燃料電池ワールド Vol.2184 (2016/09/01 08:51)

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□燃料電池ワールド Vol.2184
■2016年09月01日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

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■世界のヘッドライン(07月18日)
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2016/07/18 アクシオン社、燃料電池電極からプラチナを回収する方法を開発〈PT〉

〔訳注〕アクシオン・コンサルティング社(Axion Consulting)の専門家チームは、燃料電池用膜電極接合体(fuel cell membrane electrode assemblies:MEAs)から価値の高いプラチナおよびポリマー物質を分離・回収する経済的に実行可能な方法を開発した。「我々は、特許が適応されたパイロット規模の工程で実証してきたが、とても簡単に産業規模にスケールアップすることが可能だ」とアクシオン社のシニア・エンジニア、サム・ヘイグ(Sam Haig)は説明している。

2016/07/18 勢いを増す欧州の燃料電池バス市場〈PT〉

〔訳注〕エレメント・エナジー社(Element Energy)発:エレメント・エナジー社(Element Energy)が主導するヨーロッパのプロジェクトは今月、燃料電池バスの共同調達の戦略に関する報告の発表で終えた。これにより、若干のクラスター調整者が燃料電池バスの導入に関心のある都市のパートナーシップを整理して、計画と資金調達戦略の開発を支援するというプログラムは終了した。エレメント・エナジー社はプロジェクトをリードすることに加えて、イギリスのクラスター調整者となり、燃料電池・水素共同事業(Fuel Cells and Hydrogen Joint Undertaking)のために30万ユーロ・プロジェクトで活動するベネルクス地域(Benelux region)、フランス、ドイツ、北欧の若干のパートナー調整者と仕事をした。この研究報告は、ゼロ・エミッションのバスを導入する計画の都市や、バスおよび燃料補給機器のサプライヤーのために有用な情報源である。

2016/07/18 フランスはまず:バイオガスや家庭廃棄物から直接作る水素燃料供給ステーション〈PT〉

〔訳注〕地元当局とジャーナリストが7月4日、フランスのLabessi〓re-Candeilに集まった。これは、バイオガスと家庭廃棄物から独占的に供給される水素を使う初めての水素燃料供給ステーションを発足させるためのイベントである。

2016/07/18 海洋使用のために燃料電池をテストするシリエナジー社とフィッシャー社〈PT〉

〔訳注〕酸素・燃料電池技術国家技術革新プログラム(NIP)の必須部分の旗艦プロジェクト「イー4シップス(e4ships)」で、有名なドイツの造船所と海運会社は、船舶の日々の電力の取り付けられた電源として燃料電池の信頼性を実証することを目的としている。また、デンマークのフィッシャー社グループ(fischer group)の子会社シリエナジー社(Serenergy)は高温型燃料電池を製造する。

2016/07/18 バラード社、中国での燃料電池スタックの現地生産のために5年間、168万ドルで画期的な契約に署名する〈PT〉

〔訳注〕バンクーバーと仏山(VANCOUVER and FOSHAN、中国)発:バラード・パワーシステムズ社(Ballard Power Systems)は本日、中国の仏山(Foshan)で広東共同新水素電力技術社(Guangdong Synergy Hydrogen Power Technology Co., Ltd.:Synergy)と最終的な契約に署名した。バラード社とシナジー社は2016年後半に、スタックの製造業務を行う合弁会社(シナジー社が90%、バラード社が10%)を設立する。

2016/07/16〜17 記事の配信はありません。

■2016年08月31日のWEB LINK NEWS
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2016/08/31 プリウスPHVの脅威、“純”電気自動車は駆逐されるか(ダイヤモンド・オンライン)
●トヨタが新型プリウスPHVを今冬発売 EV航続距離40km以上は余裕

 バッテリー式EV(電気自動車)か、それとも水素燃料電池式EVか。2つの新エネルギー車が主導権争いを繰り広げるなか、“第3のEV”、すなわちプラグインハイブリッドEVがにわかに存在感を高めている。

 メルセデス・ベンツ、BMW、ボルボ、フォルクスワーゲンなど欧州勢が次々にプラグインハイブリッドモデルを投入してくるなか、トヨタ自動車が第4世代「プリウス」をベースとしたプラグインハイブリッドモデルを開発。今冬とされる正式発売を前に、そのプロトタイプ(市販車に準じた試作車)を公開した。
●電力各社の深夜料金引き上げで EVのコストメリットは縮小傾向

 肝心のコストメリットは以前に比べると縮小している。EVの圧倒的メリットは運用コストの安さと言われているが、電力各社が深夜電力料金を引き上げる動きも出てきているからだ。

 仮にプリウスPHVと100km走行あたりのコストを比較した場合、プリウスPHVがハイブリッド走行のみだったとしてレギュラーガソリン4.5リットル、500円。対するリーフはバッテリーに送り込むのに消費する投入電力を15kWhとすると340円。一応7割程度ではあるが、厳寒期や夏季などエアコン等でより電力を消費する時期にはアドバンテージはほとんど吹き飛ぶことになるだろう。

 現状で100kmあたり1000円くらいかかる燃料電池式EVよりはマシだが、決して楽な戦いではない。EVは今後、プラグインハイブリッドカーにはないようなEVならではの素晴らしさを積極的に表現できる何かを掴む必要があろう。

 一方、プラグインハイブリッドカー陣営も安閑とはしていられない。プリウスPHVの価格は補助金を計算に入れない場合、ノーマルハイブリッドに対して約70万円高くなるという。それでEVライフを過ごせるというのは結構なことに思えるが、実は罠も潜んでいる。

 先に述べた深夜電力料金引き上げの影響は、EVと同様にモロに受ける。現行プリウスが相当に優秀な燃費性能を持っていることもあって、ガソリン価格が今日の水準で推移する限り、70万円分のモトを取り戻すのはほぼ不可能に近い。

 コストメリットが薄いとなると、今度は普通のハイブリッドカーが立ちはだかってくる。いちどEVに乗ってみたいという顧客は吸引できても、そこから先は苦戦する可能性も結構高いのだ。果たして日本や世界の顧客がどういう選択をするのか、成り行きが興味深い。井元康一郎
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160831-00100367-diamond-bus_all

2016/08/31 <燃料電池>発電効率3倍に 耐性も向上 山梨大が触媒開発(毎日新聞)

 山梨大は、燃料電池の性能を飛躍的に引き上げることに成功したことを明らかにした。化学反応の効率を最大で約3倍高める触媒を開発した。研究グループの内田裕之教授(61)は「将来、これを積んだ燃料電池が世界標準になる可能性がある」と話し、実用化に向け研究を進めている。

 燃料電池の発電効率を上げるカギは、水素から電子を取り出すために使う触媒の性能。主に白金を使うが、発電を繰り返すと化学反応の効率が落ちてしまう。水素燃料に混じっている一酸化炭素(CO)が白金の表面にくっつき、働きを妨げてしまうためだ。

 山梨大のクリーンエネルギー研究センターが開発したのは、COが吸着しにくい特性を持つ新しい触媒。白金の原子の層で、白金とコバルトの合金を包む構造の触媒を作ったところ、従来に比べて反応効率を最大で約2倍引き上げることに成功した。さらに、同じ構造でコバルトの代わりに鉄を使った触媒は最大で約3倍、反応効率が向上。COへの耐性も上がった。

 水素燃料はCO濃度に厳しい基準が課せられるため値段が高い。しかし、この触媒なら基準を緩められるため、燃料の価格を下げる効果も期待できる。内田教授は「ガソリンにたとえれば、ハイオクをレギュラーに切り替えるくらいの意味がある」と説明する。

 研究センターは、こうした成果を米ハワイで10月に開かれる国際学会で発表する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160831-00000024-mai-sctch

2016/08/31 シボレー、軍用の燃料電池車を10月に公開(carview!)

 米ゼネラルモーターズ(GM)は30日、シボレーブランドの燃料電池車を10月に公開すると明らかにした。

 燃料電池車は、GMと米陸軍TARDEC(タンク オートモーティブ リサーチ デベロップメント アンド エンジニアリング センター)のコラボレーションにより、開発が進められてきた。シボレー コロラドをベースに開発され、TARDECはこれを軍事活動で使用し、そうした環境下における燃料電池車のデータをGMにフィードバックする。TARDECでは、燃料電池車が走行のみならず発電機としても利用できることに注目し、その走行時の静粛性やジェネレーターとしての機能、力強い低速トルク、水のみの排出といったメリットに関心を寄せている。2017年中にはユーザーに対するデモンストレーションの実施を予定している。

 TARDECのディレクター、ポール・ロジャース氏は、次のように述べている。「燃料電池車は、パワーソースとしても軍に対して大きな価値をもたらす可能性を秘めています。作動音が静かで、しかも車両から離れた場所で電気を生み出せることに期待しています。また強力な低速トルクはオフロード走行において威力を発揮してくれるでしょう」。

 また、GMのグローバル フューエルセル アクティビティーズのエグゼクティブディレクター、チャーリー・フリース氏は「このプロジェクトは、燃料電池がこれまでとは違った役割を果たせることを示すものでもあります。GMは2020年までに燃料電池システムの商用ユースにおける商品化を目指しています」と燃料電池の多用な可能性への期待を口にした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160831-10250786-carv-bus_all

2016/08/31 伸銅協会、技術戦略で「ロードマップ」(鉄鋼新聞)

 日本伸銅協会(会長・堀和雅三菱伸銅社長)は伸銅品技術戦略ロードマップを策定したと30日発表した。新市場開拓に必要な技術開発の明確化や、共通課題の対応を促進するための報告書。2035年までの国内主要産業の変化を分析したビジネスロードマップと伸銅関連技術を整理し成長分野での展開に繋げる技術ロードマップ、海外勢や他素材との競争に勝ち抜く対策を示した産業ビジョンで構成。社会変化に先手を打った技術開発を促して業界を発展させる。今後は公的な技術開発プロジェクトへの参画のほか産学連携の強化を目指す。

 ビジネスロードマップでは有望5分野として自動車を中心とする次世代移動体、介護ロボットなどのパワーバリアレス社会、IoT(モノのインターネット化)などに対応するユビキタス社会、低炭素の次世代燃料として期待される水素を用いる水素社会、衛星や資源開発関連で需要が見込まれる宇宙・深海を位置付けた。併せて製品化前の段階から開発に参画できるよう、需要先の次世代技術の開発スケジュールを示している。今後は各分野で将来求められる素材の特性を明らかにしていく。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160831-00010002-tekkou-ind

■燃料電池関連イベント(初出後1週間を経過した情報はこちらに移動しました)
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☆第9回新電極触媒シンポジウム&宿泊セミナー【再掲】
テーマ:高活性と高耐久性を両立する触媒を目指して (2)

 触媒学会燃料電池関連触媒研究会では燃料電池に関連した触媒技術を研究対象とし、高活性/高耐久性触媒、低コスト化を含めた触媒合成法、触媒の反応機構と基礎物性、評価/解析技術等、燃料電池用触媒に関する学術情報交換を行っています。新電極触媒シンポジウム&宿泊セミナーは燃料電池用電極触媒に関する最近の研究開発状況と今後の展開について講演頂くと同時に、ナイトセッションでは参加者が親しく討論します。FCVの市販が開始されましたが、Pt系触媒の高活性化と高耐久化は不十分であり、これらを同時に高めることが燃料電池の低コスト化と広い普及への鍵となります。

 第9回宿泊セミナーでは水素社会と水素製造用触媒の耐久性、エネファーム用セルの耐久性、IL SEMを用いたカソード環境でのPt系触媒の変化とその高耐久性化手法、in-situ TEMによるナノ材料観察、カーボン担体の高耐久性化、XAFSによるPt系触媒の解析およびナノクラスターPtの触媒活性について講演して頂きます。ポスターセッションでは電極触媒に限定せず、燃料電池に関連する研究を広く募集します。学生の方には優秀ポスター賞を用意しておりますので、奮ってご参加ください。
◇日 時:10月21日(金)12:30 ?10月22日(土)12:00
◇場 所:静岡県三島市末広町21-9 東レ総合研修センター TEL: 055-980-0333

  アクセス https://plus.google.com/116295045839993185703/about?gl=jp&hl=ja
◇日 程:
1日目10/21 (金)
・セッション1 招待講演 (センター棟8階 多目的研修室)

 12:40〜13:40 定置用燃料電池水素製造用触媒の耐久性 (国際石油開発帝石 原田亮氏)

 13:40〜14:40 大阪ガスにおけるPEFCセルの耐久性評価研究 (大阪ガス 山崎修氏)

 15:00〜16:00 IL-FE-SEMによるPt触媒の劣化解析と表面修飾炭素材料を用いる触媒開発(大分大学 衣本先生)

 16:00〜17:00 TEM内その場観察法とそのナノ材料への応用 (大阪大学 保田先生)
・セッション2 (ナイトセッション) ポスター展示 (ダイニング棟3階 第1パーティールーム)
 18:30〜21:00 ポスターセッション&自由討議
 〜22:30 自由討議
2日目10/22(土)
・セッション3:招待講演 (センター棟8階 多目的研修室)

 8:30〜9:30 マリモカーボンの特性と燃料電池への適用 (茨城大学 江口先生)

 9:30〜10:30 放射光X線吸収法による燃料電池Pt系触媒の解析と設計指針 (立命館大学 折笠先生)

 10:50〜11:50 非魔法数Ptクラスターが示す特異的な触媒活性 (東京工業大学 今岡先生)
◇お申込みについて:
・参加申し込みとポスター発表申し込み締め切り:10月14日 (金)
・発表要旨の締め切り:10月17日 (月)

 A4用紙1枚にフリーフォーマットでタイトルと所属を明記の上、下記西村までメールで送付してください。
・参加費:一般会員 23,000円, 一般非会員30,000円, 学生5,000円
・宿泊費:7,000円 (夕食・朝食込み)
・参加申し込み方法と問合せ先:氏名、所属、連絡先 (住所、電話、メールアドレス)、宿泊の有無およびポスター発表の有無を明記の上、下記西村までメールでお申し込みください。

 同志社大学 西村メール: jt-liaiy@mail.doshisha.ac.jp  電話: 0774-65-6589
・セミナー開催案内web
http://www.cstf.kyushu-u.ac.jp/~ishihara-lab/FC_kenkyukai2/  

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