燃料電池ワールド Vol.2131 (2016/06/15 09:22)

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□燃料電池ワールド Vol.2131
■2016年06月15日発行

                    ◆燃料電池NPO pemdream

                    ◇http://pemdream.com

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■世界のヘッドライン(05月02日)
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2016/05/02 エイヴィエル社とグリーンライト・イノベーション社、燃料電池試験システムの生産ラインの開発で契約する〈PT〉

〔訳注〕ハノーバー(Hannover、ドイツ)発:カナダのグリンライト・イノベーション社(Greenlight Innovation Corp.)とエイヴィエル・リスト社(AVL List GmbH)は、ハノーバー見本市で、彼らは共同ブランドの燃料電池システムを試験する製造ラインの開発に協力していると発表した。グリーンライト社は燃料電池と水素業界で25年の経験を持っており、エイヴィエル社は自動車のパワー・トレインの開発分野で65年以上の経験を持っている。両社は、システムや燃料電池をテストして燃料電池パワートレインの試験のための技術開発が可能になり、今後の課題として相手先商標製品製造会社(Original Equipment Manufacturer:OEM)として燃料電池パワートレインの技術を開発する。

2016/05/02 フラウンフォーファー協会太陽エネルギー・システム研究所、燃料電池自動車を研究する艦隊にヒュンダイ ix35を取得〈PT〉

〔訳注〕フラウンホーファー協会太陽エネルギー・システム研究所(Fraunhofer Institute for Solar Energy Systems ISE)は、2012年に太陽光発電を建立して、研究所の水素充填ステーションはグリーン水素に基づくゼロ・エミッション・モビリティを実証している。過去4年間は3台のダイムラー社(Daimler)のBクラスFセル自動車(B-Class F-Cell Vehicles)を使用して燃料電池を試験してきた。今回、新たにヒュンダイ(Hyundai)の燃料電池乗用車ix35を取得して、ゼロ・エミッション研究艦隊を展開する。

2016/05/02 コミュニティ・エナジー・スコットランドのサーフ’n’ターフ・プロジェクト、オークニー水素のために500万ユーロを確保する〈PT〉

〔訳注〕この記事は、4月28日付け(Vol.2129 2016/06/13発行)の「ITMパワー社、スコットランドで革新的なグリーン水素システムを構築するビッグ・ヒット・プロジェクトに500万ユーロの資金を発表」の関連記事である。オークニー諸島(Orkney)の革新的な地域再生可能エネルギー・プロジェクト(community renewables project)であるオークニー・サーフ&ターフ(Orkney Surf ‘n’ Turf)プロジェクトは、コミュニティ・エナジー・スコットランド基金(Community Energy Scotland:CES)がリードする欧州の資金調達の落札で、大きな一歩を踏み出した。新しいビッグ・ヒット・プロジェクト(BIG HIT project)は、輸送と暖房の燃料として水素への500万ユーロの投資が決められており、水素を生産するローカル配電網(local grid)は、使用するには小さすぎるコミュニティ所有の再生可能電力1.5MWまで使い尽くすだろう。〔訳語〕オークニー水素は、内容が難しい。Vol.1846 2015/04/06発行の4月1日付けの記事「スコットランド政府からオークニー・サーフ&ターフ水素プロジェクトに135万ポンドの資金提供」が参考になる。

2016/05/02 ウエストバージニア大学とGE、固体酸化物型燃料電池の性能向上を計画するために提携〈PT〉

〔訳注〕ウエストバージニア大学(West Virginia University)の研究生は、固体酸化物型燃料電池(solid oxide fuel cells)の性能を向上させるために設計されたプロジェクトについて、ゼネラル・エレクトリック社(GE)の彼らの同僚と提携している。機械宇宙工学部(Department of Mechanical and Aerospace Engineering)のエドワード・サポルスキー(Edward Sabolsky)とシンボー・リウ(Xingbo Liu)、化学生物医学部(Department of Chemical and Biomedical)のジョンZondlo(John Zondlo)は、米国エネルギー省(U.S. Department of Energy)の国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory)でこのプロジェクトに取り組んでいるGEグローバル・リサーチ社(GE Global Research)とGE燃料電池社(GE Fuel Cells, LLC)の研究者のパートナーである。彼らは、液体セラミックを使った固体酸化物型燃料電池の作製を研究している。

2016/04/30〜05/01 記事の配信はありません。

■2016年06月14日のWEB LINK NEWS
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2016/06/14 地産地消の自立型水素システム、CO2フリー化の敵は太陽電池の置き場所(スマートジャパン)

 東芝は2016年6月9?10日に神奈川県川崎市で毎年恒例の「第25回東芝グループ環境展」を開催。その中で、自立型水素エネルギー供給システムとして「H2One」への取り組みを紹介した。
●ハウステンボスや大黒ふ頭などへ導入

 東芝では2015年4月に水素社会に向けた取り組み強化を発表しており、これにより「H2One」の本格展開を発表した。発売から約1年がたつが、既に神奈川県川崎市の川崎マリエンや長崎県佐世保市のハウステンボス、横浜市の大黒ふ頭などに販売され、稼働を開始しているという。さらに、JR東日本が行うエコな駅「エコステ」プロジェクトにも参加し川崎市の南武線武蔵溝ノ口駅へ2017年にH2Oneを設置することも決まっているという。
●「自給自足は意外に難しい」

 H2One発売後の手応えについて東芝 次世代エネルギー事業開発プロジェクトチーム 参事の嶋田雄二郎氏は「発表後はテレビCMなどを行ったこともあり多くの引き合いがある状況。365日24時間稼働ができる点や化学反応を利用しているため静音性がある点などが評価を受けている。環境対策の面だけでなく、BCP(事業継続計画)などの面での評価も高い」と述べている。

 防災やBCPの面では、再生可能エネルギーでの発電を生かした「完全自立型」への期待感もあるが、実際には難しいと嶋田氏は述べる。

 「電気分解に必要な十分な電力を得るためには、H2Oneの屋根に設置する太陽光発電設備だけでは不十分。そのため、別の敷地の太陽光発電設備などを用意しなければならないが、スペース面などからなかなか条件で折り合わないケースがある」

 今後に向けては太陽電池以外の再生可能エネルギーとの組み合わせなども推進。H2Oneではないが、北海道釧路で小水力発電と水素による蓄電を組み合わせた実証を行っている他、京浜臨海部では風力発電と水素蓄電を組み合わせた実証なども推進。利用可能な再生可能エネルギーの幅を広げていく方針だ。

 水素社会の実現に向けて嶋田氏は「将来的には水素供給体制をどう作るかということが大きな課題となる。工業用水素は既にさまざまな形で流通しているので、決してできない話ではない。水から作り出す電気分解装置の低廉化などさまざまなアプローチが取れると思うが、最適解を生み出していくことが必要だ」と述べている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160614-00000009-biz_it_sj-bus_all

2016/06/14 【ドイツ】グリーン技術に70億ユーロ投資:ダイムラー、燃料電池車を発売へ(NNA)

 独自動車大手ダイムラーは13日、グリーン技術の開発に向け、向こう2年で70億ユーロ超を投資する方針を明らかにした。2017年に高級車部門メルセデス・ベンツから同社初のプラグイン型の燃料電池車(FCV)を発売する計画だ。

 同社は向こう2年間の研究開発(R&D)予算である145億ユーロのうち、半分以上をグリーン技術の開発に費やす予定。うち約54億ユーロを乗用車向けに充てる。特定の技術に限定せず、燃料効率の高いガソリン車やディーゼル車、プラグインハイブリッド車(PHV)、FCV、水素燃料などさまざまなタイプの技術を並存させる方針だ。

 同社は、メルセデス・ベンツのスポーツタイプ多目的車(SUV)「GLC」に、プラグイン型FCV版の「GLC F―CELL」を導入する。エンジンルームに収まる小型の燃料電池に加え、補助電源として出力9キロワット時の大型リチウムイオン電池(LIB)を搭載することにより、約500キロメートルの連続走行が可能となる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160614-00000013-nna-eurp

2016/06/14 日産、航続距離600km以上を可能にしたバイオエタノールで発電する新燃料電池システム「e-Bio Fuel-Cell」(Impress Watch)

 日産自動車は6月14日、バイオエタノールと酸素の反応で発電するSOFC(固体酸化物形燃料電池)を世界で初めて車両に搭載する新しい燃料電池システム「e-Bio Fuel-Cell」の技術を発表した。SOFCは、燃料にバイオエタノールを使用することで水素と比べて取り扱いがしやすく、高い発電効率からガソリン車並みとなる航続距離600km以上の実現が可能という。

 同社によると、e-Bio Fuel-Cellはエタノール混合水を燃料に使用することにより、インフラへの大きな投資を必要としないことを特徴とし、ブラジルなどガソリンスタンドで100%エタノールの供給インフラ環境が整っている国において、大きな将来性を秘めているとしている。

 また、走行時に排出されるCO2が、バイオエタノールの原料となるさとうきびの成長過程で吸収するCO2と相殺されることにより、大気中のCO2の増加をゼロに近づけることができる「カーボン・ニュートラル・サイクル」が実現するとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160614-00000084-impress-ind

2016/06/14 日産、次世代燃料自動車の大本命になりそうな技術を発表!(国沢光宏)

 日産が突如燃料電池の新しいコンセプトを発表した! プロトタイプは5kWの燃料電池を搭載。30Lのエタノール(サトウキビやトウモロコシから作るアルコール。安価で安全)タンク満タンで航続距離500kmというスペックを持つとのこと。概要は以下の通り。

 現在電気自動車の日産リーフには約300kgの電池を搭載している。電池の性能を2倍にすれば、150kgの電池で航続距離150kmになる。5kWくらいの出力を持つエタノールを燃料として使う燃料電池が150kgの重量で作れたなら、ここに搭載すればよい。5kWの出力あると走りながら充電も可能。

 例えば5時間稼働させた場合、25kWhの電力を作れる計算。この電力だけで170kmくらい走れてしまう。最初に搭載している電池で150km。走りながら発電させた分で170kmの合計320km走れる。もちろんクルマを動かさなければ、燃料電池使い4時間程度でフル充電可能。

 プロトタイプは間もなく発表され、2020年の市販を予定しているという。ちなみにエタノール燃料は1リッターあたり100円程度。水素ステーションが不要で、普通のガソリンスタンドで補給出来る。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kunisawamitsuhiro/20160614-00058822/

2016/06/14 豊田自動織機、三重県亀山市に実車走行評価を行う試験場を新設…2018年3月竣工(レスポンス)

 豊田自動織機は6月14日、三重県亀山市に実車走行評価を行う「豊田自動織機 亀山試験場(仮称)」を新設すると発表した。

 亀山試験場は敷地面積が約66万平米。電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)など、自動車の多様化に対応した機能部品開発の促進、顧客ニーズへの対応などを目的に、時速100kmでの巡航走行が可能な1.6kmの高速周回路と評価設備を建設する。
 亀山試験場の竣工は、2018年3月を予定している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160614-00000031-rps-bus_all

2016/06/14 <参院選>新党改革が公約発表 「脱原発」柱に(毎日新聞)

 新党改革は14日、参院選公約を発表した。「脱原発」を柱に、アベノミクスを後押しする立場から成長戦略を強調した。また憲法改正は「発議までには時間をかけるべきで、機が熟していない。時期尚早」として慎重な議論を求めた。

 脱原発の具体策として、各家庭のガス給湯器をエネファーム(水素燃料電池)に置き換え、原発は不要と主張。独自策として「医療大麻の研究推進の早期実行」を訴えた。
◆「超」原発社会へ
・ガス給湯器をエネファーム(水素燃料電池)に置き換え、原発は不要に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160614-00000064-mai-pol

2016/06/14 日産 坂本副社長、従来方式のFCVは投入延期を表明(レスポンス)日産自動車の開発部門を担当する坂本秀行副社長は6月14日、横浜市の本社でバイオエタノールを燃料として搭載する新たな燃料電池車(FCV)の技術説明を行った。

 この席上、坂本氏はトヨタ自動車などが販売している水素を燃料として車載するFCVの市場投入は、「現状では水素の高価格などで、製品化は難しい」と述べ、投入を凍結する方針を表明した。日産は従来、2017年ごろにFCVを市販する計画を示していた。

 14日に発表した新たなFCVは、エタノールを車に搭載した改質器で水素に転換し、燃料電池によって発電する仕組み。システムが安価にでき、エタノールの供給インフラも南米などで整っているなどの利点がある。坂本氏はこのタイプのFCVを2020年ごろに商品化するとの計画を示した。従来の水素燃料方式より投入は「先になる可能性がある」とも指摘した。

 一方、従来方式FCVでの独ダイムラーや米フォードモーターとの共同開発は「続けていく」とし、「製品としてはいつでもできるようにしておく」との方針も示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160614-00000037-rps-bus_all

2016/06/14 日産 坂本副社長「熱疲労に耐える素材がカギ」…エタノール利用のFCV開発(レスポンス)

 日産自動車の開発部門を担当する坂本秀行副社長は、6月14日に開いた新たな燃料電池車(FCV)の技術説明会で、この車両の燃料電池(FCスタック)の課題は「熱応力による疲労破壊の克服」と指摘した。

 日産は2020年の商品化を目指している。このFCVは、バイオエタノールから改質器で水素を取りだし、FCスタックで発電する仕組み。スタックは、水素を燃料として発電する現行のFCVのスタックとは異なり、触媒に高価なプラチナを使う必要がないのが大きな特徴だ。

 スタックの温度に幅があり、高温時には700?800度になるためという。だが、この高温と低温を繰り返す過酷な環境に耐え、熱による疲労破壊を防ぐ素材が必要となる。坂本氏は開発では「生産技術面での対応を考えている」という。また、国内外の研究機関にも「幅広く協力を呼び掛けていく」と、リソーセスのオープン化も進める方針だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160614-00000039-rps-bus_all

2016/06/14 日産 坂本副社長、従来方式のFCVは投入延期を表明(レスポンス)

 この席上、坂本氏はトヨタ自動車などが販売している水素を燃料として車載するFCVの市場投入は、「現状では水素の高価格などで、製品化は難しい」と述べ、投入を凍結する方針を表明した。日産は従来、2017年ごろにFCVを市販する計画を示していた。

 14日に発表した新たなFCVは、エタノールを車に搭載した改質器で水素に転換し、燃料電池によって発電する仕組み。システムが安価にでき、エタノールの供給インフラも南米などで整っているなどの利点がある。坂本氏はこのタイプのFCVを2020年ごろに商品化するとの計画を示した。従来の水素燃料方式より投入は「先になる可能性がある」とも指摘した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160614-00000037-rps-bus_all

2016/06/14 日産、エタノール燃料のFCV技術「バッテリーEVの苦手領域をカバー」(レスポンス)

 日産の坂本秀行副社長は同日、横浜市内にある本社で会見し、「e-Bio Fuel-Cell」と名付けた燃料電池システム技術について、「我々の次世代エコカー技術の中心はEV(電気自動車)で、e-Bio Fuel-Cellも実はEV。燃料電池を使ってレンジエクステンダー(航続距離延長装置)を造るというのは、我々が考えているゼロエミッション戦略の一部」と強調した。

 その上で「バッテリーEVが苦手とする重い車や、航続距離を必要とする車は、こうしたレンジエクステンディング技術によってカバーする。内燃機関をEVに置き換えてゼロエミッションを達成するというのが我々の使命だと考えているので、そのためには非常に有効な技術と考えている」と述べた。

 燃料電池車を巡って日産はフォードやダイムラーと水素を使ったシステムで共同研究を行っているが、坂本副社長は「水素を精製するエネルギー、コストが非常に高すぎて、かつ入手性が非常に不安定なので、我々としてはすぐ商品化というふうには考えていない」と説明。

 さらに「将来、水素の製造プロセスに革新が起きる可能性には期待をしているので、その時には花開くものであろうし、その技術自体が、かなりe-Bio Fuel-Cellに使えるという特性を持っているので、燃料電池の研究は継続してやっていく」としながらも、「しかし商品化に関してe-Bio Fuel-Cellが現実的だと思っている」とも話していた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160614-00000046-rps-bus_all

2016/06/14 日産、バイオエタノールで走るFCV技術発表 20年に実用化へ(ロイター)

 日産が発表した新しい燃料電池システム「eーバイオ・フューエルセル」は燃料と酸素の反応を利用する固体酸化物形燃料電池(SOFC)を発電装置としたシステムで、SOFCで発電した電力をバッテリーに供給してモーターで駆動する。同社によると、自動車の動力源として車両に搭載するのは世界初。同社のEV「リーフ」の航続距離は最大280キロだが、新技術では約800キロを目指す。

 トヨタ自動車やホンダが実用化しているFCVでは水素を燃料にしているが、坂本副社長は「水素は製造する際のエネルギーやコストが非常に高く、インフラ投資も非常に必要」と指摘。一方、バイオエタノールは高額なインフラ投資や触媒に使う高価な希少金属が不要なため、「調達が簡単で、安全性が高くコストが低いのが最も大きなメリット」と語った。気体の水素に比べ、液体のエタノールの方がタンク容量も小さくて済むことから、車両のレイアウトもしやすいという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160614-00000080-reut-bus_all

2016/06/14 日産、自宅でも燃料補給可能に!?エタノール燃料電池車を2020年メドに市販化か(オートックワン)

 もちろん日産は全容を公表していないため、半分以上は私の推測となる。予想が当たっていれば、乗用車用燃料電池車の主役になる可能性すら持つ。以下紹介しよう。

 今回、日産から発表された新技術は、燃料に水素でなくバイオエタノールを使う。膨大なエネルギーを使って水素を作る手間が省け、巨大で驚くほど高価な水素タンクも不要。さらに燃料の補給だってガソリンスタンドで可能。実現すれば燃料電池車の普及に向け、さらに大きな1歩になる。

 バイオエタノールはサトウキビやトウモロコシなどから作り出せるため化石燃料は不要。価格もガソリンと混ぜて使っているほどだから、ランニングコストだって問題にならない。ここまで読んで「そんなに凄いならトヨタやホンダはなぜ採用しないのか?」と思うことだろう。

 もちろん他のメーカーだってとっくに手がけている。トヨタも『FCEV-2』(1997年)にメタノール改質型の燃料電池を搭載していた。なぜメタノール改質型を止めたかと言えば、出力的に厳しいからだ。そもそもメタノールから水素を作るには、高熱を加えたりするなど大がかりな装置になる。

 加えて当然ながら車両に搭載出来るサイズでは、とうてい自動車を走らせるほどの出力を出せない。実際、トヨタFCEV-2は、車体の後半全てが改質装置+燃料電池だった。東京ガスの家庭用燃料電池『エネファーム』も天然ガス改質型で、大型冷蔵庫のサイズながら、わずか1馬力くらいである。
 けれど考え方を変えたら面白い。

 テストしているプロトタイプは、5kWの燃料電池を搭載。30Lのエタノールタンク満タンで航続距離約500kmというスペックを持つとのこと。

 そして、面白いのは100%エタノールでも、水55%を混ぜた「エタノール混合水」でも走れてしまうそうな。これならほぼ可燃性ゼロなので持ち運びも可能。自宅でも燃料チャージが可能になる?
[Text:国沢光宏]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160614-00010010-autoconen-bus_all

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