燃料電池ワールド Vol.2333 (2017/04/18 08:30)

水素チャンネル Home

■───────────────────────────
□燃料電池ワールド Vol.2333
■2017年04月18日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://merumaga.fuelcellworld.jp/

【PR】自称、「燃料電池の駆け込み寺」 株式会社ケミックス

    TEL:042・765・8800 http://www.chemix.co.jp/
                 ◇
■世界のヘッドライン〈PT→ http://merumaga.fuelcellworld.jp/index.php?QBlog
□□□───────────────────────────

2017/03/17 ハイギア社、コロンビアの主要マーガリン生産者に水素を供給する契約を結ぶ〈PT〉

〔訳注〕アーネム(ARNHEM、オランダ)発:オンサイトのガス発生技術専門家であるハイギア社(HyGear)は、食品産業に参入した。同社は、コロンビアの主要なマーガリン生産者 Sigra S A.に水素技術と水素を供給する契約を結んだ。ハイギア社は、2017年第3四半期にコロンビアで、食用油脂の水素化にCI SIGRA S.A.が使用するハイゲン(Hy.GEN)システムを導入する予定である。ハイゲン水蒸気改質技術は、Sigra S A.が電解槽システムを置き換える際の水素化のコストを大幅に削減する。

2017/03/17 ケンブリッジ大学の科学者、太陽光発電を利用して、バイオマスからきれいな水素を生産する〈PT〉

〔訳注〕ケンブリッジ大学(University of Cambridge)の科学者チームは、持続可能で比較的安い燃料を生成するために太陽光発電を利用する方法を開発した。バイオマス方水素を発生させるために自然光を利用している。チームは、実験で異なる種類のバイオマスを使用した。木材、紙、葉片を試験管に入れ、太陽光に暴露した。バイオマスはあらかじめ処理を必要としなかった。この技術は、ケンブリッジ大学の持続可能な合成ガス化学のためのクリスチャン・ドップラー研究所(Christian Doppler Laboratory)で開発された。研究は、雑誌「ネイチャー・エナジー(Nature Energy)」3月13日に掲載された。大学のケンブリッジ・エンタープライズ(Cambridge Enterprise)の支援で、英国の特許出願が提出され、潜在的な商業パートナーと話し合いが進んでいる。

2017/03/17 アルストム社の水素列車コレイディア・アイリント、初めて時速80km/hで走る〈PT〉

〔訳注〕アルストム社(Alstom)は本日、ドイツのニーダーザクセン州(Lower Saxony)ザルツギッター(Salzgitter)にある自社の試験軌道(test track)で、世界唯一の燃料電池旅客列車コレイディア・アイリント(Coradia iLint)の初の80km/h試験走行を成功裏に実施した。大規模なテスト・キャンペーンは、2018年に始めるドイツのブルステフード(Buxtehude)―ブレマーフェルデ(Bremerv〓rde)―ブレマーハーフェン(Bremerhaven)―クックスハーフェン(Cuxhaven)路線でのコレイディア・アイリントの初の乗客試験を実施する前に数カ月間、ドイツとチェコ共和国(Czech Republic)で行われる。コレイディア・アイリントは、牽引のための電力を生産する水素燃料電池によって駆動される世界初の低床旅客列車である。

■2017年04月17日のWEB LINK NEWS
□□□───────────────────────────

2017/04/17 「エコステ」出発進行 JR武蔵溝ノ口駅(カナロコ by 神奈川新聞)

 JR南武線武蔵溝ノ口駅(川崎市高津区)が17日、水素エネルギーを活用した「エコステ」モデル駅としてリニューアルする。水と太陽光を利用し、災害時に電気が止まっても稼働する自立型のエネルギー供給システムを導入。川崎市によると、鉄道駅への設置は全国でも初めて。二酸化炭素(CO2)削減や省エネ効果があり、帰宅困難者が滞留した際の電源にも利用できる。

 JR東日本が、包括連携協定を結ぶ同市の協力で整備した。駅舎屋上の太陽光パネルによる発電で水から水素を作り貯蔵。ためた水素は、燃料電池を利用して電気と温水に変えられる仕組みだ。

 市などがコミュニティー施設・川崎マリエン(川崎区)で実証事業を続けてきた機器の最新型を導入。水素製造装置や貯蔵タンクが備わった長さ約6メートル、縦と横それぞれ約2・5メートルのコンテナ3基をホーム横に設置した。

 同駅では大規模災害時に約6500人の帰宅困難者の発生が予想されている。システムの稼働により、他の電源が失われても、2日分の電源が確保され、トイレなどの水供給も可能になる。平常時は駅全体の照明のほか、ホームに新設したエコ待合スペースで、夏はミスト、冬は温水のウオームベンチに利用する。

 同市の臨海部事業推進部は「通常の電源が失われ、大勢の乗降客が避難してきた場合でも電源が確保できる。再生可能エネルギーの水素の利活用は始まったばかりで、この供給システムが多様な施設に広がってほしい」と話す。

 「エコステ」に伴い、同駅では照明のLED(発光ダイオード)化、効率の良い空調機器導入など各種の環境保全技術を取り入れた。同市の試算では、こうした対策で年間のCO2排出量は約20%、電力消費量は約13%削減できるとしている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170417-00017194-kana-l14

2017/04/17 アマゾンは「水素社会」にエネルギーの未来を見る(WIRED.jp)

 アマゾンが、一部の配送センターで使うフォークリフトを水素による燃料電池式に切り替える。燃料電池メーカーのプラグ・パワーに出資することで、自動車やトラックでの利用拡大も目指すという。
アマゾンが次に直面する「本当の挑戦」

 アマゾンが、米国に11カ所ある配送センターのひとつで、バッテリー式フォークリフトを水素を用いる燃料電池式に切り替えることがわかった。燃料電池を手がける米国企業Plug Power(プラグ・パワー)が4月5日(米国時間)に明らかにした。

 ロイターの記事によると、アマゾンはプラグ・パワー株式の最大23パーセントを買い取る権利を獲得している。買い取りが実現すれば、アマゾンはプラグ・パワーにとって最大の株主のひとつとなる。

 プラグ・パワーはプレスリリースのなかで、アマゾンが2017年に約7,000万ドル(約76億円)を投じて、プラグ・パワーの「GenKey」システムを買い取る予定であることも明らかにした。このシステムは、フォークリフト用の燃料電池、バックアップ電源用の固定式燃料電池、水素燃料補給用のインフラ、および燃料で構成され、カスタマーサポートも提供される。
ユニークな連携が目指す未来

 プラグ・パワーはプレスリリースで、アマゾンとの提携はユニークなものになると述べている。燃料電池メーカーと「小売りの巨人」の提携であることもさることながら、自動車やトラックでの利用も視野に入れて「プラグ・パワーの燃料電池エンジン『ProGen』の利用拡大を目指す」ことになるからだ。
『タイムズ・ユニオン』紙の記事によれば、プラグ・パワーの2016年の売上は8,590万ドル(約93億円)だった。2017年の売上は、アマゾンとの提携のおかげで2倍近くに増える可能性があるという。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170417-00010002-wired-ind

2017/04/17 トヨタ、FCVの普及加速に向け「名古屋 ものづくり ワールド 2017」で猛アピール(Impress Watch)

 トヨタ自動車のお膝元である愛知県のイベントということもあり、車両部品や車両開発に関わる工具、設備なども展示されていた。開催2日目の4月13日には、そのトヨタ自動車の先進安全技術担当者である伊勢清貴氏の特別講演も実施され、およそ3500人という多数の受講者がメイン会場とサテライト会場を埋めつくした。

 トヨタの環境問題に対する基本スタンスは「省エネルギー」「燃料の多様化」「エコカーは普及してこそ環境に貢献できる」というもので、必ずしも環境問題をクリアするためにガソリンや電気など特定の燃料にはこだわっていないのが特徴だ。とはいえ、環境面を考慮すると、CO2などを排出するガソリン車はどうしても不利な立場にある。ハイブリッドカーもガソリンを使う以上同様の課題があり、EV(電気自動車)は航続距離の問題が大きい。いずれも一長一短あり「1つには絞れない」と伊勢氏。
■次世代車開発に向け、「水素というキーワードでの技術開発を」要請

 ただ、そんななかでもトヨタが次世代の石油代替燃料として期待をかけるのが、水素燃料電池を動力源にするFCV(燃料電池車)だ。水素の使用過程でCO2が発生せず、水素と酸素を反応させた後に残るのが水のみというクリーンなエネルギーであることが理由の1つ。

 また、水素を生み出すための一次エネルギーとして従来の化石燃料を使えるだけでなく、下水汚泥のような本来利用価値のないものや、風力・太陽光をはじめとする再生可能エネルギーを利用可能であるところもメリットだ。エネルギー源を確保するのにガソリンより国費の海外流出が小さいこと、税金がかかっておらず天然ガスと比べてもコストが約半分になるという利点もある。さらに、FCVは環境に優しいこと以上に、パワフルで「走りの楽しさ」が得られ、航続距離が長いなど使い勝手がよく、非常時には大容量の電力供給源としても動作するという点も伊勢氏は強調する。

 FCVについては解決すべき課題がまだ数多くあるのも事実で、例えば燃料を供給するための水素ステーションはまだ多いとは言えない状況だ。現在のところ日本各地に計91カ所が稼働中、もしくは設置準備中の段階にあり、2020年には全世界に数百機の水素ステーションが設置される予定であることを紹介したが、かつてガソリン車の普及を促したようなドラスティックな変化が起きるかどうかは未知数と言える。

 とはいえ、1月にはエネルギー・運輸・製造業における世界トップ企業ら13社による「Hydrogen Council(水素協議会)」が発足。5月からUAE(アラブ首長国連邦)でトヨタのFCV「ミライ」を用いた実証実験が開始される予定になっていることも報告し、水素エネルギー普及に向けた動きは本格化しそうだ。

 トヨタは2050年までに、新車のCO2排出量を2010年比で90%削減するという目標を掲げている。この目標を達成するためにも、ガソリン車を可能な限りゼロエミッションのFCVなどへ移行させていくことが至上命題になっている。次世代車の開発を加速させるため、伊勢氏は詰めかけた来場者に向かって「“水素”というキーワードでの技術開発をよろしくお願いします」と要請した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170417-00000085-impress-ind

2017/04/17 世界記録の効率16.2%、太陽光で水素製造(スマートジャパン)

 米NREL(国立再生可能エネルギー研究所)の研究グループが、太陽電池を利用した水素製造の効率で世界記録を更新した。これまでの14%を2.2ポイント上回る16.2%を記録したという。

 これまでの世界記録だった14%は、ドイツ研究センターヘルムホルツ協会の組織であるHelmholtz-Zentrum Berlin(HZB)、イルメナウ工科大学(TU Ilmenau)、フラウンホーファーISE(Fraunhofer ISE、太陽エネルギーシステム研究所)、カリフォルニア工科大学(Caltech)の混成チームが2015年に記録した。

 今回、その世界記録を更新したNREL。利用したのはNRELが開発した反転変性多接合(IMM)太陽電池だ。従来のヒ化ガリウム(GaAs)層をインジウムガリウム砒素(InGaAs)に置き換え、デバイスの効率を大幅に改善することに成功した。また、デバイスの上に非常に薄いアルミニウムインジウムリン(AlInP)の「窓層」を堆積させ、次にGaInP2の第2の薄層を堆積させた。これにより腐食性電解液からセルを保護し、効率の低下を防ぐことができるという。

 NRELでは、こうした太陽光を利用して水素を製造できるデバイスが普及するためには、水素の製造コストを1kg当たり2ドルまで下げる必要があると述べる。この目標に向けて今後も変換効率の向上や、デバイス寿命の向上に取り組むとしている。

 なお、今回の成果は科学誌「Nature Energy 」のオンライン版に2017年3月13日(現地時間)に掲載された。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170417-00000019-biz_it_sj-bus_all

───────────────────────────────────

■メルマガ「燃料電池ワールド」
 □毎週月〜金曜日発行(年末年始および祝日は休刊)
 □編集・発行:燃料電池NPO pemdream
  連絡先:http://pemdream.com/index.php?contact%20us

 □アドレスの変更・解除を希望される方は、利用されている「まぐまぐ」または「melma!」
のどちらかで解除の手続きを行ってください。pemdreamでの代行はできません。
  まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000065319.html
  melma! http://melma.com/backnumber_39824/


**H2**

<前の号 次の号>

TAKAGI-1