリー(DANBURY、コネチカット州)発:フュエルセル・エナジー社(FuelCell Energy, Inc.)は本日、コネチカット州グリーン銀行(Connecticut Green Bank)から500万ドルの信用枠(credit facility)の承認を発表した。この信用枠は、業界がリードする電気効率を展示し、土地の限られた地域での電力問題を手頃でクリーンに解決することを可能にするコネチカット州ダンベリー(Danbury)の以前に発表された公益事業規模の電力プロジェクトを支援する予定である。

2017/03/17 青島四方機車車両、中国の佛山市でバラード社から電力を供給される8台の燃料電池トラムを導入〈PT〉

〔訳注〕バンクーバー(VANCOUVER、カナダ)発:バラード・パワーシステムズ社(Ballard Power Systems)は本日、青島四方機車車輌有限公司(CRRC Qingdao Sifang Company, Ltd.:CRRC Sifang)が中国の佛山市(City of Foshan)で開発している路線用の8台の水素燃料電池トラム(trams)の計画的な展開のために、顧客との最終的な契約を発表したと報告した。これらのトラムはすべて、バラード社のFCベロシティ(FCveloCity)燃料電池エンジンを搭載している。

■2017年04月19日のWEB LINK NEWS
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2017/04/19 【上海モーターショー2017】トヨタ、中国でFCV「MIRAI」による実証実験を実施へ(レスポンス)

 トヨタ自動車は、今年10月より燃料電池自動車『MIRAI』(ミライ)2台を使った燃料電池車(FCV)の実証実験を中国国内で開始する。これは上海モーターショー2017開催の前日である、4月18日夜に開催された「TNGAナイト」の席上で明らかにされたもの。

 この実験は、「中国燃料電池自動車商業化発展促進プロジェクト」へ参画することで実施されるもので、期間は3年間。実験のための水素ステーションは中国国内の開発拠点である「TMEC」(トヨタ自動車研究開発センター)内に建設する予定になっている。

 実験の内容は、「中国環境下での車両走行調査」「中国の水素品質調査」「各種品質・耐久性評価」などで、同時に中国国内のイベントには「MIRAI」を展示して商品受容性の調査や訴求活動を行って燃料電池自動車に対する理解活動にも取り組んでいく。

 中国国内にある水素ステーションは現在、北京、上海、広州等の都市圏を中心に5ヶ所。TMECに建設される水素ステーションは江蘇省では初。中国政府は、FCVの普及促進及び産業化とインフラ整備を積極的に進めており、本プロジェクトを通じ、政府・業界とともに水素社会の可能性を模索していく。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170419-00000008-rps-ind

2017/04/19 豊田自動織機、酸素供給エアコンプレッサーで文部科学大臣表彰を初受賞…MIRAI 搭載(レスポンス)

 豊田自動織機は4月19日、トヨタの燃料電池車(FCV)『MIRAI』に搭載された酸素供給エアコンプレッサーの開発で、「平成29年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞 開発部門」を初受賞したと発表した。

 FCVは始動後、発電のために絶えず酸素と水素を燃料電池スタック内で反応させる必要がある。そのため効率良く大気を吸引・圧縮し、燃料電池スタックに送り込むエアコンプレッサーはFCVの性能を決定する重要な部品の一つとなっている。

 豊田自動織機が開発した酸素供給エアコンプレッサーは、世界初となる6葉ヘリカルルーツ式ローターを採用し、低速域から高速域まで最適な空気の圧縮を実現。さらに、低ノイズ・低振動、高速域の不快な音の低減、加速感を演出する音作りにもこだわった設計となっている。今回の受賞では、車両の加速性能と航続距離の向上に寄与したことがFCVの一般向け発売に貢献したと高く評価された。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170419-00000017-rps-bus_all

2017/04/19 上海で“春のEV祭り”!? 中国が進める日本では想定外の技術開発計画(オートックワン)

 中国ではここ数年、EVやプラグインハイブリッド車など電動化を促進する流れがあったが、今回のオート上海2017ではそうした動きが加速しているようにみえる。

 それにしてもいまナゼ、中国でEVなのか? その背景には、中国政府による次世代車開発計画の大幅な見直し策がある。

 中国政府は2016年10月、2030年までの次世代自動車の開発ロードマップを公開した。それは、驚きの内容だった。

 開発計画の期間でみると、2016年?2020年はEVとプラグインハイブリッド車をこれまでのペースで普及を目指す。そして、2020年以降もEVとプラグインハイブリッド車を継続しつつ、燃料電池車へとシフトを加速させる。こうしたEVから燃料電池車への転換期となる2016年?2020年には、「つなぎ役」として「プラグインハイブリッド燃料電池車」の量産を促進するというのだ。これは、ある程度大きな容量のリチウムイオン二次電池を搭載し、外部からの充電が可能な燃料電池車を意味する。

 こうした中国独自の燃料電池車開発について、日本メーカーの技術者に話を聞くと、「日本では想定外の技術だ」「かえってコストが上がってしまい量産には不向き」というネガティブな反応がある一方で、「瓢箪(ひょうたん)から駒で、ありかもしれない」「我々は中国の施策に追従することが義務のような状況なので、結局、我々も開発するしかない」といった声もある。

 2030年までの次世代車開発の施策における中国の狙いは、シンプルだ。EVの技術を踏まえたうえで、燃料電池車の技術で世界をリードし、燃料電池、二次電池、インバーターなどの制御装置、水素タンク、そして水素ステーションなどのインフラで、事実上の世界標準であるデファクトスタンダードを握ることである。

 こうした中国の積極的な動きに、日本やアメリカも“従わざるを得ない”状況だ。先進国での販売が頭打ちとなる中、現状での世界最大の自動車生産・販売マーケットである中国の存在感が増しているからだ。

 ここで日系メーカーにとって大きな問題なのが、中国政府に対する技術開示だ。中国政府は海外メーカーが中国国内で次世代車を販売する際、中国国内での技術開発を推奨している。これは事実上、技術開示であり、EVや燃料電池車の技術で世界をリードしている日系メーカーは、極めて難しい選択を迫られる。

 そうしたなか、トヨタは燃料電池車「MIRAI」を使用した実証試験を2017年?2020年に中国で行うことを発表した。トヨタとしては“やむを得ないこと”という経営判断に基づく決定なのだろう。
 こうして本格化する中国の新しい次世代自動車戦略。

 将来的に、その成果の詳細が中国政府から一般、または海外メディアに対して公開されることはまずないだろう。

 なぜならば、2000年代後半から2010年代前半に中国全土で実施された、バスなどの商用車を中心としたEV、プラグインハイブリッド車、及び燃料電池車による大規模な実証試験が、なんの前触れもなくいきなり終了したことに、当時筆者は驚いたという経験があるからだ。

 その後、修正案としての別の施策がいきなり始まったのだが、その経緯を各方面の中国人関係者に聞いても明確な答えが見つからなかった。

 今回の施策では、2030年までの長期計画とされているが、これから先で何度も内容が修正され、またはいきなり休止したり、またいきなり復活したりと、予期せぬ出来事が繰り返される可能性は十分にあると思う。

 今回のオート上海がEVバブル化現象となったのは、中国における次世代自動車開発の大きな波の序章に過ぎない。
[Text:桃田健史]
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170419-00010011-autoconen-bus_all

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